ハジケリストとは
ヘッポコ丸「さぁ?」
ビュティ「よかった!私一人だけおいてかれてるのかと思った」
一言で言えば、「最高にハジケた野郎共(=バカ)」のことである!
ハジケるとはどういうことか?簡単に言えば極限まではっちゃけることである!!
ボーボボ世界ではハジケ度合い=戦闘力であり、ハジケられない者は死を待つのみ。
対抗できるのは同じくらいハジケられるハジケリストのみ。
世界規模の大会が毎年開催されており、本編第1部の数年前に行われた決勝大会は大激戦だったらしく、生き残った者は僅かという。
ハジケリストの覇者=キング・オブ・ハジケリストと認められた者は『H』のイニシャルを象った首飾りを身に付けている。
毛狩り隊にも田楽マンや柊といったハジケリストが属しており、ハジケブロック基地というハジケリストを集めた基地も存在する。
また、ハジケ度数という独特の指標が存在し、どれほどハジケることができるのかを大雑把にだが測定することができる。
ちなみに現実世界ではアニメーション感想文コンテストでボーボボの感想文を書いて一般部門の最優秀賞に輝いたリアルハジケリストがおり、その人物の評では「カブキ(傾き)」に共通点を見出せるとしている(こちらのサイトで閲覧可能)。
難解ではあるが、ボーボボという作品の面白さを学術的に分析しており、読み応えのある文章となっている。
ハジケリストの能力
作中では主人公のバトルスタイルであるにもかかわらず具体的な説明が全くなされていない。
ギャグ漫画においてギャグの解説をすることほどつまらないものはないのでそれが正しいのだが、敢えて言うなら「ギャグ補正を戦いに利用する能力」というのが適切ではないかと思われる。
例えば目の前で爆弾が爆発したら、現実世界ならよくて重傷・悪ければ死んでしまうが、ギャグ漫画世界の住人なら体が真っ黒になって頭がアフロになるだけで済み、すぐ回復する。
そういった特殊な物理法則を戦いに応用するとどうなるか?
戦闘中も積極的にバカをやることによって、敵の攻撃を受けたりフレンドリーファイアをかましたとしても、それで内臓がぶっ飛ぼうが三寸切り込まれ大量出血しようがギャグだからセーフ、スリッパでペチペチと叩くような適当な攻撃をしても奥義と言い張ればギャグだから大ダメージといった状況を作り出せるのだ。
そうして相手を翻弄し完全に自分のペースに持っていったところで必殺技でトドメ、というのがボーボボの王道パターンとなる。
ハジケリストの強さは「ハジケの面白さ」に依存しており、例えば敵に押された状態で苦し紛れに出したハジケは大抵面白くないので逆転の一手にならず、ハジケリスト同士が戦うとつまらない方が負ける。
また、一見非戦闘員に見えるビュティも、目の前で起きているハジケにツッコミを入れたり乗っかったりすることで場の空気をギャグ方向に動かしており、ゲームで例えるところのバフ・デバフ役のような存在だと解釈できる。
「ハジケリストであること」と「ハジケを戦いに利用すること」はイコールではない。
例えばソフトンは自身がハジケることは滅多に無いシリアスキャラだが他人のハジケに乗っかることはあり、間接的にハジケで戦っていることになる。
「ハジケを戦いに利用できる」と認識し、その上で自分からハジケていけるのがハジケリストの条件なのだと思われる。
「そもそもなんでギャグを戦いに利用できるの?」という疑問に関しては、「そういうもの」としか言いようがない。
何しろ魚雷やところてんが当たり前のように意思を持ち戦う漫画なのだから……。
弱点
しかし「ギャグだからなんでもあり」というわけでもなく、意外と弱点も存在する。
まず挙げられるのがボケ殺し。
ギャグに対して真面目にリアクションしてしまうからハジケリストにペースを持っていかれるのであって、ギャグにまともに取り合わずスルーしてしまえば隙が生じず、素の戦闘力のみでの勝負となる。
作中ではボケ殺しの使い手自体がほぼ絶滅しているらしく該当者は魚雷ガールだけなのだが、厄介なことに本人はギャグキャラであり、相手のギャグ補正を無効化するくせに自分はギャグ補正を受けるというとんでもない特性の持ち主。
同様に、赤ちゃん化したヘッポコ丸のような相手の話を全く聞かないタイプや白狂のような純粋にやべーやつにもハジケ効果は薄い。
