データ
メーサー装置車 | 牽引車 | |
---|---|---|
全長: | 14.5m | 6m |
全幅: | 3.5m | 3m |
全高: | 6m | 2.5m |
重量: | 80トン | 32トン |
乗員: | 4名 | 3名 |
所属: | 陸上自衛隊・防衛隊・特生自衛隊 |
概要
『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』にて初登場した超兵器。
後にメーサー兵器のシリーズ化に伴い、模型などの商品では66式メーサー殺獣光線車と表記されるようになった。
メーサー砲塔を備えた装輪式の装置車と運転台を有する装軌式の牽引車の2台を連結している。
パラボラアンテナ状の装置から内蔵する小型原子炉により10万ボルトの出力でメーサー光線(誘導放出されたマイクロ波)を照射する。命中すると対象の水分を沸騰させ細胞組織レベルで焼きダメージを与える。
物凄く大雑把に言えば電子レンジの凄い奴とでも言えばイメージしやすいかもしれない(他社作品ではガメラシリーズのマザーレギオンの発する「マイクロ波シェル」も理論的にはメーサー光線と同じ物である)。
なお前述の通り、生物を焼くに適しているがメカゴジラなどの金属で出来たロボット怪獣には理論上はまったく効果はない(電子レンジに鍋や包丁を入れても全く温まらないのと同じ理屈である)。
劇中での活躍
ガイラ殲滅を目的としたL作戦の際に初登場し、ガイラに対して使用。通常の戦車砲ではダメージを受けないガイラの体表が焼け爛れるほどの大ダメージを与え、あと一歩の所まで追い詰めるという戦果を上げる。
その後、晴海埠頭でのサンダとガイラとの決戦にも参加。サンダを援護し、L作戦時と同じくガイラをあと一歩のところまで追いつめた。
この際、サンダとガイラは激しい格闘戦の最中であったにもかかわらず、1発もサンダに誤射しないと言う凄まじい命中精度を見せた。
予告編では「メーザー光線車」と表記されている。濁点のないメーサー表記が主流となった理由は「ゴジラ大百科事典」でこの表記が採用されていたためと言われている。
余談
デザインは井上泰幸の原案をもとに豊島睦が担当。砲塔の可動は撮影用カメラのクレーンを参考にしている。
撮影用模型は『怪獣大戦争』のAサイクル光線車をベースとした装置車に、M24軽戦車(大サイズ)と61式戦車(小サイズ)の足回りを流用した牽引車を連結している。
小サイズの撮影用模型は後述のゴジラシリーズでの登場時に撃破描写で燃やされている。
『サンダ対ガイラ』の脚本初稿にはL作戦序盤に使用された設置型の殺獣光線砲のみが登場しており本車は登場していなかった。監督の本多猪四郎が特撮の見せ場として登場シーンを追加したとされる。
L作戦で木々をなぎ倒す場面は木に火薬を仕込んでタイミングよく着火させている。本番直前に円谷英二が思いついたもので本多からも好評だったが、川北紘一によるとランダムな着弾に光線を合成するのに苦労したようである。
川北は後年このメーサー殺獣光線車登場シーンの多数の未使用フィルムを発見し、改めて相当な時間をかけて撮影したことを認識したという。
ゴジラシリーズ
『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』より登場。
続いて地球へやってきたガイガンとキングギドラの迎撃に出動。ガイガンの頭部にメーサー砲を当ててダウンさせるなどそこそこ奮戦するも、キングギドラには効果が無く、引力光線で全滅する。
この時登場したものは66式と比較して砲塔部側面の一部パーツがオミットされており、動きの素早い怪獣への対応を目的とした軽量化を行った改良型の70式あるいは72式メーサー殺獣光線車、または単に改造メーサー車とも呼ばれる。
また一部の車両は砲塔が赤く再塗装されており、商品化の際には赤い砲塔で66式と区別されることもある。
『ゴジラ対メガロ』にも登場し、ガイガン同様にメガロもダウンさせるが、最終的に全滅させられる。
