概要
別名:吸水怪獣。
日本の各都市部で地下水を吸収して地盤沈下や深刻な水不足を引き起こし、水が何もない場所に大量の水を噴出させて大洪水を引き起こした張本人。
水を吸収して無限に成長を遂げて行くという特性を持っており、大量の水を含んだその体はブヨブヨとして弾力性があり、衝撃を吸収して打撃攻撃を受け付けないばかりか、例え傷ついても水を吸ってあっという間に回復してしまうという難敵。また、傷口からは熱湯を噴き出す為、迂闊な攻撃は自身も傷つけてしまう。
ハヤタが決死の覚悟で乗り込んだ爆弾を積み込んだ潜水艇を飲み込むも、その爆発に耐え切ったのか平然としていたが、最後は体内で変身したウルトラマンに内部から体を引き裂かれ絶命した。
余談
元々は概要にある様にお蔵入りした怪獣だったが、一峰大二氏のマンガ作品『ウルトラマン』でラスボスとして登場する事になった。
一峰大二版では他にもヤマトンやゴルダー、タンギラーといったボツシナリオの怪獣との対決を見ることができる。
元となった脚本は『リプロスが狙っている』(脚本:田中美樹)。ただしこちらではウェットンを操るQX星の軟体動物リプロスが原子力科学研究者を誘拐し、最終的には核戦争を起こして人類を滅亡させようとする、その過程で国連理事国にして非核保有国であるイスペランド(架空の国)に疑いかかかるという要素があった。
こちらの脚本では科学特捜隊はあくまで警察機関という扱いでイスペランド大使館や研究所の調査のみを行い、ウェットンとの戦闘は自衛隊に任せるという後の禍特対のような描写がされていた。
一方『ウルトラQ』の没シナリオ「キリがない」にも同コンセプトの水を吸い上げていく怪獣が登場する。
この怪獣は「吸水怪獣」とのみ表記され特に名前は明記されておらず、カイメンのような姿をしているとされていた。
こちらを書いたのは鬼才実相寺昭雄氏(筆名は万福寺百合)。ゲストキャラクターの配役も決まっていて放送リストにも載っていたが、当時のTV特撮の技術や予算では液体怪獣は撮影困難とされてNGとなった。ゲストのひとりとして出演予定だった辻沢敏はその後別の回のメインゲストにスライドすることになった。
この吸水怪獣は成田亨氏によるスライムやブロブのようなデザイン画が存在しており、一峰版のウェットンはこの吸水怪獣のデザイン画をもとにして描かれたものと思われる。