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常用漢字

じょうようかんじ

内閣告示の「常用漢字表」にあげられた漢字。分かりやすく言えば「日常的に広く使う漢字」として定められた字のこと。
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概要

一般の社会生活で漢字を使用する際の目安として示された漢字をさす。
方針や採用字種の検討などは文化審議会が行う。昭和56年(1981)、それまでの「当用漢字表」に新たに95字が追加され、1945字として告示。さらに平成22年(2010)11月30日に196字を追加、5字を削除した2136字の「改定常用漢字表」が告示された。

制定の目的は、漢字使用の目安であって制限ではない一方、日本の学習指導要領では義務教育の国語で読みを習う漢字は常用漢字のみとされている。漢検では、2級で全ての常用漢字が出題範囲となる。

制定の経緯

漢字の正典とされる『康煕字典』にはあまりにも多くの字が載っており、それらの殆どは日常では使われず、また日常で多く使用されるにもかかわらず字形が複雑なため俗字や略字を使用するケースが目立ち、国民の漢字使用における方針を国としてどう定めるかについて明治時代から議論の対象となっていた。
最初の常用漢字が制定されたのは大正11年のことで、当時は1962字だった。

そんな中敗戦を契機にGHQから漢字使用の制限が提起され、漢字の廃止を目途とし、「廃止までの間面使できる漢字」として昭和21年に「当用漢字」が制定された。このときに煩雑な字形を簡略化した新字体が採用されている。
ただし、「聡・翔・渚・也」といった字が入っておらず、これがために新生児の名付けが困難なことから、「当用漢字外だが人名用として使える字」という名目で後に人名用漢字が設けられた。

だが漢字は既に広く定着しており、廃止が困難であったことから、漢字使用の制限ではなく目安を規定するものとして昭和56年に常用漢字が再び制定。当用漢字は廃止された。

平成22年の改定

文化審議会は平成22年6月7日、改定常用漢字表(2136字/4388音訓[2352音・2036訓])を答申し、同年11月30日に平成22年内閣告示第2号「常用漢字表」として内閣告示された。
この改定で、固有名詞の例外として都道府県の漢字が全て追加された。同様に「韓・畿」の字も固有名詞の例外として追加。また、画数が一番多い常用漢字は「鑑」から「鬱」になった。第二水準漢字は30字ある。
漢検では、追加された196字は2級配当になり、削除された5字は準1級配当になる。また、常用漢字表の改定前に1級配当になっていた28字(「曖」「彙」など)は、常用漢字への追加で2級配当になったが、準1級以上でも出題範囲となる。
なお、このうち都道府県名に使われている11字は、のちの2020年の学習指導要領の改定により(令和2年の学習指導要領改定前に小学校で習わなかったほかの常用漢字9字も含め、計20字)小学4年に習う漢字になった。
ちなみに、県庁所在地では「幌」の字のみ常用漢字表にない。

【追加(196字)】
挨 曖 宛 嵐 畏 萎 椅 彙 茨 咽 淫 唄 鬱 怨 媛 艶 旺 岡 臆 俺 苛 牙 瓦 楷 潰 諧 崖 蓋 骸 柿 顎 葛 釜 鎌 韓 玩 伎 亀 毀 畿 臼 嗅 巾 僅 錦 惧 串 窟 熊 詣 憬 稽 隙 桁 拳 鍵 舷 股 虎 錮 勾 梗 喉 乞 傲 駒 頃 痕 沙 挫 采 塞 埼 柵 刹 拶 斬 恣 摯 餌 鹿 𠮟 嫉 腫 呪 袖 羞 蹴 憧 拭 尻 芯 腎 須 裾 凄 醒 脊 戚 煎 羨 腺 詮 箋 膳 狙 遡 曽 爽 痩 踪 捉 遜 汰 唾 堆 戴 誰 旦 綻 緻 酎 貼 嘲 捗 椎 爪 鶴 諦 溺 塡 妬 賭 藤 瞳 栃 頓 貪 丼 那 奈 梨 謎 鍋 匂 虹 捻 罵 剝 箸 氾 汎 阪 斑 眉 膝 肘 訃 阜 蔽 餅 璧 蔑 哺 蜂 貌 頰 睦 勃 昧 枕 蜜 冥 麺 冶 弥 闇 喩 湧 妖 瘍 沃 拉 辣 藍 璃 慄 侶 瞭 瑠 呂 賂 弄 籠 麓 脇

