シャチー
2
しゃちー
インド神話に登場する女神の一柱。
インドラ(帝釈天)の妻で、ジャヤンタの母あり、アスラ(阿修羅)神族の一派・ダーナヴァ一族のプローマンの娘でありながらテーヴァ神族のインドラの妻である事からバラモン教とヒンドゥー教の聖典“ヴェーダ”ではインドラーニーとの別名で表記され、仏典では舎脂(しゃし)または舎支と音写される。
一説ではシャチーは怒りと嫉妬の女神とされており、サプタ・マートリカー(七福神)の一柱であり、ヒンドゥー教の聖典『タントラ』によると、その姿は黄金の体を持ち、その手には雷、あるいはインドラ同様に“ヴァジュラ”を持っているとされている。
仏典に記載される話では阿修羅王は娘の舎脂を帝釈天に嫁がせたいと考えていたが、帝釈天はそれを待ちきれずにとうとう力ずくで奪い去ってしまう。
その事に怒った阿修羅王は帝釈天に戦いを挑むが、娘は戦いの最中(インド神話では攫われた後)に帝釈天に思いを寄せる様になってしまい、阿修羅王は更に怒り復讐の悪鬼と化して争いは天界全てを巻き込んだ大規模なものへと発展してしまったという。
なお、戦いは帝釈天側の勝利で終わり、これを切っ掛けに阿修羅族は天界から追放されるという末路を取ったとされている。
また、インドの聖典『マハーバーラタ』に記載される話によれば夫・インドラが不在に際にその代理として王の座に就いていたナフシャから邪心を抱かれるも最後まで貞淑を貫いたという。
関連記事
親記事
兄弟記事
コメント
コメントが未記入です