概要
鉄道ファンの中で、趣味として鉄道に乗ることを好む人々を指す。鉄道自体にはそれほど関心がなくても、旅行感覚でローカル線の旅情を楽しむ人も多い。また、特徴的な列車や乗ってみたい車両を利用する(例:観光列車)ことを目的に列車を選ぶことは一般的によくあることである。
基本的に鉄道会社に利益をもたらすとは限らない撮り鉄とは違い、公共交通本来の利用方法をとっているため鉄道ファンの中でも有益な部類に入る。
楽しみ方
最も一般的かつ盛んに行われているのは、乗ったことのない鉄道路線をひたすらに乗車していく「乗りつぶし」である。旅情にとんだローカル線の他、短絡線や連絡線などレアな路線を実乗するツアーはしばしば旅行会社によって企画されており、人気がある。近年は秘境駅巡りを中心とした臨時列車もある。
「どれだけ面白い乗り方ができるか」を追求する人もいる。大都市近郊区間内の特例を利用して一区間だけの切符であえて遠回りの乗車を楽しむ「大回り乗車」や、新幹線と在来線特急の組み合わせで遠回り乗車する「一筆書き切符」など。
乗り鉄が乗車を楽しむ際は、青春18きっぷなどの特別企画乗車券を使うことも多いが、鉄道路線の存廃の判断に使われる輸送密度や営業係数の算出は、乗り放題型切符の利用は考慮されないので、そういった乗り鉄がローカル線の存続に貢献していると言えるかは微妙なところである(そもそも、鉄道路線の存廃を輸送密度や営業係数で判断すること自体が多くの問題を孕んでいるが)。このため、沿線自治体は18きっぷ利用者に「ひと区間だけでもいいので、普通乗車券を購入して路線存続に協力を」と呼び掛けている。逆に言えば、当該区間の切符さえ購入すれば、乗車せず死蔵した場合も利用者の一人に算入される、つまり輸送密度向上に貢献したと言えるわけである。
問題行為
撮り鉄と比べると取り沙汰されることは少ないが、残念ながら問題を起こす輩も存在する。
- 不正乗車を行う。キセル乗車や、中学生が子供料金の切符で乗車する、特急券や指定席券の料金を踏み倒すなど(上記の「大回り乗車」は不正乗車ではないが、うっかり大都市近郊区間外にはみ出すと不正乗車となる)。
- 車内で大声で騒ぐ。個人の場合も団体の場合もある。
- 駅名標や並走車両を撮影する目的で車内を走り回る。
- 該当する追加料金の切符を持っていないのにグリーン車や寝台車などに居座る。
- 走行中に窓から身を乗り出す。旧型客車など古い車両ではドアを勝手に開ける事件が起きたこともある。
廃止間際での当該列車・路線の乗り鉄に関する注意点及び問題点は葬式鉄の記事も参照。