【削除(5字)】
勺 →尺貫法の単位
錘 →使用頻度が低い
銑 →使用頻度は低いが「銑鉄」は新聞でルビなし
脹 →「膨脹」は「膨張」に書き換え
匁 →尺貫法の単位

【(参考)一度は追加候補漢字に入りながら、その後外された漢字(85字)】
叩 噓 噂 濡 笠 嬉 朋 覗 撫 溜 鷹 揃 頷 摑 翔 喋 嚙 洩 禄 栗 馴 駕 鴨 淵 駿 蘭 胡 蘇 狼 蝶 搔 惚 蒼 腿 菩 吊 雀 樽 壺 祀 卿 歪 棲 磯 桶 鷲 媚 寵 秤 套 醬 疼 賤 顚 糊 誼 截 綬 庄 毅 揆 躇 躊 憐 狽 萌 撥 謳 蔓 捏 饉 倦 屛 恍 斡 膠 疇 謗 乖 誹 蒙 聘 憚 哨 諜

【参考・新聞で使う常用外漢字/使わない常用漢字】
各新聞社では、多少の差異はあるが、常用漢字表をベースに独自に新聞に用いる漢字を定めている。追加された漢字と音訓は基本的にルビなしで常用漢字と同様に用いる。新聞で使わない漢字についてはルビやかな書きなどにされる。以下がおおむねの例。
なお、固有名詞の場合、一部の漢字や本人の強い要望などの例外を除き、原則として旧字体は用いられていない。

《追加8字・語例》
磯(いそ)  磯臭い・磯釣り・磯辺
絆(きずな)
哨(ショウ) 哨戒・前哨戦・歩哨
疹(シン)  発疹・風疹・湿疹
胚(ハイ)  胚芽・胚乳・胚胎
炒(いためる)炒める
栗(くり)  片栗粉
淵(ふち)

《追加音訓》
証(あかす)証す
鶏(とり) 若鶏
虹(コウ) 虹彩

《不使用7字》 
虞 →おそれ(恐れ)
且 →かつ
遵 →「遵守・遵法」は「順守・順法」に書き換え
但 →ただし(ただし書き)
朕 →かつての天皇の一人称で、使用頻度は低い
附 →「付」に通じる
又 →また(または)

