概要
『正法念処経』が説く八大地獄に付属する衆合地獄の十六別処のひとつである「朱誅朱誅処」や「一切根滅処」に棲むといわれる、身体が鉄の蟻。
「朱誅朱誅処」に堕ちる者は生前、人として生を受けたのにもかかわらず、淫欲に負けて驢馬や羊を姦淫した者で、仏を敬わなかった罪人はこの地獄に満たされた炎で焼かれ、この蟻によって体中を食い破られ、肉や骨、筋はまだしも、髄やはらわたをも食らい尽くされるといった長きに渡って死よりも苦しい苦痛の責め苦を受け続けるとされる。
「一切根滅処」に堕ちる者は生前、女性の肛門にのみ興味を示して姦淫した者で、罪人は獄卒によって鉄鉢で熱せられた銅を飲まされ、耳の中に蝋を流し込まれるばかりか、やはりこの地獄に棲む鉄の黒虫や蟻によって、目玉を食らい尽くされるという。
各言語での訳名
言語 | カナ表記 | 綴り |
---|---|---|
英語 | アイアンアント | Iron Ant |
ドイツ語 | アイゼナマイゼ | Eisenameise |
スペイン語 | オルミガ・デ・イエロ | Hormiga de Hierro |
イタリア語 | フォルミケ・ディ・フェッロ | Formiche di Ferro |
フランス語 | フフミ・ドゥ・フェーフ / フルミ・ドゥ・フェール | Fourmi de Fer |
タイ語 | モッレ / モットレック | Mot Lek |
インドネシア語 | スムッブシ / スムット・ブシ | Semut Besi |
中国語 | 鐵蟻(ティエイー) | Tieyi |