概要
ジェンティルドンナは前走の3連覇のかかったジャパンカップではエピファネイアの4着に敗れ、当初は同レースを最後に引退する可能性があったが、敗戦が「不完全燃焼」であったことからこのレースをラストランとして出走を表明した。なお、ジェンティルドンナは中山競馬場のレースにはこれまで一度も出走経験がなく、今回が最初で最後の中山出走となった。
ジェンティルドンナ以外にもジャスタウェイ、トーセンラー、ヴィルシーナの3頭がこのレースを最後に引退することが陣営から発表された。
また、この年の出走馬のうち、関東馬はフェノーメノ1頭のみで、残り15頭はすべて関西馬であった。
出馬表
※太字はGⅠ勝ち馬。
番 | 馬 | 性齢 | 騎手 | 調教師 |
---|---|---|---|---|
1 | トーセンラー | 牡6 | 武豊(栗東) | 藤原英昭(栗東) |
2 | ヴィルシーナ | 牝5 | 内田博幸(美浦) | 友道康夫(栗東) |
3 | ワンアンドオンリー | 牡3 | 横山典弘(美浦) | 橋口弘次郎(栗東) |
4 | ジェンティルドンナ | 牝5 | 戸崎圭太(美浦) | 石坂正(栗東) |
5 | ラキシス | 牝4 | C.デムーロ(FR) | 角居勝彦(栗東) |
6 | トゥザワールド | 牡3 | W.ビュイック(GB) | 池江泰寿(栗東) |
7 | ラストインパクト | 牡4 | 菱田裕二(栗東) | 松田博資(栗東) |
8 | メイショウマンボ | 牝4 | 武幸四郎(栗東) | 飯田祐史(栗東) |
9 | ウインバリアシオン | 牡6 | 藤岡康太(栗東) | 松永昌博(栗東) |
10 | フェノーメノ | 牡5 | 田辺裕信(美浦) | 戸田博文(美浦) |
11 | サトノノブレス | 牡4 | 池添謙一(栗東) | 池江泰寿(栗東) |
12 | デニムアンドルビー | 牝4 | 浜中俊(栗東) | 角居勝彦(栗東) |
13 | エピファネイア | 牡4 | 川田将雅(栗東) | 角居勝彦(栗東) |
14 | ゴールドシップ | 牡5 | 岩田康誠(栗東) | 須貝尚介(栗東) |
15 | ジャスタウェイ | 牡5 | 福永祐一(栗東) | 須貝尚介(栗東) |
16 | オーシャンブルー | 牡6 | 蛯名正義(美浦) | 池江泰寿(栗東) |
レース結果
ハナを奪ったのはヴィルシーナ。距離不安もあり超スローペースで淡々と進める。
前走ジャパンカップをハイペースで圧勝したエピファネイアを警戒した他陣営はヴィルシーナをつつくようなことはせず、普段掛かりがちなエピファネイアも3番手集団の後ろで落ち着いたため、結果的に終盤までのポジション取り・切れ味重視の末脚勝負になった。
直線に入るとジェンティルドンナがエピファネイアに競りかけ、残り100mでエピファネイアが後退し先頭に立った。後方からトゥザワールドとゴールドシップが差を詰めるも、4番人気ジェンティルドンナが3/4馬身の差で押し切って先頭でゴールし、有終の美を飾った。
1番人気ゴールドシップはトゥザワールドとの写真判定の結果3着、2番人気エピファネイアは5着、3番人気ジャスタウェイは後方から上がり最速で追い込むも4着にそれぞれ敗れた。
勝ちタイム2分35.3秒。ビリのオーシャンブルーは2分36.4秒でタイム差1.1秒という団子状態で雪崩れ込んだレースとなった。
着順 | 馬 | タイム/着差 |
---|---|---|
1 | ジェンティルドンナ | 2:35:3 |
2 | トゥザワールド | ¾ |
3 | ゴールドシップ | ハナ |
4 | ジャスタウェイ | クビ |
5 | エピファネイア | ハナ |
- 戸崎圭太騎手は有馬記念初制覇。
- 06年覇者ディープインパクト産駒は同競走初制覇。親子共にラストランでの制覇。84・85年シンボリルドルフ&93年トウカイテイオー親子に次いで史上2組目の父仔制覇。父娘制覇は史上初。
- ジェンティルドンナは中山競馬場初出走でGⅠ制覇。これによりJRA主要4場(東京・中山・阪神・京都)全てでGⅠ勝利。テイエムオペラオー、オルフェーヴル、後のキタサンブラックなど歴史的名馬のみが達成した記録であり、年度代表馬、そして顕彰馬の選出へと繋がった。
- 牝馬の有馬記念優勝は08年ダイワスカーレット以来6年ぶり。三冠牝馬としては史上初にして2024年終了時点で唯一。