オトノケ
おとのけ
ダンダダンダンダダンダンダダンダンダダン…
作詞:R-指定
作曲:DJ松永
『オトノケ』は、Creepy Nutsの楽曲であり、テレビアニメ『ダンダダン』OPテーマ。
音楽の作り手と聞き手という関係性を、怪異や霊が人に憑依するとき「痛みや悲しみに共鳴して結び着く」という「ダンダダン」の世界観に落とし込み、心の穴を音楽が埋める充足感をリズミカルさとキャッチーさで表現した楽曲。世界的なヒット・ソングとなった『Bling-Bang-Bang-Born』にも用いられた「ジャージークラブ」の疾走感溢れるビートを取り入れながらも、メロディックで情緒的なフックが印象深いDJ松永によるトラックの上で、R-指定の変幻自在なラップとメロウなヴォーカルが駆ける、文字通り耳に取り憑いて離れないアッパーチューンに仕上がっている。
歌詞は非常によく練られており、「ダンダダン」にあわせた「アー(ン)・アア(ン) 」という響きを持つ言葉(輩、アンタら、なんかじゃ、敵わん…など)によるおびただしい数のライム(韻)をたたみかけながら、後述のように作品に関連した2つのテーマを織り込むという大胆かつ芸の細かい秀逸なものに仕上がっている。
タイトルの「オトノケ」は造語である。
その語源や意味は名言されていないが、Creepy Nutsの持ち武器である「音」に、以下の語をかけ合わせたものであろうと推測されている。
- 『ダンダダン』のテーマである「物の怪」
- 「物の怪」にも由来すると思われる、後述の2chオカルトスレッドに登場する怪異「ヤマノケ」
- 「そこのけ」…「そこをどけ」という意味の言葉。実際、歌詞には「そこどきな邪魔だ」というフレーズが登場している。また転じて「(本来の優れたものを)追いやってしまうほど優れた」という意味も持つ(「板前もそこのけの料理の腕」のような使い方をする)。
また、歌詞にはオカルト都市伝説がベースになったフレーズが散りばめられている。
- 「四尺四寸四分様」は「八尺様」、「貞ちゃん伽椰ちゃん」は貞子(山村貞子)、伽椰子(佐伯伽椰子)を表している(一応、『呪怨』シリーズの原作者である清水崇氏曰く「(伽椰子の)使用許諾について相談されたため、了承した。」とのこと)。
- 「お憑かれさまやん」の元ネタは2chオカルトスレッド発祥であり、先述の「ヤマノケ」はその中の怪異の一つである。歌詞でも「ヤマノケ」の中のフレーズである「ハイレタ」が5回連呼されている。
- 2番歌詞の禁后(パンドラ)もそのまま「禁后」という同スレッドシリーズの話から来ている。
2番の歌詞は、新旧の少年ジャンプ作品をイメージしたものが多用・まとめられていると推測・考察されている。
- 鬼とチャンバラ…鬼滅の刃
- the lyrical chainsaw massacre(日本語で「叙情的なチェンソーの虐殺」)…チェンソーマン
- 渡る大海原…ONEPIECE
- 今日も賽の河原ど真ん中…シャーマンキング
- 積み上げてくtop of top…マッシュル-MASHLE-
- 鼻歌singin' sha-la-la…NARUTO-ナルト- 疾風伝OP「ホタルノヒカリ」
- 祓いたいのなら末代までの札束…呪術廻戦
- 誰が開いたか禁后(パンドラ)…遊戯王
- 何百年待ったか超久しぶりの娑婆だ…ディオ・ブランドー
- こーゆーことかよシャマラン…切島鋭児郎(M・ナイト・シャマラン監督の映画『アンブレイカブル』→安無嶺過武瑠)
OPのアニメーションは、原作がウルトラマンネタを豊富に扱ってあることもあり、ウルトラマンの歌のオマージュした作りになっている。
- 主人公二人のアクションポーズや怪異の影絵など、ウルトラマンの歌をリスペクトしたカットが多用されている。
- 途中にあるモモ達三人のダンスの振り付けはそれぞれ海外で有名になったネットミームから来ていると思われ、モモのダンスはリアーナのWhere have you beenから、オカルンとジジのはウィル・スミスがメインキャストを務めるテレビシリーズ「The Fresh Prince of Bel-Air」内で彼が踊った振り付け(通称The Carlton Dance)から。
海外では、トラックの「ピピピピピー」のような音がピクミンの鳴き声に聞こえると話題になっているが、作曲担当のDJ松永は全く意識していなかったらしい。
MV
こちらは曼荼羅をオマージュしており「ダンダダンのマンダラ」で韻を踏んでいる。