常用漢字一覧

亜哀挨愛曖悪握圧扱宛嵐安案暗以衣位囲医依委威為畏胃尉異移萎偉椅彙意違維慰遺緯域育一壱逸茨芋引印因咽姻員院淫陰飲隠韻右宇羽雨唄鬱畝浦運雲永泳英映栄営詠影鋭衛易疫益液駅悦越謁閲円延沿炎宴怨媛援園煙猿遠鉛塩演縁艶汚王凹央応往押旺欧殴桜翁奥横岡屋億憶臆虞乙俺卸音恩温穏下化火加可仮何花佳価果河苛科架夏家荷華菓貨渦過嫁暇禍靴寡歌箇稼課蚊牙瓦我画芽賀雅餓介回灰会快戒改怪拐悔海界皆械絵開階塊楷解潰壊懐諧貝外劾害崖涯街慨蓋該概骸垣柿各角拡革格核殻郭覚較隔閣確獲嚇穫学岳楽額顎掛潟括活喝渇割葛滑褐轄且株釜鎌刈干刊甘汗缶完肝官冠巻看陥乾勘患貫寒喚堪換敢棺款間閑勧寛幹感漢慣管関歓監緩憾還館環簡観韓艦鑑丸含岸岩玩眼頑顔願企伎危机気岐希忌汽奇祈季紀軌既記起飢鬼帰基寄規亀喜幾揮期棋貴棄毀旗器畿輝機騎技宜偽欺義疑儀戯擬犠議菊吉喫詰却客脚逆虐九久及弓丘旧休吸朽臼求究泣急級糾宮救球給嗅窮牛去巨居拒拠挙虚許距魚御漁凶共叫狂京享供協況峡挟狭恐恭胸脅強教郷境橋矯鏡競響驚仰暁業凝曲局極玉巾斤均近金菌勤琴筋僅禁緊錦謹襟吟銀区句苦駆具惧愚空偶遇隅串屈掘窟熊繰君訓勲薫軍郡群兄刑形系径茎係型契計恵啓掲渓経蛍敬景軽傾携継詣慶憬稽憩警鶏芸迎鯨隙劇撃激桁欠穴血決結傑潔月犬件見券肩建研県倹兼剣拳軒健険圏堅検嫌献絹遣権憲賢謙鍵繭顕験懸元幻玄言弦限原現舷減源厳己戸古呼固孤弧股虎故枯個庫湖雇誇鼓錮顧五互午呉後娯悟碁語誤護口工公勾孔功巧広甲交光向后好江考行坑孝抗攻更効幸拘肯侯厚恒洪皇紅荒郊香候校耕航貢降高康控梗黄喉慌港硬絞項溝鉱構綱酵稿興衡鋼講購乞号合拷剛傲豪克告谷刻国黒穀酷獄骨駒込頃今困昆恨根婚混痕紺魂墾懇左佐沙査砂唆差詐鎖座挫才再災妻采砕宰栽彩採済祭斎細菜最裁債催塞歳載際埼在材剤財罪崎作削昨柵索策酢搾錯咲冊札刷刹拶殺察撮擦雑皿三山参桟蚕惨産傘散算酸賛残斬暫士子支止氏仕史司四市矢旨死糸至伺志私使刺始姉枝祉肢姿思指施師恣紙脂視紫詞歯嗣試詩資飼誌雌摯賜諮示字寺次耳自似児事侍治持時滋慈辞磁餌璽鹿式識軸七叱失室疾執湿嫉漆質実芝写社車舎者射捨赦斜煮遮謝邪蛇尺借酌釈爵若弱寂手主守朱取狩首殊珠酒腫種趣寿受呪授需儒樹収囚州舟秀周宗拾秋臭修袖終羞習週就衆集愁酬醜蹴襲十汁充住柔重従渋銃獣縦叔祝宿淑粛縮塾熟出述術俊春瞬旬巡盾准殉純循順準潤遵処初所書庶暑署緒諸女如助序叙徐除小升少召匠床抄肖尚招承昇松沼昭宵将消症祥称笑唱商渉章紹訟勝掌晶焼焦硝粧詔証象傷奨照詳彰障憧衝賞償礁鐘上丈冗条状乗城浄剰常情場畳蒸縄壌嬢錠譲醸色拭食植殖飾触嘱織職辱尻心申伸臣芯身辛侵信津神唇娠振浸真針深紳進森診寝慎新審震薪親人刃仁尽迅甚陣尋腎須図水吹垂炊帥粋衰推酔遂睡穂随髄枢崇数据杉裾寸瀬是井世正生成西声制姓征性青斉政星牲省凄逝清盛婿晴勢聖誠精製誓静請整醒税夕斥石赤昔析席脊隻惜戚責跡積績籍切折拙窃接設雪摂節説舌絶千川仙占先宣専泉浅洗染扇栓旋船戦煎羨腺詮践箋銭潜線遷選薦繊鮮全前善然禅漸膳繕狙阻祖租素措粗組疎訴塑遡礎双壮早争走奏相荘草送倉捜挿桑巣掃曹曽爽窓創喪痩葬装僧想層総遭槽踪操燥霜騒藻造像増憎蔵贈臓即束足促則息捉速側測俗族属賊続卒率存村孫尊損遜他多汰打妥唾堕惰駄太対体耐待怠胎退帯泰堆袋逮替貸隊滞態戴大代台第題滝宅択沢卓拓託濯諾濁但達脱奪棚誰丹旦担単炭胆探淡短嘆端綻誕鍛団男段断弾暖談壇地池知値恥致遅痴稚置緻竹畜逐蓄築秩窒茶着嫡中仲虫沖宙忠抽注昼柱衷酎鋳駐著貯丁弔庁兆町長挑帳張彫眺釣頂鳥朝貼超腸跳徴嘲潮澄調聴懲直勅捗沈珍朕陳賃鎮追椎墜通痛塚漬坪爪鶴低呈廷弟定底抵邸亭貞帝訂庭逓停偵堤提程艇締諦泥的笛摘滴適敵溺迭哲鉄徹撤天典店点展添転塡田伝殿電斗吐妬徒途都渡塗賭土奴努度怒刀冬灯当投豆東到逃倒凍唐島桃討透党悼盗陶塔搭棟湯痘登答等筒統稲踏糖頭謄藤闘騰同洞胴動堂童道働銅導瞳峠匿特得督徳篤毒独読栃凸突届屯豚頓貪鈍曇丼那奈内梨謎鍋南軟難二尼弐匂肉虹日入乳尿任妊忍認寧熱年念捻粘燃悩納能脳農濃把波派破覇馬婆罵拝杯背肺俳配排敗廃輩売倍梅培陪媒買賠白伯拍泊迫剝舶博薄麦漠縛爆箱箸畑肌八鉢発髪伐抜罰閥反半氾犯帆汎伴判坂阪板版班畔般販斑飯搬煩頒範繁藩晩番蛮盤比皮妃否批彼披肥非卑飛疲秘被悲扉費碑罷避尾眉美備微鼻膝肘匹必泌筆姫百氷表俵票評漂標苗秒病描猫品浜貧賓頻敏瓶不夫父付布扶府怖阜附訃負赴浮婦符富普腐敷膚賦譜侮武部舞封風伏服副幅復福腹複覆払沸仏物粉紛雰噴墳憤奮分文聞丙平兵併並柄陛閉塀幣弊蔽餅米壁璧癖別蔑片辺返変偏遍編弁便勉歩保哺捕補舗母募墓慕暮簿方包芳邦奉宝抱放法泡胞俸倣峰砲崩訪報蜂豊飽褒縫亡乏忙坊妨忘防房肪某冒剖紡望傍帽棒貿貌暴膨謀頰北木朴牧睦僕墨撲没勃堀本奔翻凡盆麻摩磨魔毎妹枚昧埋幕膜枕又末抹万満慢漫未味魅岬密蜜脈妙民眠矛務無夢霧娘名命明迷冥盟銘鳴滅免面綿麺茂模毛妄盲耗猛網目黙門紋問冶夜野弥厄役約訳薬躍闇由油喩愉諭輸癒唯友有勇幽悠郵湧猶裕遊雄誘憂融優与予余誉預幼用羊妖洋要容庸揚揺葉陽溶腰様瘍踊窯養擁謡曜抑沃浴欲翌翼拉裸羅来雷頼絡落酪辣乱卵覧濫藍欄吏利里理痢裏履璃離陸立律慄略柳流留竜粒隆硫侶旅虜慮了両良料涼猟陵量僚領寮療瞭糧力緑林厘倫輪隣臨瑠涙累塁類令礼冷励戻例鈴零霊隷齢麗暦歴列劣烈裂恋連廉練錬呂炉賂路露老労弄郎朗浪廊楼漏籠六録麓論和話賄脇惑枠湾腕