90式メーサー殺獣光線車
『ゴジラ×メカゴジラ』に登場した66式の直接の後継機。
66式と基本構成は変わらないものの、出力が66式と比べ1.5倍になっている他、自動化によって乗員は2名(運転手兼砲手と補助要員)となり、メーサー砲の操作を含めてすべてを牽引車から行える。また、走行しながらの照射も可能であるほか、荒天かつ夜間の戦闘でもゴジラの目を狙い撃てるほどの命中精度を持っている。ただし、雨の中ではエネルギーが水蒸気となって減退するため、効力が70%程度まで下がることがある。
劇中では特生自衛隊にて数々の怪獣を撃退してきたという設定になっている……が、ゴジラにはほとんど通用しなかった(怯ませることはできている)。
続編『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』では改良型の90式メーサー殺獣光線車<改>が登場。メーサー光線の色が出力向上により3式機龍と同じくオレンジ色になっている。
『ゴジラ FINAL WARS』にも90式メーサー殺獣光線車が登場する。設定的には『サンダ対ガイラ』の頃から投入されていると言う地球防衛軍のメカだが冒頭の南極でのゴジラ迎撃に参加するが、既に破壊され残骸になっての登場という扱いになっている。本作のゴジラは日本版の実写作品出ててくる個体の中では歴代最強と言われているとはいえあんまりである。
余談
デザインは丸山浩。90式戦車の車体に92式メーサータンクのような砲身を備えたメーサー砲塔を載せたメーサー戦車案もあったが、西川伸司のラフデザイン案を参考に牽引式の車両に変更した。
当初丸山はAC-3しらさぎのデザインのみを担当する予定だったが急遽担当することになり、時間がなかったため正式なデザイン画は描いていない。
ラジコンで自走可能な撮影用模型が制作されたが、動きがガタつくという理由でほとんど操演で動かしている。
また牽引車の運転台のセットも制作されたが、雨のシーンでは雨漏りに悩まされたという。
その他
ウルトラマン
第11話にゲスト的に登場。防衛隊の戦力としてギャンゴを迎撃すべく出動するが、攻撃シーンなどはなくどの程度の効果があったのかは不明。
プロップ(撮影用模型)の流用によって出演しているため66式と同型だが、牽引車なしで自走している。
平成VSシリーズ
同型の車両は登場しないが、コンセプトを受け継ぐ92式メーサータンク、93式自走高射メーサー砲、95式冷凍レーザータンクが登場している。
車両以外では93式メーサー攻撃機がある。
これらはメーサーと名前がついてはいるが、プラズマを発生・加熱して中間子(ニュートリノ)を生成、収束発射するというもののため、上記のメーサー車とは原理が異なる。
幻星神ジャスティライザー
こちらもメーサー殺獣光線車そのものではないが、第50話にてコンセプトを受け継ぐ対巨獣メーサータンクが登場している。
モンスターバースシリーズ
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』ではモナーク第54前哨基地にメーサーターレットが配備されている。なお、形状はキャノン砲のような形となっている。
また、『ゴジラvsコング』ではとあるヴィランメカにメイサーパワーコアなる武装が搭載されている。スペック表では「メーザパワーコア・レントゲン量600」とのこと。
劇中でいつ使用されたのかは映像を見るだけではよくわからないが、ビームや発光部分が基本赤であるのに、接近戦の際に青く発光するエネルギーを発生させているのが確認できる。
ゴジラS.P
イースターエッグとして、オオタキファクトリーのガラクタの中にメーサー殺獣光線車の砲塔が紛れている。
関連タグ
Aサイクル光線車 - 66式のプロップのベース。
原子熱線砲 - 『モスラ』に登場したメーサーの原型になった兵器。
地球防衛軍5 - 「EMC」なるそっくりな兵器が登場した。