「人間もポケモンも、大切なものを失うと心が壊れます」
声:山寺宏一
概要
映画『ボルケニオンと機巧のマギアナ』に登場する悪役。
500年前に存命していた発明家エリファスの神秘科学によって発展したカラクリ都市国家『アゾット王国』の大臣。
部下はドーガ(声:加瀬康之。後にグズマの声も担当。)とイーサ(声:東條加那子)。
とある目的のためにマギアナ、ひいてはその魂であるソウルハートを狙う。
彼が考案した神秘科学を元にネオ神秘科学の技術を編み出した天才科学者でもあり、力で破壊することは極めて困難な拘束具キャプチャーカフスや、何匹ものポケモン達を操り更には強制的にメガシンカさせることが可能なメガウェーブを開発している。
彼の持っている杖はメガウェーブでポケモンを操るための道具だが、子機の腕輪を用いての連動も可能である。
国王から信頼され、ラケル王子に神秘科学を教え、ラケルからも信頼を勝ち取ってはいるが、その性格は慇懃無礼そのもので、ラケルですら自分の目的のために利用する道具としてしか見ていない。
特にポケモンの事は「ちっぽけな存在」と見下しており、目的のため無垢なポケモン達を蹂躙する事に何の罪悪感も抱かないどころか、むしろその行為に愉悦感すら感じている節があるド外道。
それ故に自らポケモンを扱う実力は皆無であり、彼らの持つ力を大いに侮っていた事が劇中の敗北へと繋がっていった。
その悪行
彼の目的は、マギアナのソウルハートを用いエリファスが発明した空中要塞を甦らせ『私の理想の』アゾット王国のために使うこと。
その手段の苛烈さたるやかなりのもので、
- サトシ一行のポケモンほぼ全員を拘束し、痛めつけて人質にする
- マギアナを手に入れたのち、マギアナの本体ともいえるソウルハートを抜き取った抜け殻の身体だけをボルケニオンに向けて捨てる
- サトシ達に向けてどこぞのチャンピオンのごとく、しかし彼とは違って明確な殺意を持ったうえではかいこうせんの一斉射を浴びせる
- 計画を遂行する上で邪魔になるマギアナの心を壊すために、マギアナ自身の力で動く要塞の主砲で、マギアナ達が守ってきたポケモンのいるネーベル高原を焼き払おうとする
といった外道行為をいくつも実行している。
サトシ達との戦いの末、メガウェーブを司る杖を壊されソウルハートも奪還され、計画は完全に阻止された。だがそれでも彼は悪意を燃やし、ネーベル高原を道連れにせんと空中要塞をネーベル高原への落下コースに乗せたうえで制御機能を破壊。
そのうえで挑発と共に脱出装置を使い、再起を図るべく1人で逃走を試みる。が、サトシゲッコウガのみずしゅりけんで脱出装置を破壊され森の中へと墜落していった。
本編での出番はここまでだが、エンドロールにて木に引っ掛かっていたところをキミアに連行されたことが明かされている。その時も逃亡を試みていたが、サトシとボルケニオンを繋いだキャプチャーカフスで飛行艇と繋がれていた為に失敗。ここで彼の命運も尽きたと思われる。
公式サイトの感想コーナーにおいて、彼の画像には『ポケモン映画史上最凶最悪!』という謳い文句が付いている。
事実、ジャービスの性格の悪さと外道行為はアニポケのみならずポケモンのメディアミックス作品全てを見渡しても上位に入るレベルといっても過言ではない。
謳い文句は誇張でもなんでもない純然たる事実であるといえよう。
彼の姿はまさしく本来のテーマである「ポケモンとの絆」を見失い、なんの躊躇いも無く戦いの為にメガシンカを酷使する現実のポケモン廃人そのものであり(そういった者に限って育成したポケモンの数ばかりで実力に乏しくろくに実績を残せていないところも共通する)、映画公開から数ヶ月後に次回作の発売を控えていた事から『一度鏡で自分の姿を見せ、戒めたうえで次の世代に繋ぐ為』のメッセージともとれる人物である。
所有ポケモン
- 色違いのゲンガー。
メガウェーブによって白いメガゲンガーへと変わる。
ジャービスの性根とポケモンに対する思想故に信頼関係は皆無で、与えられたメガウェーブの力が無くなるや否や彼を見捨て、自分だけさっさと逃げてしまった。
この他にもオニゴーリ、フーディン等多数のメガシンカできるポケモンを所有していたが、全員がゲンガーと共に彼の元を離れていった。(言わばサトシ達に救われた形になる。)
現在は自然の中でのびのびと暮らしているか、善良なトレーナーに改めて捕獲され幸せに暮らしている事を願おう。
関連タグ
関連キャラ
ポケモンハンターJ…「ダイヤモンド&パール」に登場した悪役。ポケモンや人間を道具と見做している、殺人未遂を行ったという点が共通している。彼女が迎えた末路はジャービスのよりも悲惨なものであった。
ゼッド博士…「ココ」に登場した悪役(中の人繋がり)。こちらはガチで殺人を犯している為、その危険性はジャービスといい勝負。結局は彼も最後は因果応報な終焉を迎えた。
ゲーチス…ポケモンBW及びBW2に登場した悪役。慇懃無礼な性格、自らの野望の為に傀儡を仕立て上げる、ポケモンや人間を道具と見做しており、手持ちポケモンとの仲間意識も皆無。ポケモンを操る為の杖を所持している、明確な殺意を以て主人公への攻撃を行ったという点が共通している。彼も結果的に因果応報な末路を迎えている。
ビシャス…「時を超えた遭遇」に登場した悪役。ポケモンや人間を道具と見做している、ポケモンを殺しかけた事がある、顔を隠しているという共通点がある。結局は彼も因果応報な終焉を迎えた。
スワマ…「ベストウイッシュ」に登場した悪役。ポケモンや人間を道具と見做している、ポケモンを殺しかけた事があるという共通点がある。結局は彼も因果応報な終焉を迎えた(だが、その内容はジャービス達のに比べればまだ軽いものであった。)。
サトシのゲンガー…かつてはジャービスのゲンガー同様にポケモンを酷使するトレーナーの個体(こちらはキョダイマックスをする)。ただしこの個体は元トレーナーが愚鈍かつ怠惰な人間という事に気づかぬまま身勝手な理由で捨てられるが、元トレーナーのクズな本性を知るとコイツを見限って成敗をした後にサトシの仲間になった(要するにゲンガーがいなくなったのでコイツもジャービス同様にトレーナーでなくなった)。だが元トレーナーは似たような悪役の中で犯罪に等しい悪事を犯していない唯一無二の存在だったりする。
シーソーコンビ…ゲーム本編の登場人物達。終盤になってその世代に登場したシステムにどぎついアンチテーゼを叩き付けてきた点が共通する。