概要
アメリカ合衆国北東部、ニューイングランドで唯一海に面しない、カナダ国境ケベック州に接する州。人口は約64万人で、ワイオミング州の次に少ない。州都はモントピリア、最大都市はバーリントンであるが、人口10万人以上の都市はない。また、州都モントピリアの人口はわずか8700人に過ぎず、全米最少の州都でもある。
全米で8番目に寒冷な州でもあり、あまりの低温に降雪すらも少ないエリアもある(日本で最も気温が下がる陸別町や旭川市江丹別の降雪量が少ないのと同じ理由)。
かつてはフランス領土でもあり、英国に併合された後、バーモント共和国を経て独立戦争の際には34000人が北軍として参加している。
山岳と森林の州といわれるほど森林が多く、フランス文化の残る牧歌的な町並みや降雪が多い山脈地帯ではスキーリゾートも発展している、観光依存の州でもある。フランス文化の影響かワイン醸造も盛んになっている。メープルシロップも名物となっているほか酪農や有機栽培農業も盛ん。その他特徴的な産業として大理石や花崗岩採掘といった石材加工業もある。スノーボードブランド、バートンの本社はバーモント州のバーリントンにある。
余談
- ちなみに奴隷制度を先駆けて廃止した最初の州でもあるが、黒人人口は至って少なかったりもする。彼らがこの州に住みたがらない理由は、寒すぎる(気温が低い上に乾燥する)かららしい。
- ハウスバーモントカレーのバーモントはこのバーモント州にちなんでいる。同州由来の健康法、リンゴ酢と蜂蜜をで健康を維持してきたと記された『バーモント民間療法』という書籍が話題となり、それにインスパイアされ、バーモント州の特産と思われていたリンゴと蜂蜜を合わせ、子供にも食べやすいよう、まろやかな味に仕立てたものである。
だが、今はそこまで蜂蜜採取は盛んではない。現地では、むしろ州の名物となっているメープルシロップを健康維持の秘訣と思っている節があるようである。むしろ、リンゴ栽培や養蜂が盛んなのは、お隣のニューハンプシャー州である。
- 歴史的にはフランスが大きく関わっているものの、今はルイジアナ州などのように、あまりフランス文化を色濃く残すというほどの州でもなく、あくまで観光PR用の文言で使用されている程度でもある。確かに州内にはフランス系移民が多いが、彼らは標準的な英語を喋っており、フランス語を喋るのは人口の2%程度に過ぎないという。