概要
現在神戸電鉄が営業する5路線の一つ。
兵庫県神戸市兵庫区の湊川駅から、鈴蘭台駅・谷上駅・有馬口駅を経て北区の有馬温泉駅までを結ぶ。
神戸電鉄では最初に開通した。
路線は湊川~有馬温泉間であるが、大半の列車は神戸高速線・三田線に直通しており、運転系統的には新開地-三田間・有馬口-有馬温泉間となっている。そのため、有馬温泉へは大抵の場合は有馬口駅で乗換が必要である。
また、粟生線の列車の多くは新開地-鈴蘭台間を直通運転している。
列車は他の路線同様に全列車ワンマン運転。新開地-三田間は主に3扉の4両編成が、有馬口-有馬温泉は主に3両編成(2扉か3扉かは決まっていない)で運行されるが、公園都市線や有馬温泉への送り込みや、休日の有馬口-有馬温泉間などの例外がある。
日中は普通/準急が運行されており、朝夕ラッシュ時にはそれに急行や特快速が加わる。
駅一覧
●:停車 レ:通過 ↑:新開地方面のみ設定、通過
※特快速は三田発新開地行のみ、急行は全列車が三田線に、快速は全列車が粟生線に直通
※新開地-湊川間は神戸高速線
駅番号 | 駅名 | 読み | 普通 | 準急 | 急行 | 快速 | 特快速 | 乗り換え路線/備考 |
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KB01 | 新開地 | しんかいち | ● | ● | ● | ● | ● | 神戸高速鉄道東西線 |
KB02 | 湊川 | みなとがわ | ● | ● | ● | ● | ● | 神戸市営地下鉄西神・山手線(湊川公園駅) |
KB03 | 長田 | ながた | ● | ● | レ | レ | ↑ | |
KB04 | 丸山 | まるやま | ● | レ | レ | レ | ↑ | |
KB05 | 鵯越 | ひよどりごえ | ● | レ | レ | レ | ↑ | |
廃止 | 菊水山 | きくすいやま | レ | レ | レ | レ | ↑ | 2005年休止、2018年廃止 |
廃止 | 神有耶馬 | しんゆうやば | レ | レ | レ | レ | ↑ | 1939年廃止 |
KB06 | 鈴蘭台 | すずらんだい | ● | ● | ● | ● | ● | 神戸電鉄粟生線 |
一部粟生方面へ直通 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ||||
KB07 | 北鈴蘭台 | きたすずらんだい | ● | ● | ● | ● | ||
KB08 | 山の街 | やまのまち | ● | ● | ● | ● | ||
KB09 | 箕谷 | みのたに | ● | ● | レ | ↑ | ||
KB10 | 谷上 | たにがみ | ● | ● | ● | ● | 神戸市営地下鉄北神線 | |
KB11 | 花山 | はなやま | ● | ● | レ | ↑ | ||
KB12 | 大池 | おおいけ | ● | ● | ● | ↑ | ||
KB13 | 神鉄六甲 | しんてつろっこう | ● | ● | レ | ↑ | ||
KB14 | 唐櫃台 | からとだい | ● | ● | ● | ↑ | ||
KB15 | 有馬口 | ありまぐち | ● | ● | ● | ↑ | 神戸電鉄三田線 | |
一部三田方面へ直通 | ↓ | ↓ | ↓ | ↑ | ||||
廃止 | 新有馬 | しんありま | レ | レ | 1975年休止、2013年廃止 | |||
KB16 | 有馬温泉 | ありまおんせん | ● | ● | 六甲有馬ロープウェイ |
国鉄有馬線
鉄道省(国鉄)も福知山線の三田(兵庫県)と有馬温泉を結ぶ路線として有馬線を保有していた。
有馬線は私鉄の有馬鉄道が建設した。
1907年に有馬鉄道発起人の山脇延吉らが三田町 - 有馬町間の軌道敷設特許状を取ったが、実現できなかった。1913年に軽便鉄道としての免許を申請、1914年に有馬鉄道に軽便鉄道敷設の許可が下りた。1915年4月16日の開業と同時に鉄道院が借り上げ、国鉄と同様の運営が行われた。その後1919年に国有化され、「有馬軽便線」となった。
有馬線を手放した山脇らは、神戸(湊川)から有馬・三田に至る鉄道事業にシフト、1928年に神戸有馬電気鉄道(現在の神戸電鉄、以下神有と略す)を開業させた。11月28日に湊川 - 電鉄有馬(現在の有馬温泉)間の神有有馬線が開業、12月18日に唐櫃(現在の有馬口) - 三田間に三田線が開業すると、湊川から直接有馬温泉に行けるほか、三田からは唐櫃(現在の有馬口)での乗り換えが必要であるものの、神有電車は有馬線・三田線ともに28分に1本の頻繁な運転を行ったため、1日7往復しか走らない鉄道省有馬線の汽車と大きな差がついた。また神有有馬線の有馬温泉駅は温泉街に近いところに位置するのに対し、国鉄有馬駅は街外れに位置していたため、国鉄有馬線は不利な状況に陥った。
1943年、第二次世界大戦が激化し、国鉄有馬線は神有三田線が並行路線として存在したこと、温泉地への路線だったことで不要不急路線として休止された。線路は撤去され、篠山で産出されるマンガンなどの軍事物資輸送のために建設中であった篠山線に転用された。有馬線は休止後、廃止手続きまでは行われなかったものの戦後復活することなく事実上廃線となってしまった。
鉄道省有馬線と神鉄三田線が接近する神鉄道場駅の東側のくぼみには国鉄有馬線の跡地があり、付近には新道場駅もあった。神鉄道場駅付近には国鉄有馬線の橋脚などが残っている。また、神鉄道場駅の横には道場町出身の山脇氏の功績を称える石碑が立っている。
関連項目
ありません
「国鉄有馬線はありませんが、神鉄有馬線はあります」