代表的なのはブラフマンと対なる女性原理シャクティ、シヴァの妻ウマーとその諸相(パールヴァティー、ドゥルガー、カーリー)、そしてヴィシュヌの妻ラクシュミーとその化身(シーターやラーダー)である。
ヴェーダにはその他、地母神プリティヴィー、死の女神ニルリティ、太陽神たちの母にして無限の女神アーディティー、暁の女神ウシャス、夜の女神ラートリー、インドラの妻シャチーなどが登場する。
その他七女神サプタ・マートリカーなどがいる。聖典に登場するメジャーな女性神格以外にも女神はおり、その多くはヴェーダを携え西方からやってきたアーリア人の知らなかった土着の神である。
ヒンドゥー教の歴史において、そうした女神たちは有名な神の妻とされたり、妻神の諸相や別名として吸収、習合されている。
女神たちは神話において、貞淑な良妻賢母として、また荒々しいまでの形相と神力によって怪物や魔神たちを打ち倒す戦女神として活躍する。