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概要編集

アフリカ北部~アラビア半島にかけて分布するアフロ・アジア語族のうち、最も話者数の多い言語のグループ。名前の由来は旧約聖書の登場人物であるセム方舟ノアの息子の一人)にちなむ。

かつては同じくノアの息子であるハムの名前を冠したハム語族とまとめてセム・ハム語族と言われていたが、このハム語族が全く近縁関係にない別系統同士の側系統が、たまたま収斂進化により似通った特徴を呈したに過ぎず、言語学的に意味をなさない系統群であることがわかり、現在の言い方に改められた。


国際標準語として広く使われている英語フランス語を含むインド・ヨーロッパ語族に比べるとやや存在感が薄いものの、クルアーンの記載言語たるフスハー下位区分として含み、世界中のムスリムに第二言語として学ばれている経緯から国連公用語の一つとなっているアラビア語や、聖書の原典語であるヘブライ語紀元前の国際標準語ギルガメシュ英雄伝説の記載言語であるアッカド語など、人類史に極めて重要な言語を多数含む言語群である。


印欧語族とは名詞が存在することや屈折語であるなど、文法的に酷似しているが、音韻学上は母音が豊富で子音が少ない印欧語族に対し、子音が豊富で母音が少ないという正反対の特徴を有する。また、フランス語米語テキサス方言に見られるような語を超えた音の融合(リエゾン)も頻繁に見られる。

この独特の音韻学的性質に起因し、そこはかとなくミステリアス妖艶な雰囲気が醸し出され、特に回教宗教音楽であるナシードスピリチュアル声楽の代表として世界的にコアな人気を誇る。


一方、この音韻学的特性に起因して、非ネイティブの習得が非常に困難なことで知られ、読み書きはできるようになってもスピーキングとリスニングは身につかないことが多い、語学オタク泣かせの言語群でもある。

特に最もメジャーな存在であるアラビア語子音しか筆記しない上筆記体のみしか存在しないアラビア文字を使用するため、読み書きの習得も極めて難易度が高い。この対策として、ふりがなのようなルビをふることで学習しやすくする表記法が用いられることも見られるが、インドネシアなどの非アラビア語文化圏におけるクルアーンの学習など、用途は非常に限られており、アラブでの実生活ではルビがふられた表記に触れることはほぼないため、日常生活目的の習得を目指すなら無意味に近い。


セム語の諸言語は、会話においては互いの意思疎通が困難なほどの違いを有するものの、字面をよく見てみると基礎的な文法や語彙は共通しており、一定の音韻変化の法則に従って規則的に音素が変異しているという特徴がある。そのため、アッカド語などの既に話者を喪失している言語であっても、文字の解読ができれば既存のセム語から当時の音韻を再現することは容易い。


シュメール語とは全く近縁関係がないが、アッカド語が多数の語彙を借用した名残でシュメール語由来の語彙が非常に豊富な言語群である。


印欧語との違い編集

  • 同様に名詞には性が存在し、その性は生物学的性別よく呼応する(同様に名詞に性を有する言語としてはシュメール語日本語が挙げられるが、前者は「」「人間」「畜生または無生物」、後者は「魂の宿るもの」(存在を示す動詞が「おる」または「いる」)「魂の宿らないもの」(存在を示す動詞が「ある」)といったジェンダーであり、生物学的な性別には全く呼応していない)。しかしながら、名詞の対象とするブツが実際に生物学的性別を有している場合、印欧語においてはその名詞の性は対象物の生物学的性別とよく一致するが、セム語においては名詞の性と対象物の性は一致することが多いものの、無視できない割合で全く一致していない例が多々見受けられる。そのため、男性が女性名詞の名前を持っていたり、女性が男性名詞の名前を持っていることや、男性しか就くことのできない職業が女性名詞、もしくはその逆も全く珍しくない。アラビア文学に詳しい某氏ライトノベルにおいてもこのことがネタにされていたりする。
  • 独自の文字体系では、必ず右から左に書く。印欧語では逆に必ず左から右に書く。個別の言語を見れば例外もあるが、これはセム語から印欧語、もしくはその逆に文字体系を借用した結果によるものである。
  • 文法的には顕著な類似性を示すものの、互いに借用しあった一部の語彙を除いて、共通する語彙が皆無であるために近縁関係にはないとされる。余談であるが文法的に酷似する日本語朝鮮語の近縁関係が否定されているのも漢語を除いて共通する語彙がないことが理由である。
  • 相互理解性が失われるほどに変化しあった言語同士も、頑なに同一言語の方言と見做し続ける傾向がある。そのため、全体の話者数の割には含まれる言語数が少ない。逆に印欧語では相互理解可能であっても、少しでもコミュニケーションに支障が生じるレベルになるとすぐさま別言語と見做してしまうため、言語数が無尽蔵に増える傾向がある。

具体例編集

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アフロ・アジア語族 あふろあじあごぞく

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