後は、シンプルに高い戦闘力があればハジケに対抗できる。
というのも、ボーボボたちの地力は決して高いレベルではなくハジケでそれを補っている状態なので、ペースを乱されずに力押しすれば崩れやすく、何度もハジケでは覆せないほどのピンチに陥っている。
例を挙げると、ボケ殺しである魚雷ガールにはハジケが通じず苦戦を強いられたが、その次の章ボスであるハレクラニはボケ殺しではなかったもののハジケ攻撃がヒットしても決定打になりきらず、やはり苦戦していた。
つまりこの頃には味方側は完全な力量不足に陥っていたことになる(この二人との対決は作品全体から見れば中盤に差し掛かったあたり)。
そして後に二人が再登場・共闘した際は、ボーボボたちもパワーアップしていたにもかかわらずインフレに取り残されることもなく「頼れる強力な仲間」として終始扱われており、かつての勝利は実力で圧倒的に勝る敵をハジケでどうにか切り抜けた結果だとわかるようになっている。
「ギャグだからなんでもあり」なのではなく、なんでもありの能力を使ってなおギリギリのバランスで成り立っているのがボーボボのバトルなのだ。
特にボーボボはこの戦力差をよく理解しており、要所要所でノリではなく意識的にハジケている。
なので戦闘力を持たず守らなければならないビュティが窮地に陥る状況ではギャグではなく普通に焦るシーンが多い(ビュティのことが心配なのはもちろん、ビュティというツッコミ役=マトモに反応してくれる誰かがいないとハジケも弱くなってしまい、それを意識するとさらに焦ってギャグを入れる余裕がなくなるという悪循環に陥る)。
首領パッチは真面目に戦った方が圧倒的に強いのだが、彼はハジケたいからハジケる生粋のハジケリストなので滅多なことではギャグをやめず、ボーボボたちもそれを咎めることはない。
もちろん度を越えたおふざけには制裁を入れるが、それすらも戦いに利用するのがハジケリストなのでお互いそれで納得しているのだろう。
そもそも真面目に戦う機会が非常に少ないので真の実力があまり知られていない可能性もある。
もう一つメタ的な欠点として、ギャグの面白さと強さが比例関係にある以上、ハジケリストが負ける際にはつまらないギャグを意識して描かなければならない。当然そんなことをすれば漫画自体の面白さを損ねてしまうので、戦闘時のバランス調整が極めて難しい。
当然ながら作者もこの欠点に気づいていたようで、「つまらないハジケリスト」が登場したのは連載終了間際のことであった。
ハジケ勝負
戦闘中に「奥義」として技にギャグを混ぜるのがハジケの基本だが、それとは別にハジケ勝負という定められたルールの下でお互いのハジケを競い合う戦いも存在している。
- エキスパートルール:所謂ネタ見せ対決。互いに自分のエピソードや指定されたお題などに沿ったネタをコント風に披露し合う。ボーボボと首領パッチの初対面時や田楽マンとの対決で用いられた。
- 茶道:ハジケリストの数少ない憩いの場らしく、ハジケブロックにも茶室が設置されているが、その実態は作法の中にどれだけハジケた行動ができるかという茶道そのものをブチ壊す対決である。
作中で明言されたハジケリスト
ボボボーボ・ボーボボ
「ハジケリストってのは 言葉で表現できるほど安っぽいもんじゃねえぜ」
言わずと知れた主人公にして鼻毛真拳の使い手。
アフロの中に異空間を宿した最強のハジケリスト。対戦相手をハジケないと死んでしまう魔空間「聖鼻毛領域」へと誘う。
首領パッチ
ハジケ組の首領にして世界屈指のハジケリスト。
ハジケ度数だけならボーボボをも上回る実力の持ち主。
田楽マン
元毛狩り隊Zブロック隊長。
彼も一応はハジケリストだが戦闘力は低く、敵だった頃も仲間になってからも弱い。
ハジケブロック基地の皆さん
毛狩り隊の中でさえ伝説の存在として語られ、その存在が秘匿され続けた基地の隊員全員。
ライス
「オレはハジケリストだ!! 純粋にハジケで勝負する!!!」
毛狩り隊に雇われたハジケリスト。首領パッチを倒して真のキング・オブ・ハジケリストになるべく勝負を挑んできた。
ただし、ハジケリストとしては意外とオンオフがハッキリしており、決まった時間でないとハジケリストとしての本気は見せない。そして本気でハジケると変態になる。
