※この項目はアニメ未放送のネタバレ情報を含む場合があります。 |
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「お迎えに参りました。宿儺様」
CV:斎賀みつき
概要
立場的には彼とは同盟に近い関係の模様。嘱託式の帳の確認など他の呪詛師より明らかに重要な役割を任されており、現場で他の呪詛師達への指示も行う。
人物
外見は袈裟を着た未成年に見える程に小柄で中性的な体格と、赤が混ざった白髪のおかっぱ頭が特徴の人物。アニメでの声優は女性ながらイケボで男性役の多い斎賀氏が担当している。海外のお偉いさんから美しいと評されている。
渋谷事変での宿儺との再会の際に、何者かの気配を感じた宿儺が後ろを振り返らずに「誰だ?」と訊き、それに対して「お迎えに参りました。宿儺様」と声をかけた。すると、後ろを振り返った宿儺から「裏梅か!」と気付かれた。現代と平安時代の外見は髪型以外の差がないため、現代の姿は完全受肉している可能性がある。
その正体は、宿儺と同じ千年前の呪術師の一人である。偽夏油と協力関係にあり、彼の計画に協力して海外の要人との交渉などにも同行していたが、実は千年前から宿儺に仕えている彼の唯一の手下と呼べる存在である。宿儺を「宿儺様」と呼び慕い、彼を復活させるべく行動していた。伏黒恵を自身の器にしようと目論んでいる宿儺とどこまで情報を共有できていたのかは不明だが、宿儺から渋谷で再会した際には自身の復活の時が近い事を告げられ、それに備えた準備を進めるよう改めて指示を受けていた。
宿儺の器である虎杖悠仁のことは、宿儺の新しい肉体としか見ておらず、彼が氷結された体を無理矢理動かして脱出した際には、宿儺の体に無理をさせたとして不快感を露わにしていた。
実際、宿儺が伏黒を自身の器にした後は容赦なく虎杖を処理しようとしている。
ちなみに実際の立場は、宿儺の副官や参謀などではなく、意外にも宿儺専属の料理人である。食事(とりわけ人間を食べること)を最大の喜びにして悦楽としている宿儺に対して、裏梅は特に人肉を美味しく調理する事ができる才能を持っていた為に、宿儺の隣に立つ事を許されたとのこと。
他とは隔絶した力を持つ宿儺にとって、自身の手下と呼べる存在は裏梅だけである。
普段は冷静沈着な性格で他人に対しても丁寧な振る舞いをするのだが、一度頭に血が上ると感情を爆発させて皆殺しにしようとするなど、意外にも激情家で苛烈な側面や、宿儺を止める事ができなかった虎杖を楽しそうに嘲笑うなど主君の宿儺同様悪辣な所がある。また、宿儺が「相変わらず痒い所に手が届く」と褒めるほど優秀な手下である。
基本的にシリアスなキャラではあるが、脹相との対峙であの「どけ!!!俺はお兄ちゃんだぞ!!!」という台詞を浴びせられたり、宿儺に「浴」の準備を既に終えている事を伝えて褒められた際に台詞は無言ながら「超うれしい」と矢印付きで書かれコミカルなところがある。また、伏黒に受肉した宿儺にブチギレた時の虎杖の顔がツボだったようだ。脹相の赤血攻撃をくらっても、五条に2度もブッ飛ばされても反転術式を使って復活し戦う事ができ、秤と互角の戦闘能力を持っている。
単行本25巻にて、本誌では明らかにされていなかった裏梅の受肉先(器)の名前が加筆されていた。器の名は氷見汐梨(ひみ しおり)である。
能力
千年前の呪術師だけあって戦闘力は非常に高い。術式の規模や威力なども桁違いであり、さらに高度な反転術式も習得している。
また呪霊に対する造詣が深く、自身の術式と併せて宿儺の完全復活に必要な「浴」の用意を行っている。
術式
氷凝呪法(ひこりじゅほう)
