概要
12世紀に描かれたという『地獄草紙』の十六小地獄の一つ、糞屎泥(ふんしでい)小地獄を描いた箇所に登場する鉄のように硬く針の口を持つ虫。単に針口(しんく)ともいう。
この地獄は愚かで善悪の分別がつかず、仏法を軽んじたものが落ちる処といわれ、罪人たちは糞尿の中でこの虫に刺され激痛に苦しむという。
『正法念処経』では人の体内にいるという80種の虫の一つで、湿過風という風で殺すことができる。
『大宝積経』にも名前が見られ、『一切経音義』では骨を破って髄を喰らう孃矩吒(ひくた)という虫だとされる。
サンスクリット語ではニヤンクター(Nyankuta)、中国語ではチェンコウチョン(Zhenkouchong)、広東語ではチャムハウチョン(Zamhaucung)、韓国語ではチムグチュン(Chimguchung)、ベトナム語ではチャムハウチュン(Châm Khẩu Trùng)と呼ぶ。
創作での扱い
※pixivではメイン画像も含めこの作品のものが投稿されている。
糞屎泥小地獄に住む虫という食べ物とはほど遠い存在なのに、天然のピーチ・マキはよりによってこの虫のキャラ弁を作った。
なおpixivにはこのキャラ弁を再現したものが投稿されている。
- 孔雀王退魔聖伝
人間の欲望を吸って増える、人に寄生する瘤のような虫として登場した。