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グローリーヴェイズ

ぐろーりーゔぇいず

日本の競走馬(2015-)。主な勝ち鞍は2019年・2021年の香港ヴァーズ、2019年の日経新春杯、2020年の京都大賞典。メジロの血統で二度も香港にその名を輝かせた馬である。
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データ編集

名前グローリーヴェイズ
英字表記Glory Vase
香港名耀滿瓶
性別
毛色黒鹿毛
生年月日2015年3月2日
ディープインパクト
メジロツボネ
母の父スウェプトオーヴァーボード
生涯戦績19戦6勝
生涯獲得賞金7億5594万9200円(海外賞金含む)
生産レイクヴィラファーム(北海道洞爺湖町)
馬主(有)シルクレーシング
管理・調教尾関知人厩舎(美浦)

概要編集

2015年3月2日、旧メジロ牧場の施設・設備を引き継いだレイクヴィラファームで誕生した。血統的にもディープインパクト産駒の中では珍しいメジロの牝系を持つ。

母メジロツボネは初代三冠牝馬メジロラモーヌの孫にあたる繁殖牝馬で、現役時は中央26戦4勝。本馬のヴェイズ(壺)という名前は母名から由来する。

その父スウェプトオーヴァーボードは米国から輸入された種牡馬であり、芝ダート両方で活躍馬を出しているが、母の父としてはグローリーヴェイズが代表馬となる。

母がスウェプトオーヴァーボード由来の芦毛だったが自身は黒鹿毛になった。

シルクレーシングでは一口14万円×500口(=7000万円)で募集されている。


現役時代編集

2017年10月1日の新馬戦にてミルコ・デムーロ騎手を鞍上にデビュー。1番人気に応えて勝利し、続く500万以下条件は2着。


明けて2018年(3歳)はきさらぎ賞を2着、京都新聞杯を4着と重賞に出走するも勝ちきれず春のクラシック出走は断念するが、夏に条件戦を一つ勝って賞金を積み、秋の3歳馬が目指す最後の一冠菊花賞に出走。12番人気、大外の8枠18番ながらフィエールマンの5着と掲示板を確保。賞金を積み上げてシーズンを終えた。


2019年(4歳)の初戦は日経新春杯。菊花賞の内容が評価されて1番人気を背負い、これを勝利。初重賞制覇。天皇賞(春)へと向かう。

天皇賞では同期の菊花賞馬フィエールマンが1番人気、菊花賞2着のエタリオウが2番人気と4歳世代が中心となり、グローリーヴェイズは6番人気だったが、直線では先に抜け出したフィエールマンとびっしり叩き合った末にクビ差の2着(後続には6馬身もの差をつけていた)。

惜しい敗戦であったが、国内でも中長距離に限ってはトップクラスの実力があると示す結果であった。

疲れもあって夏場は休養に充て、秋は京都大賞典からスタート。ここでは直線の不利もあってか6着と敗れたが、次走は初の海外挑戦として香港ヴァーズへ向かった。

鞍上に香港のトップジョッキージョアン・モレイラ騎手を迎えたグローリーヴェイズは、レースが始まると中団で追走し、最後の直線で内から一気に抜け出すと、同じく日本から遠征してきていたラッキーライラックを突き放し、3馬身差を付けて完勝

自身初のG1制覇。そしてレイクヴィラファームとしてはメジロ時代から数えても初の海外G1制覇を成し遂げた。


2020年(5歳)のグローリーヴェイズは春の目標を昨年敗れた天皇賞(春)ではなくドバイシーマクラシックに定め、前哨戦を挟まずにドバイへ輸送。

しかし当時発生した新型コロナウイルスの大流行を受けてドバイミーティングそのものが開催中止となりそのまま帰国。宝塚記念への出走を表明したが、初めての阪神競馬場が合わなかったか、ここでは17着と大敗してしまった。

秋は昨年同様に京都大賞典から始動。川田将雅騎手に乗り替わり、3番人気となった。

レースは1番人気のキセキが出遅れたがグローリーヴェイズは前目でレースを進めると、終盤は追い込んできたキセキを振り切って1着でゴール。重賞3勝目を挙げる。

その後は前年同様の香港遠征がコロナの影響でできず、代わりにジャパンカップに出走することとなった。

この第40回ジャパンカップはグローリーヴェイズの同期の三冠牝馬であり、前走で史上初めて芝G17勝の壁を破り、ラストランで有終の美を飾るべく出走してきた最強女王アーモンドアイ、当年にディープインパクトとの親子二代での無敗クラシック三冠という大偉業を達成したコントレイル、同じく当年に史上初の無敗で牝馬三冠を成し遂げたデアリングタクトという三冠馬三頭が揃い踏みという前代未聞の豪華なメンツで行われることとなり、この三頭に人気が集中。グローリーヴェイズは離れた4番人気であった。

レースは例によってキセキが大逃げし、グローリーヴェイズはアーモンドアイと並んで先行する。直線に入って失速してきたキセキを先に捉えたものの、次の瞬間にはアーモンドアイに一気に置いていかれ、外から動いてきたコントレイルらにも躱されて5着。流石に相手が強かった。


2021年(6歳)も現役続行。初戦は金鯱賞からスタート。デアリングタクトに次ぐ2番人気であったが4着に敗れる。続いては2度目の香港遠征としてクイーンエリザベス2世カップに出走。道中は後方から進み、最後はラヴズオンリーユーを捕まえきれなかったが2着と好走。これまで後塵を拝していたデアリングタクト(3着)には先着した。

帰国して秋はオールカマーから始動するがウインマリリンに敗れて3着。休養を挟み、年内最後のレースとして2年前に栄光を掴んだ舞台である香港ヴァーズを選択する。

久しぶりの1番人気。再びモレイラ騎手を背にレースを迎えると、今度は後方から英コロネーションカップ勝ち馬のパイルドライヴァーを差し切り、このレース2勝目を挙げた。


2022年(7歳)は香港ヴァーズ3勝目を目標に現役続行。初戦は今度こそとドバイシーマクラシックへ遠征するが、今ひとつ伸びきれず前年の日本ダービーシャフリヤールが勝った後ろで8着と敗れた。

夏は札幌記念に出走。ここではジャックドールの作るペースに苦戦し6着。衰えが囁かれる中、年末の香港ヴァーズで現役引退することが発表された。

12月11日、ラストランの香港ヴァーズでは三度モレイラ騎手が手綱を取り、本レース史上初の3勝目をかけてゲートに入った。

レースは中団を追走し、最後の直線ではきっちり進路を取ったが、同じく日本から遠征していたウインマリリンが大外から一気に突き抜けて初G1制覇するのを捉えきれず3着。連覇はならなかった。

しかし粘って馬券内を守り切り、出走した香港のレースは全て3着以内として前王者としての意地は見せ、モレイラ騎手は「勝てなかったのは残念だったが彼を誇りに思う」と語った。


現役引退後は種牡馬入りする予定。今後の産駒の活躍に期待がかかる。


余談編集

グローリーヴェイズの「ヴェイズ」と香港ヴァーズの「ヴァーズ」は意味が同じ「壺(Vase)」である(ヴァーズは英国式の発音)。そのため当地の英語実況では「グローリーヴァーズ」などと呼ばれている。

彼がそんなレースで2度も栄光(Glory)を手にしたのはいろいろな意味で縁が深かったというべきだろう。





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