概要
炭素を含む化合物の大部分を指す化学用語。それ以外は無機物である。英語では“organic matter”と言う。
有機物質または有機質(organic substance)、あるいは、必然的に化合物であるため 有機化合物(organic compound)とも呼ばれる。
有機質という言い方の場合、“有機体としての性質を持つこと”という形容詞的な意味もあり、
この場合は、有機的という表現がなされることもある。英語で言うところのorganic(オーガニック)である。
炭素を含む化合物であっても、後述の歴史的経緯から、一酸化炭素、二酸化炭素、炭酸塩、シアン酸塩、チオシアン酸塩等の単純なものは例外的に無機化合物(無機物)と分類し、有機化合物には含めない。
例外は慣習的に定められたものであり、歴史的には下記の定義があったが、現代では単なる便宜上の区分である。
歴史的経緯
古くは、生物すなわち有機体(organism)に由来する化合物には生命力が宿っているため特別な性質を持つとみなされており、
19世紀初めの生物学者イェンス・ベルセリウスは物質を生物から得られるものと鉱物から得られるものとに分け、それぞれ「有機物」・「無機物」と定義し、前者を扱う化学を「有機化学」、後者を扱う化学を「無機化学」と区分した。
だが、その後まもなく、1823年からベルセリウスの研究室で指導を受けていたフリードリヒ・ヴェーラーが、そこで合成した白い結晶物質が有機物とされる尿素だったことを1828年に発見したことにより、無機物から有機物を人工的に作り出すことができることが分かり、この定義は意義を失ったが、
これ以後、この成果を契機として、有機化合物を扱う有機化学は飛躍的な発展を遂げることになった。
pixivでのタグとしての使用法
pixivだけでなく世間一般的には、何らかの作品の対象として選ばれるものから無機的なものを除けば、
特に「有機物」と附記する必要性の無い物がほとんどなので、「無機物」に比べてタグ付けされている作品はごく少数に留まっている。