概要
文章の書字方向で横書きと対置される概念。pixivでは主に縦書きの小説や漫画作品、イメレス用素材につけられるタグである。
縦書きを用いる言語
現在、縦書きを用いる言語で利用者が多いのは日本語、中国語(漢字)、韓国語(ハングル)、モンゴル語(モンゴル文字。縦書き専用。後述)程度だが、日本語以外は圧倒的に横書き主流である。モンゴル語以外はいずれも右から左に行を並べる。
古典以外の書籍や新聞・雑誌を縦書きするのは日本語ぐらいになったが、中国語繁体字圏(台湾と香港)の漫画に関しては、日本の影響もあって縦書きも広く採用されている(中国大陸と韓国の漫画は、日本語からの翻訳作品以外は縦書きはまれ)。
日本語における縦書き
1952年以降、日本の公文書は左横書きと定められており、マニュアルや学術論文などもほとんどが横書きであるが、小説や漫画など創作の世界は、電子書籍も含めて縦書きが圧倒的主流である。手書きの時代はひらがなだと縦書き向きの設計で書きやすい、縦書きだと縦長の本で一行あたりの情報量が多い、編集者が横書きで組むのに慣れていないなどの理由が考えられるが、定かではない。
学術の世界では全く使われないと思われている縦書きだが、東洋の文学や宗教を対象とする学問では使用されている。
日本語は右縦書きなので、珍しく左利きが得する設計となっている(右利きだと筆記の際手が汚れるなど)。巻物を右手で開いていたことが由来とも。
コンピューターにおける縦書き
コンピューターは長年縦書きを苦手としていた。ワープロソフトやDTPソフトでも未だに縦書きに対応していないものもある(そういったソフトでもテキストボックスを縦長に配置することで縦書きを擬似的に再現することは可能)。
pixiv小説では初期は横書きしかできなかったが、現在は縦書きに対応している。
海外絵師などの日本語で、日本語縦書き時に長音記号を回転できず「一」になっている例もよくある。
一方で、EPUBやXMDFやPDFなどの電子書籍フォーマットでは縦書きの仕組みが整っており、日本語はもちろん中国語(簡体字・繁体字)や韓国語でも紙と変わらない縦書きが表現できる。一応HTMLでも縦書きの仕組みがあり、文学系などで時折縦書きのウェブサイトもある。ただWebのシステム自体が横書きを前提としたものであるため表示が壊れやすい。
モンゴル文字
モンゴル(モンゴル国と中華人民共和国内モンゴル自治区)で使用されるモンゴル文字は縦書きしかできない。モンゴル文字の行は、日本語とや中国語は逆に左から右へと進む。でも朝青龍や白鵬のニュースでそんな文字見たこと無いよ、というのも当然。外モンゴル側ではモンゴル人民共和国建国後、ラテン文字化→モンゴル文字復活→ラテン文字への揺り戻し...といった紆余曲折を経て、スターリンの圧力が強まった1940年代にキリル文字に移行したのである。また内モンゴルも1950年代にキリル文字化の動きがあったが中ソ対立により滞りモンゴル文字のまま今に至る。
そして1990年代に至り、冷戦終結とソ連崩壊によりモンゴル人民共和国から改称したモンゴル国でもモンゴル文字が復活した。しかし横書きが出来ないという問題の他に古典・文語のイメージが強すぎて、今でもキリル文字主流である。なお、モンゴル語に関しては表記の複雑さなどから長らくUnicodeでも正しい表記がなされない問題があった。