概要
伊豆急行が、2022年4月30日より運行をしている一般型車両。
2022年5月現在、2編成8両が所属し、JR東日本から209系2100番台を譲り受けて整備したもの。
この他、部品取り用に中間車2両も購入している。
伊豆急行では、これまで8000系車両を運用していたが、東急電鉄からの中古車両のため、老朽化が進んでいた。
209系2100番台は比較的状態がよく、大きな改造もせずに伊豆急行線で運行できることから、導入が決まった。
略歴
2021年7月6日にC609編成(元ウラ47編成)6両が、同年11月23日にC601編成(元ウラ25編成、4・5号車を除いた)4両がそれぞれ甲種輸送にて伊豆高原駅の車両基地まで運ばれた。(※機関車による牽引は伊東駅まで)
2021年12月11日に、伊豆高原駅の車両基地にてラッピングを剥がし、無塗装となった元C601編成のお披露目撮影会が開催された。同会場にて、形式を「3000系」とし、「4両+4両の8両編成」で運用すること、「2022年春に運用開始予定」であることが発表された。
また、同日発行の静岡新聞にて、8000系2編成(6両)を置き換えるとも発表された。(2022年5月現在、TB-3が廃車されている。)
2022年3月4日に4月下旬のデビューがアナウンスされ、同時に塗装も公開された。
ホワイトをベースにホヌ柄(※ホヌとはハワイ語でウミガメのこと)をラッピング。アロハシャツのようなデザインとなった。これは、話題性があり女性や若年層にも関心を持って貰えるような、電車らしくないデザインを目指したとのこと。
ホヌ柄の色は、リゾート21シリーズを継承した伊豆急下田駅方前面と海側の側面が赤色、熱海駅方前面と山側の側面が青色を採用。
伊豆急行60周年に相応しい『ハワイアン』な見た目の車両となった。
車内は基本的に209系2100番台時代のままで、モケットや座席配置も同じ。1両あたり4箇所のドアに伊豆の海の写真をラッピングしてある。
また、デビュー前日の4月29日には試乗会と撮影会がセットになったツアーが行われ、前面のみ8000系と同じハワイアンブルーにラッピングした姿も披露された。
2022年4月30日運用開始。ダイヤは公式Twitterで公開される。当面は伊豆急行線(伊東駅~伊豆急下田駅)のみの4両編成での暫定運用。
同年6月13日より伊東線熱海駅まで直通運用を行う本格的な運用を開始。
2023年11月2日、ヘッドライトをLED(角形タイプ)に交換。
編成
編成 | 1号車 | 2号車 | 3号車 | 4号車 | 元編成 |
---|---|---|---|---|---|
Y2 | クハ3052 | モハ3202 | モハ3102 | クハ3002 | C601(←ウラ25) |
編成 | 5号車 | 6号車 | 7号車 | 8号車 | 元編成 |
Y1 | クハ3051 | モハ3201 | モハ3101 | クハ3001 | C609(←ウラ47) |
元C609編成のうち、4・5号車だった2両は部品取り車として編成を外され、伊豆高原駅側線に留置されている。
号車番号はステッカーで、Y2編成に1~4号車、Y1編成に5~8号車が貼られているが、4両単独での運行を行う可能性もあると発表されている。
2・6号車にトイレ(京浜東北線からの転用改造時に設置済み)、3・7号車にパンタグラフを搭載。
その他
- 伊豆急行が209系を導入するという噂は2021年5月頃から出ており、『当初は八高線向け3000・3100番台が譲渡される予定だったが、2100番台に変更された。』といったものだった。甲種輸送日の噂も流されたが、結局その日は輸送は行われず、ガセネタと思われていた。参照
- 209系2100番台は(房総地区の)塩害の影響かひどく(茶色に)汚れており、伊豆急行到着後に車体の洗浄が行われたのだが、汚れていた部分と洗浄された部分の色の差が大きく、その衝撃的な姿が鉄道ファンの間で話題となった。
- 伊豆急行はかつてもJR東日本から中古車両を導入しており、200系として運用していた。これは老朽化した100系の置き換えから8000系導入までの繋ぎを目的にしており、7年で運用終了している。そのため、3000系も本命導入までの繋ぎではないか?と噂されていたが、伊豆急行では長期間の使用を想定しているとしている。
- 同時期に廃車となった209系2100番台(とC601編成から抜かれた2両)は廃車となっており、当面はこの8両のみのの導入に留まる。8000系置き換え車両は中古車を予定しているが、209系を追加購入するか別の車両かは未定としている。
- 209系2100番台は、京浜東北線・根岸線で活躍していた0番台を改造した車両であり、かつては横浜駅~桜木町駅間で東急東横線と顔を会わせていた。そのため、8000系とは2004年1月30日の東横線同区間営業終了以来18年ぶりの再会である。
- 汚物タンクが8000系と異なるタイプのため、伊豆高原の車両基地内に3000系用の汚物処理(汲み取り)装置を設置した。
- 塗装が2022年3月まで発表されていなかったため、ネット上では塗装を予想するイラストが多数投稿されていた。
- 塗装は、8000系と同じ上記のものも検討されたが、通勤電車っぽさをなくすためにアロハ電車とした。
- 種車の主回路と走り装置上、当たり前といえば当たり前だが伊豆急行所属車では初のVVVFインバータ制御車かつボルスタレス台車採用車となった。
- Nゲージ鉄道模型が、マイクロエースとTOMIXから発売されている。また、幼児向け玩具のトレーンN(ナイン)ゲージも発売された。