概要
暴風雨に伴う強風や雷光が神格化された神々であり、雷霆神インドラに仕える。英語では『マルタス(Marutas)』と読む。
兄弟であるが、みな同時に生まれており、双子のような存在と言える。
老いることなく成長だけする常若にして強壮なる神々。
鉄の歯と、太陽か炎のように輝かしい体躯を持ち、ライオンの如く雄たけびをあげる。
黄金の装飾品で、女性のようにきらびやかに着飾る。
彼らは一人の女神ローダシー(Rodasi)を妻とする。T・H・グリフィスによる英訳ではローダシーという語がある部分が「稲妻(lightning )」と訳されている。彼女自身も嵐にまつわる自然現象がイメージ源になっているのだろう。
稲妻を手にとり、駿馬に引かせた戦車(チャリオット)を乗って駆け巡る。
軍神として戦勝と戦利品だけでなく、雨による豊穣、そこから発展した子孫繁栄も神徳としている。
ルドラの息子である事から「ルドラ神群(ルドラたち)」とも呼ばれ、『バガヴァッド・ギーター』ではルドラと同一視されるシャンカラ(シヴァ)が代表的存在として挙げられている。