氷を顕現させて周囲を氷結させ操る術式。術式の精度・規模・威力共に凄まじく、一瞬で1級呪術師である日下部篤也や1級術師相当の脹相、虎杖、そしてパンダや加茂憲紀らを氷結して容易く行動不能に追い込んでいる。しかも氷結は彼等の力を以てしても解けない程の拘束力を持つ(力自慢の虎杖ですら、わざと緩めにした最初の氷結しか自力では突破できなかった)。
さらに指先に氷柱のような氷のナイフを作り、相手を攻撃する事もできる。人外魔境新宿決戦では万が命と引き換えに構築した呪具「神武解(かむとけ)」(生前の宿儺が使っていたもの)を遥か上空から巨大な氷塊に乗って(呪具は氷塊の中に入っている状態)届けたり、掌から大きめな氷柱を作り出して秤に向けて投擲し攻撃するなど汎用性が高い。
技
- 霜凪(しもなぎ)
手の平に息を吹き付け、広範囲の敵を一気に氷結させる技。過冷却状態の呪力をぶつけ、対象を凍りつかせる氷凝呪法の真髄である。出力最大の場合は天与呪縛に完全覚醒した禪院真希すら氷漬けにして封じてしまえる程強力。人外魔境新宿決戦では秤の右腕を凍らせてから拳で砕くという戦闘スタイルも披露している。
- 直瀑(ちょくばく)
足下に円形に出現させた氷塊で、広範囲の相手を一気に凍らせて動きを止める技。
作中では、その後に頭上から大量の氷柱を降らせて追撃もしている。
反転術式
呪力を掛け合わせて「正のエネルギー」を生み出す事で治療を行う高等技術。一瞬で欠損した指を元通り再生する程の高度なレベルに達しているが、流石に初見で脹相の血の毒にまでは対応できなかった。
性別について(単行本28巻のネタバレ注意)
呪詛師の組屋曰く、裏梅のことは男なのか女なのか分からないと作中で説明されており、それ以外で性別に関する言及はなかったのだが、単行本28巻のおまけページにて、裏梅は男性であることが明かされた。しかし、羂索との契約で氷見汐梨という女性の肉体に受肉しているとのこと。故に今までは性別不明のキャラクターとして描かれていたようだ。また、これにより、呪物と受肉体の性別が異なっていても受肉することが可能である事が判明した。ちなみに何故、受肉先が女性(氷見汐梨)なのかは明かされていない。また、秤との戦闘でさらしを巻いているかのようにも見えたが、五条に殴られた時の傷が癒えずにいる描写があった事からその傷で包帯を巻いているだけの可能性もあり、肉体の姿を氷見汐梨のままにしているかどうかは定かでは無い。
余談&考察(271話のネタバレ注意)
- 万の過去回想にて、裏梅の受肉前の姿が描かれており、服装は異なり若干髪が短い姿であった。
- 人外魔境新宿決戦においてのナレーションによる二つ名「凍星」は凍りついたように光が冴える冬の夜空の星という意味で冬の季語である。
考察
- 名前の由来は天満宮の神紋をはじめとした梅の家紋の一種の裏梅紋か、十二単の襲色目の一つである裏梅の可能性が高い。
- モチーフは飛梅伝説で語られる梅の木の精の紅梅殿ではないかと考察されている。
- 宿儺とは主従関係であり、作者からも裏梅は宿儺の手下であると言及されているが、271話の宿儺の語りを聞くと宿儺と裏梅は血の繋がっていない親子か兄弟のような関係でもあったのかもしれない。また、魂の通り道で宿儺は生前と変わらない姿だったが、裏梅は幼い姿に戻っていた為、その可能性はありえると考える読者もいる。
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268話、271話のネタバレ注意
新宿決戦の決着がつき、宿儺の敗北と死を察した裏梅は、もう終わりだと秤に告げる。戦いを通じて彼の実力を認めたのか「運が良かっただけか……俺にとっては最大級の誉め言葉だ」と返す秤に対して裏梅が「……ふっそうだな」と最期は笑顔となり、潔く君主である宿儺の後を追うように首が砕けて死亡。その後は魂の通り道に辿り着き、幼い姿に戻った裏梅が涙を流していたところを宿儺に連れられ、北へと向かった。