問題点

元々当用漢字が漢字の使用を制限するものであったため、表外漢字は平仮名もしくは書き換えを推奨していた。その頃の名残で、本来熟語であるはずの言葉について、常用漢字表にないという理由で漢字と仮名を併用する「交ぜ書き」が広く使われ、平仮名にしたことでかえって分かりにくくなるというケースが多発するようになった。
例として、かつて「拉致」の「拉」が常用漢字外であった時代に新聞の見出しに『日本人ら致される』とあり、拉致事件の話のはずが『日本人ら/致される』ぎなた読みされて、何かR-18ものの事案が発生したのかと勘違いされたことがある。
常用漢字外だからといって使ってはいけないとする規則はなく、良識の範囲内であれば(自分や相手が正しく読めれば)使って構わないのだが、あまり認知されていない。
ただし、法令においては常用漢字外の字を使わないのが原則で、交ぜ書きするのでなければ書き換えられることになっている。

このほか新字体についても問題が発生している。当該記事を参照されたい。

字形についても、学校教育の現場などでマナー講師的に勝手に判断して1つの字形しか認めない風潮が散見されている。印刷自体と手書き自体とが大きく異なっている場合があり(「改」「乏」などが代表例)、このような決めつけは悪影響を及ぼしかねない。
文化庁では「漢字の字形は複数存在しうる」として指針を示している(下記)が、浸透していないのが現状。

関連

当用漢字 表外漢字 漢字 
教育漢字 人名用漢字
繁体字 簡体字

外部リンク

「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)」の代表音訓索引

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