概要
伏黒恵が持つ術式で、禪院家相伝のものだが現時点で本家の人間で持ち主は確認されていない。
名前の元となったのは、日本神話の「十種神宝」と見られる。
影絵を実体化させる形で顕現させ、二体の式神をかけあわせて使うことも可能。また単体でも並の式神を上回る呪力を持つが、完全に破壊されると再生できない。ただし他の式神に呪力を引き継がせることは可能。
影を媒介とする特性から呪具を影に隠すなど、応用の幅も広い。
とは言え伏黒はまだ十全にこの術式を活かせておらず、宿儺からは「宝の持ち腐れ」と評された。
調伏
この術式で最初に使えるのは二匹の「玉犬」だけで、他の式神は術師自身が戦って調伏しなければ従える事が出来ない。
従わせるための調伏はタイマンでしか成立せず、複数人で倒しても式神として従えることが出来ず意味を為さない。
…が。調伏するために召喚すること自体は可能な為敵を儀式に引きずり込み、勝ち目の無い強力な式神を召喚して自分もろとも殺すという壮絶な自爆戦法も取れてしまう。
この場合まず本人が真っ先に倒されて仮死状態になり、そのまま引き込んだ相手も負ければ「儀式終了」として両者の死が確定する。第三者が式神に勝って儀式を無効化でもしない限り、ほぼ確実に敵を葬れるのである。
伏黒にとってはそれこそが「奥の手」であり、いざとなれば命を捨てるだけで解決できるという思いが彼に「本気の出しかた」を見失わせる原因となっていた。