地雷ダンディ
魚雷ガールの父であり一流のハジケリスト。故人。
柊
「人生かけてハジけまくってるバカ達のことを人はハジケリストと呼ぶ」
第2部の時系列におけるキング・オブ・ハジケリストで、数年前のハジケリスト決定戦を知る人物。定義があいまいだった「ハジケリスト」を初めてまともに解説した。
ただし、彼本人がハジケリストたりうるかとはまた別の話であり、彼のハジケは自身の性癖。
しかもすでにギャグとして流せるギリギリの域にいたライスよりさらにアブノーマルかつ人を選ぶネタを押し付け、それを戦闘に利用し、そのくせ自分だけは安全地帯に退避する姑息さも見せるという、ハッキリ言ってつまらなく白ける不愉快なモノだった。
結局、いつも有利不利を無視してハジケる首領パッチにすら冷たく突き放され、ハジケなしのワンパンで沈められた。
この事実は字面以上に重く、首領パッチにこのような対応をされることはつまり「お前のハジケに乗っかるより普通にぶん殴ってさっさと退場させた方が面白い」=首領パッチをもってしても柊のノリを面白くするのは不可能、そしてそれを続けさせるとつまらなくなると判断された、つまりハジケリストとして戦う価値すらないとみなされたことになるのである。
連載終了間際に登場したキャラなので当初は「作者の才能の枯渇」と思われていたが、ハジケリストの能力の研究が進むにつれて「意図的につまらなく描いたギャグギャラ」だったのだと解釈されるようになった。
ハジケリストと思わしき登場人物
ところ天の助
「最新の研究データによると(ハジケリストとは)カップ焼きそばのかやくの一種という説も…」
元毛狩り隊Aブロック隊長。ボーボボや首領パッチと交戦したが、二人のボケ行動に一緒に乗っかっていたため、双方まともにダメージを受けることがなかった。
二人に比べるとまだ常識に囚われており、ツッコミに回ったり、よくとばっちりを食らったりする。ただし、「ぬ」または「ね」の字や豆腐などが絡むと結構ボケる。
中でもボボパッチにペースを握られた際の行動は、「ハジケとは何なのか」を端的に説明できる有効な事例となるのではないだろうか。
ハジケ組
首領パッチが率いる組織の構成員たち。全員が首領パッチに対して尊敬の眼差しを向けている。
残念ながらコパッチもナンバー2にいる若頭もハジケた行動はあまりしていない。
軍艦
ボーボボの幼馴染であり、似たようなボケとノリを見せる男。
キバハゲ
毛狩り隊Zブロック副隊長。通称キバハゲデュエルと言われる大激戦をボーボボと繰り広げた。
ハイドレート
マルハーゲ帝国皇帝ツル・ツルリーナ4世の弟で、裏マルハーゲ帝国の支配者。
地雷ダンディの弟子でもあり、慇懃で凶悪そうな言動とは裏腹にいざボーボボが対峙した時にはパジャマ姿というハジケぶり、さらには「足の裏真拳」なる作中でも類を見ないレベルのボケ技でボーボボ・毛狩り隊連合を一時壊滅の危機にまで追い込んだ。
そしてとうとう
そして2021年6月10日、とんでもない場所からハジケリストが登場した。
その名は何と
ところてんの日を祝うべく行われたツイートがあっという間にトレンド入り。
そして「ハジケリスト」が、なんとニュースカテゴリで1位を獲得。
釈明会見動画では、「プルプル真拳奥義」が何なのかA4用紙2枚で上司に説明したらしいが、ボーボボの世界観を2ページで説明できた(そして上司もOKを出した)という事実が、ハジケリストの実力を感じさせる。
更に、農水省と同じ日本の公官庁の一つである文化庁が、ボーボボの舞台版である
「超ハジケステージ☆ボボボーボ・ボーボボ」を文化芸術振興費補助金『子供舞台芸術鑑賞体験支援事業』の対象に指定。
「18歳以下の子供」を対象に無料鑑賞チケットを用意するというとんでもないハジケっぷりを披露した。
公式コメントによると
「本支援事業は豊かな人間性の涵養を図るとともに、将来の文化芸術の担い手や
観客育成に資することを目的としております」
との事だが、一部では
国家によるハジケリスト量産計画?
文化庁にもハジケリストいるんか
文化庁にしろ農水省にしろ、この国の中枢には相当数のハジケリストがいると…?
豊かな人間性の涵養ってハジケリストを育てるって意味だったんですね
等と言った、困惑と驚きの声が上がっている。