概要
行書よりもさらに崩れ、速く書けるように発達した書体である。
なお登場は行書の方が後である(後述)。
文字を崩すのみならず、字画の省略すら珍しくないため、専門知識を持っていないと読むことも書くことも不可能である。
いくら達筆でも仕事用書類に用いるなどは問題外である。
ところが近世以前の人々は写経でも無い限りこれを業務用にも使っていたため、現代日本語との断絶が生まれてしまっている。日本の文化史において、明治中期からは分かりやすいがそれ以前はなんだかよく分からんというのは文法だけでなくここにも問題がある。
適当に崩しているわけではなくある程度ルールに則っているので、かなり時間はかかるものの、覚えさえすればちゃんと読み書きできるようになる。今後は人工知能による解読が期待される。
行書との関係
元々隷書という書体があり、それを速記向けに発展させたのが草書である。
しかし崩しっぷりが崩しっぷりなので、「もうちょっとちゃんとしていて読みやすい、綺麗な書体を作ろうよ」という流れも生まれた。
それで隷書と草書を足して2で割ったような、つまり「それなりに整っていて、それなりに速い」という行書が産み出されたんだそうな。
草書から行書に進化したというよりは、隷書から分岐進化したという方が感覚的には近いか。