プロフィール
生年月日 | 2008年4月21日 |
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英字表記 | Tosen Ra |
性別 | 牡 |
毛色 | 黒鹿毛 |
父 | ディープインパクト |
母 | プリンセスオリビア(USA) |
母の父 | Lycius (USA) |
生産 | 社台ファーム(北海道千歳市) |
馬主 | 島川隆哉 |
調教師 | 藤原英昭(栗東) |
主戦騎手 | 武豊、蛯名正義など |
戦績 | 25戦4勝 |
獲得賞金 | 4億6097万円 |
母のプリンセスオリビアはアメリカ合衆国生産・調教で、現役時はアメリカで24戦3勝。引退後アメリカで繁殖牝馬となった後、2番仔フラワーアレイ(Flower Alley)が米3歳G1・トラヴァーズステークスを制覇。フラワーアレイは種牡馬としてアイルハヴアナザーを輩出し、またラッキーライラックの母父となっている。
その後、日本の社台グループが購入。日本でデビューした産駒は3頭のみだが、日本で最初に産んだブルーミングアレー(2007年生・牝、父シンボリクリスエス)はオープン入りまで進み、繁殖に入ってランブリングアレー(中山牝馬ステークス制覇、ヴィクトリアマイル2着)を産んだ。そして、ブルーミングアレーの後に産んだこのトーセンラーとスピルバーグ(どちらも父ディープインパクト)の兄弟はどちらもGⅠ馬となっている。
母父リシウス(Lycius)はアメリカ生産・フランス調教。主な勝ち鞍はイギリス2歳G1・ミドルパークステークス。
馬主の島川隆哉氏にとってはトーセンジョーダンに続く2頭目のGⅠ馬。エジプトの太陽神・ラーからとった馬名から「太陽神」の愛称で呼ばれた。
生涯4勝は全て京都競馬場においてのもの。差し脚を武器とした一方、重馬場が苦手で4戦ある2桁着順の敗戦は全て稍重以下の馬場だった。
戦績
デビュー
2010年11月、栗東・藤原英昭厩舎からデビュー。新馬戦(京都芝1800m)を武豊の騎乗で制し順調なデビューを飾る。
2011年2月、きさらぎ賞(GⅢ)をミルコ・デムーロ騎乗で重賞初制覇。クラシック戦線へと名乗りを上げた。
被災とクラシック戦線
皐月賞に備え、宮城県山元町の山元トレーニングセンターで調整に入っていたのだが……ここで3月11日、東日本大震災に被災する。山元トレセンは三陸海岸から直線で約2kmの位置、やや高台にあったために辛くも津波の直撃は免れた。しかし周囲の道路やインフラは完全に寸断。3日後の3月14日に救援物資を積んで何とか山元トレセンへたどり着いた馬運車に乗り、栗東トレーニングセンターへと帰ることができた。
このような被災経験を経てクラシック三冠戦線に挑んだトーセンラーには被災地からの期待も高かったが、結果この2011年クラシック世代はオルフェーヴルの三冠世代である。
皐月賞7着、日本ダービー11着と敗れ、セントライト記念2着を経ての菊花賞3着がクラシック三冠での最高成績だった。
4歳(2012年)
2012年2月、古馬初戦は京都記念から始動するも4着。この年は7戦して七夕賞と小倉記念の2着が最高で勝ち鞍を挙げられず、9月の新潟記念7着を最後に休養に入った。
5歳(2013年)
2013年はトーセンラーの最も輝いた年だが、少々変わったローテを採っている。
まず2月の京都記念で、武豊を鞍上にきさらぎ賞以来2年ぶりの勝ち鞍となる重賞2勝目。次は天皇賞(春)に挑むも、フェノーメノの前に2着。宝塚記念はゴールドシップの5着。夏の休養を挟んで、秋は京都大賞典から始動しヒットザターゲットの3着。
マイルチャンピオンシップ制覇
ここまでなら、中長距離戦線で戦う重賞馬として特に珍しいローテではない。京都大賞典を走ったなら、次走はジャパンカップを狙うか、GⅠでは家賃が高いと考えるならアルゼンチン共和国杯。あるいはやや距離とレース間隔を詰めて天皇賞(秋)に挑戦、牝馬ならエリザベス女王杯というのもよくあるローテである。
が、陣営がトーセンラーの次走に選んだのはマイルチャンピオンシップ(京都芝1600m)だった。マイルCSを検討しているなら、最初から京都大賞典(京都芝2400m)よりも同じ週の毎日王冠(東京芝1800m)を選ぶのが一般的だし、それにトーセンラーはここまで一度も1600m戦の経験がなかった。かつ、5月には春天で2着に連対した実績のある馬である。
様々な点で異例のローテと言えるが、それでも、陣営は好走すれどもなかなか勝ちきれないトーセンラーが勝ち鞍を挙げるにはどうすべきか考えた結果、京都競馬場への好相性に賭けたローテを組んだのである。
すると、これが実を結んだ。迎えたマイルCSでは、前半は後方3~4番手の内に控え、最終直線の入り口で外に道を見出す。そこからは上がり最速33秒3の末脚でまとめて差し切り、GⅠ初制覇を果たした。
6歳(2014年)
2014年は京都記念2着、京都大賞典3着と京都巧者ぶりは健在だったが、2連覇をかけたマイルCSはダノンシャークの4着。同年の有馬記念8着を最後に引退した。
引退後
新ひだか町のレックススタッドと、日高町のブリーダーズ・スタリオン・ステーションを2年おきに移動するシャトル形式で種牡馬となった。
エプソムカップ・京都金杯と重賞2勝のザダルが代表産駒である。
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