DATA
別名 | 四次元怪獣 |
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身長 | 30m |
体重 | 2万5千t |
出身地 | 四次元の空 |
スーツアクター | 福留幸夫 |
概要
第27話「206便消滅す」に登場。
突如として東京上空に出現した濃い霧で覆われた空間「四次元空間」の中に生息している怪獣。
アザラシやセイウチに酷似した怪獣とされており、劇中でも「巨大なアザラシ」と呼ばれているが、外見的はアザラシというよりもオットセイなどのアシカ科やセイウチに近い姿をしている。鳴き声はゾウに似る。
かなり凶暴な性格で、ヒレのような前足と口には生えた巨大な2本の牙(長さは8mから11m)を武器にして四次元空間に迷い込んだ飛行機や人間に襲いかかってくる(この事から食性は肉食と思われる)。
設定上では水中を80km/hの高速で泳ぐことが出来るが、陸上では動きが鈍くなるとされている。
ピストルも効かないほど体も頑強であり、現在の公式見解における体の色は茶色となっている。
活躍
劇中では四次元空間に迷い込んできた超音速旅客機・206便の乗客達の目の前で突如霧の中から姿を現し、脱出する方法を探っていた一同に目掛けて襲い掛かった。
零戦の残骸を踏み潰しながら206便に接近していくが、主人公である万城目の操縦で離陸を始めた206便からの噴射圧をもろに受けて吹き飛ばされてしまい、206便の脱出を許してしまった(中城健版では噴射圧で死ぬという展開になっている)。
出番は吹き飛ばされるシーンで終わっている為、その後の生死は不明。
余談
- 飛行機が四次元空間内に吸い込まれていくシーンは、洗濯機の中に飛行機のプロップを入れて撮影した。…が、撮影の合間にたまたまこの様子を目にした百合子役の桜井浩子は、当初スタッフが飛行機の模型で遊んでいるのかと勘違いしたという。
- ラジオドラマ『ウルトラQ倶楽部』で万城目が語る所によればこの事件は当時は世間を騒がすほどの大ニュースになったが、2004年ごろには風化してその事件を知るものは少なくなっているとのこと。
- 四次元空間にはB-29や零戦など第二次世界大戦で活躍した軍用機の残骸やダイヤモンドに似た鉱石が散らばっており、過去にも戦時中に航空機が消失する事件があったらしい事が語られている。また、この空間に点在する穴に落ちるとどこかへ消え去ってしまうようで、鉱石目当てに探索していたハイジャック犯オリオン太郎(脚本上ではオリオンの竜とされているが本編ではこのように呼ばれる)はこの穴に落ちて消えてしまった。万城目たちは黒い渦状の穴を通過する事で脱出に成功した。
- 『ウルトラQ』の本編内では最後に登場する怪獣である(最終回ではない)。初回放送では第28話「あけてくれ!」が放送されなかった為、初回放送の最終回を飾った怪獣でもある。
- 怪獣や怪奇現象が起こる世界に突入し、主人公たちが危機を脱するという流れは『ウルトラQ』の物語の流れを端的に表しており、これが最終回でも全く問題はない
- 一方、「あけてくれ!」も現実世界と不思議な世界との境界が曖昧になるという作風においては『Q』の最終回らしいと言えばらしい。
- 「あけてくれ!」は第20話としての放送を予定していたため、「206便消滅す」は当初より最終回となるはずだった話である。
- 最後に制作されたのは「地底超特急西へ」、台本が作られたのは「ガラモンの逆襲」である。「206便消滅す」が最後に回されたのは放送当時日本周辺で頻発していた飛行機事故の影響を鑑みての判断であった(出典:「ウルトラマンオフィシャルデータファイル」・「トピックインフォメーション SERIES1 ウルトラQ SHEET05 38-32」(デアゴスティーニ)より)。
- スーツは『妖星ゴラス』に登場した南極怪獣マグマの改造。
- 元々「206便消滅す」は怪獣が出ずに万城目達が四次元空間の謎を解き明かす話として予定されており、トドラの登場が決定したのがかなり遅い段階であった為、スーツの改造は髭をつけて目など顔の一部を修正した後に胴体を白く塗る程度の簡易なもので済まされた。
- 撮影・編集もあまり余裕がない中で行われたらしく、(覗き穴が首にある関係で)妙に頭を上げているシーンが多かったり、終始鳴き声を上げているにもかかわらず口が一切動いていないなど、生物としてはやや不自然な描写が見られる。
- ちなみに改造元のマグマも登場が決定したのはかなり制作が進んだ後であり、話の中で登場する唯一の怪獣ではあるものの、出番が少なく主軸の話自体には大きく関わらないなど共通点が多い。
- また、このエピソードは梶田興治監督の終戦時の体験から戦闘機の残骸が散らばる空間に旅客機が迷い込むという構図を発想したと語っている(出典:「ウルトラマンオフィシャルデータファイル」・「トピックインフォメーション SERIES1 ウルトラQ SHEET06 50-31」(デアゴスティーニ)より)。
- 名前の由来は言うまでもなく動物のトドだが、口に生えた2本の巨大なキバはセイウチ、腹の斑点模様はアザラシ、体のフォルムは前述の通りアシカの仲間に似ているなど、様々な鰭脚類の要素を併せ持っている。
関連項目
デッパラス、ドドラ:セイウチがモデルの円谷怪獣繋がり。特に後者は名前も酷似している。
トドギラー、ウォーターガントド、トドゼルガ:見た目がセイウチなのに名前が「トド」繋がり。
ランゴリアーズ(スティーブン・キング):旅客機で異次元に迷い込むとなど類似したところも。