概要
一筆書きのように文字を続けて書く書体。
特にローマ字のものが有名で、単に筆記体とだけ言ったらこれを指すことが多い。
アラビア文字などは実質的に常に筆記体である。
漢字だと草書がこれに近いか。
個人ごとの癖が出やすいため、国際的にはサインなどは筆記体を用いるのが常識であり、「自分の名前ぐらい楷書で丁寧に書け」という教育を受けてきたためにブロック体でしかサインを書けない日本人は、国際社会では礼儀を知らないと恥をかきがちである。海外では印鑑がないため、字を丁寧に書くことよりも、誰もが筆跡を真似できないように書くことが重要視されるため。したがって、むしろ例え誰もが読めなくても他人が真似できない漢字でサインする方が好感度が上がることも多い。
日本では読み慣れていない人が多く、教育者の負担が上がるため、定期テストなどでは筆記体の使用は禁止されることが普通であり、該当する答案は採点さえされない学校も多い。学校によっては板書をノートに移し取るときでさえ使用を認めない場合も多いが、ミッション系の学校では、筆記体の読めるネイティブの講師が多く在籍していることが多く、テストなどでも逆に推奨されたり、ブロック体で記載された該当する単語を筆記体で書け、あるいは逆に筆記体で記載された該当する単語をブロック体で書き直した上で意味を和訳しろといった課題が出題されることさえあるなど、校風による面が非常に多い。
慣れればリズミカルに筆記できるため、単語の暗記などの効率もリズムを掴みにくいブロック体よりも有利である。ミッション系出身者は社会人になってからも、伝統的な体育会系の公立校出身者に比べてえてして英語力が高い傾向にあるのは、こういうところも影響しているのだろうか。
とにかく、将来的に他言語話者をめざすなら、先生の目を盗んで練習しておいた方がいい。とくに、アラビア語など、筆記体しかない言語の語学学習においては必須スキルであるので、筆記体特有の書き方に慣れておかないと話にならない。