若き風
名を残してきた
年長者たちよ
若き力がいま
その地位を狙う
そしてまた
次の世代も台頭し
新たな闘争が
巻き起こるのだ
風は吹き続ける
それが世の理
(名馬の肖像 2020年有馬記念より)
概要
1994年3月18日生まれの牡馬。
通算27戦5勝。
馬主は有限会社シルク(現:有限会社シルクレーシング)。
競走馬時の所属は大久保正陽厩舎(栗東トレーニングセンター)。
成績
1997年、武豊が騎乗した7戦目の旧4歳未勝利戦でようやく初勝利を挙げる。
再び武豊が乗り込んだ若草ステークスでは、「ワープした」とも評されるほどのごぼう抜きを見せ勝利。
続く京都4歳特別で重賞初制覇を飾る。
この時に4回目の騎乗となった藤田騎手は、以降本馬の現役引退まで全てのレースを共にした。
有力馬として3番人気で迎えた第57回東京優駿(日本ダービー)では、最終直線で鋭く伸び馬群をまとめて差し切ったが、先頭の逃げ馬に1馬身届かず2着。
その後同年では、神戸新聞杯8着、京都大賞典1着、菊花賞5着、ジャパンカップ5着、有馬記念1着(GⅠ初勝利)の成績をおさめる。
1998年は、阪神大賞典2着、天皇賞(春)4着、宝塚記念6着、京都大賞典3着、天皇賞(秋)8着、ジャパンカップ8着、有馬記念7着。
1999年は、日経新春杯6着、阪神大賞典4着、天皇賞(春)4着となったが、故障して1年近く休養する事になる。
2000年には金鯱賞に出走し11着。
これを最後に競走馬を引退。
果敢にGⅠとGⅡの中・長距離レースに挑むが、1997年の有馬記念以降勝利を挙げられなかった。
2001年に種牡馬となり、2010年に引退。
そして2019年6月3日、老衰のため満25歳で亡くなった。
2010年に産駒のバシケーンが中山大障害(J・GI)で優勝している。
同厩舎の弟馬について
所属していた大久保厩舎には、シルクジャスティスと同父で少し遅れて生まれた同期のエリモダンディーがいた。
こちらは体重が400kgにも満たない時期がありながらも早くから能力を評価されており、人に懐きやすく扱いやすい馬であったされる。
2頭が同時に調教・調整を受ける事も多く、シルクジャスティスはよくエリモダンディーを気にかけるような行動を取ったとされる。
エリモダンディーは1998年1月25日の日経新春杯を勝利するが骨折。
療養中の2月8日に結腸捻転を起こし亡くなってしまう。
これはあくまで一部層の憶測ではあるが、シルクジャスティスが現在の4歳になってから未勝利に終わったのはエリモダンディーの喪失が影響したのではという声も少なくはない。
その他
現役時はずんぐりとした体型と見られていた時期があり、一部からは「牛のようだ」と評されていた。
当時のブライアンズタイム産駒は見た目で状態や潜在能力が把握しにくい個体が多いともされていたようで、本馬も鋭い末脚を長く使える追込み戦法を得意としていた。
現役時の性格は些か反抗的であったといわれている。
従兄弟にシルクライトニングがいる。