概要
命を持つ人形たちが楽しく暮らす人形の楽園。
しかし、最近は他の国々と同じように幻影帝国の魔の手が伸びてきており、幹部の一人であるブラックファングがサイアークを使って侵略を行っている。
王国の住人であるバレエ人形のつむぎがハピネスチャージプリキュアに助けを求めてきたところから物語は始まる。
王国は西洋のおとぎ話に出てくる城下町のようで、訪れたプリキュアたちは大変な歓待を受け、舞踏会にも招待された。
城にはジーク王子が住んでおり、彼がこの王国の代表を務めている。
一方でどんな地図にも載っていない不思議な国でもある。それどころか、地球の神であるブルーさえも聞いたことがないらしく・・・?
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真相
以下は、物語のネタバレを含みます。
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まずこの王国は地球上に存在するものではなく、次元の狭間に作られた異世界である。遥か上空から見てみると、宇宙空間に浮かぶ巨大な花の中に王国が作られていることが分かる。
ドール王国は、日本に住むつむぎという一人の少女のためだけに作り出された人工世界である。
つむぎは、ある日突然足が動かなくなってバレリーナになる未来を絶たれてしまい、あらゆることに絶望していた。
そんな彼女にブラックファングが接触。つむぎのための夢の王国としてドール王国を作り出した。
ここではつむぎも足が動くようになり自由に踊れる。ドール王国の住人達も、元々はつむぎが持っていた人形である。
実は、ブラックファングは王国を(支配しようとして)襲撃しているのではなかった。ドール王国は既に支配しているので、襲撃自体が自作自演であり、プリキュアをドール王国におびき寄せるための罠だったのである。
つむぎがこの世界に魅了されたと判断したブラックファングは「幻影帝国の幹部である自分はプリキュアと敵対している。私がやられるとこの王国は消えてしまう」と囁き、つむぎはそれを真に受け、彼の計画に協力することになった。
ブラックファングがドール王国を作り出したのは、つむぎが可哀想だと思っていたという事では決してない。
実は、この王国は不幸の心から生まれるエネルギーから出来ている。つむぎが現実世界に絶望して不幸だと感じれば感じるほど、現実逃避の世界であるドール王国は夢と希望にあふれた世界となっていた。
つまり、ブラックファングは自分が選んだ人間の絶望と不幸の心を吸収することでパワーアップすることが出来るため、自分に力を与えることができる少女を閉じ込めておく「鳥かご」として用意されたのがドール王国なのである。
そもそも、つむぎの足が突然動かなくなったのはブラックファングの仕業だったので、つむぎはブラックファングに最初から利用されていることになる。
正しく、人形の楽園などではなく不幸を集める生き地獄と言ったところか。
平和に見えるこの世界そのものがまさに幻影にして、ブラックファングの目的の為に、つむぎやジーク王子が文字通りの人形にされているのである。映画のサブタイトルである『人形の国のバレリーナ』の人形の意味が、決してメルヘンな意味だけではなく黒い意味での人形である事を物語っている。
王国内の人形達も、(ある意味では)つむぎ本人の心の寂しさや孤独感から生まれた架空の友達でもあり、彼女自身の心中の表れとも言える。
なお、つむぎは(この王国内では)自分の意思でサイアークを自在に作りだすことができる。その動機や能力からいえば、この王国内でのつむぎは「幻影帝国のドール王国駐在幹部」であるといっても過言ではない。
4作前や前作を除くプリキュアの劇場版は異世界や異世界の住人を救う事が主な目的だが、本作の場合は自分達の世界や人々を救う為にその異世界を破壊する事が目的となっている。
ドール王国が消滅する際、王国の住人たちは大好きなつむぎが幸福を目指すことを決めたことに祝福を送り、もう二度と動いて喋ることは出来ない宿命を喜んで受け入れ、ただの人形に戻った。
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幻影帝国:「ドール王国を侵略する悪の帝国」に見せかけて、実はドール王国の方が「幻影帝国の従属国」といえる代物だった。