CV:千葉繁
概要
「新皇帝決定戦編」「闇皇帝編」にて登場。
地上から遥か真下に存在する裏マルハーゲ帝国を統べる闇皇帝。30歳。
3世編終了後、ツル・ツルリーナ4世主催の「マルハーゲ新皇帝決定戦」にて裏マルハーゲ四天王を地上に派遣させ、自身とべべべーベ・べーべべ、白狂の3人の闇世界からの封印を解くための12体の生贄を集めるよう命令。そしてボーボボらが到着した風雲マルハーゲ城にて封印が解かれ、浮遊城ヤミキングと共に10年ぶりの復活を果たした。
この時、4世を連れて来るように命じていたが当の本人が逃走したため、新皇帝ツル・ツルリーナ5世を名乗った。
ボーボボの宣戦布告にも応じ、自身は「地球改造計画」に取り掛かり、その間に部下達に闇独自の3狩りア「闇ルール『UP』」で相手するよう命じた。しかし実際は帝王としての実力を見せ付ける為に自身の力を充填していただけで、ベーベベ含む部下達はそのための時間稼ぎに過ぎなかった。
その後ボーボボらとの交戦では、自身の「足の裏真拳」のある意味驚異的な力でボーボボらを敗北に追い込んだが、カンチョー君や田楽マンなどの雑魚キャラの意外な活躍で形勢逆転になり、最後は怒んパッチとの交戦、ボーボボの鼻毛真拳3大極意「毛心一天」で敗北した。
足の裏真拳
自身の足の裏で攻撃する真拳。足の裏の悪臭を主な武器としている他、その臭気を利用して爆破技や敵の自由を奪う技にも発展させる応用力がある。
実は対峙した相手の真拳を文字通り一蹴して封殺するという極悪な特性があり、これを受けたことでハレクラニ・ソフトン・破天荒・絶望君が一撃で戦闘不能になった。
簡潔に言えば毒手の足バージョンである上に真拳=能力の無効化性質を兼ね備える毒ガスを脚から放ち、それを応用して足を媒介として念動力や蹴りをルーティーンとする攻撃を多数持つという十二分以上に凶悪で強力な異能。
奥義
- 爆滅導足端(ばくめつどうそくたん)
相手を足の裏で空中に持ち上げ、頭部を爆破する技。
- 王臭(おうさまのニオイ)
足の裏から、嗅いだ相手が足に関連した幻覚を見る程の悪臭を放つ技。
- 即死臭(そくししゅう)
足の裏を相手の顔面に押し付け、直接臭いを嗅がせる技。
- 蕩蕩足磋歎(とても大きな足になげくさま)
巨大な足の形をした衝撃波を飛ばす技。ハレクラニ達の真拳による攻撃をまとめて「一蹴」した。
- 廻附豺狼臭艶(おくりとどけるはけもののニオイ)
蹴りを放ち、周囲に衝撃波を発生させる技。
超最大奥義
- 誇張誇張総攬瞋恚(足の裏コチョコチョでくすぐり殺すさま)
足から怨霊のような物を出現させ、相手の足をくすぐらせる技。見た目はふざけているが、この技を食らったボーボボ達は危うく笑い死にかけた。
戦闘能力
はっきり言って異常。
本編ラスボスのビビビービ・ビービビは単純に強かったが、ハイドレートの場合は真拳メタとなる足の裏真拳が一番の脅威。
ギャグ全開の見かけとは裏腹に、真拳による攻撃は全く通用せず、真拳使いたちはボーボボを含めて攻撃自体まともにできていない。(少なくとも「奥義」レベルの技は通じる以前に発動自体出来ていない)
ダーク・ネクロスを装着したことで最大のネックだった足の裏真拳が使用不能(引きのカットを見ると鎧が足先まで覆っているのがわかる)になっても、怒んパッチの攻撃がほとんど通じないという防御力とタフネスも脅威の一つ。
ニャンニャンアーマーを破った田楽マンの攻撃にしても、OVER戦の時からため込んでいたパワーを全て用いての大技によるもので(ちなみにOVERとの戦いが始まったのは8巻。コミックス10巻分のパワーである)、怒んパッチ化にしても常用できるものではない。
これを踏まえて振り返ってみると、主力となる真拳使いはボーボボ含めてほぼ歯が立たず、非真拳使いもハンペン・絶望君は序盤で脱落しており、カンチョー君の不意打ちと田楽マンの大技でやっと鎧を一つ剥がせたという恐ろしい強敵である。
トドメも怒んパッチが全力で時間を稼いでいる間にボーボボが「毛深一天」を解禁、その一撃で一気に撃破まで持って行くというかなりギリギリの戦いであり、読者からは「戦う順番を間違えた裏ボス」との評価が上がっている。
…余談だが、ハイドレートの凶悪なオーラを感じ取ったレムが『3世様以上』『こんなヤツを出したら地上が崩壊する』と評価していたが、レムはツル・ツルリーナ3世の封印前の真の姿(100年前の姿=『真説』の時の姿)を知っていたはずなので、それを加味するなら3世様以上と称されたハイドレートは『真説』の時の3世より強い可能性すらある。
あくまで可能性があるというだけで実際は不明だが、本当にそれだけ強くてもおかしくないレベルであることは想像に難くない。
性格
ボーボボらが挑んできたボスキャラ(OVERやハレクラニ、ギガなど。初期は例外だが)は当然のようにまともな人格をしていたが、彼の場合は常人とはかなりズレた思考感覚を持つ人物で、部下達に対する思いが微塵もない冷酷な性格を持つ一方でボスキャラとは思えないギャグッぷりを放っていた。
ボーボボ達が彼のいる部屋に入って来たとき足でナイフとフォークを持って食事をしその後足でナプキンを持って口を拭いていた。(当然だがビュティに「逆に汚くない?」とツッコまれている。)
帝王の鎧として「ニャンニャンアーマー」という猫のデザインのパジャマを実戦で本当に着用したり、(しかも、それは首領パッチがバーゲンセールで買ったが結局捨てたものを偶然、現場に居合わせ拾ったもの。)さらにその服の中には油揚げのビキニ(もしくはブラジャー)身につけ、「油揚げうす塩」と書かれた褌をはいていた。この姿にビュティも「こいつ本当にこの闇シリーズのボスキャラなの!?」とつっこんだ程である。
最後に闇皇帝の鎧「ダーク・ネクロス」という、ようやく立派な鎧を身に着けたがこの時点で既にビュティにあきられている。ボーボボに倒された後の鎧の中も変人同然の格好が身に付けられており、サービスマンから「この男のサービス精神…見事!!」と賞賛された始末である。もはや彼がライスと同様の世界3大変質者の一人になってもおかしくない程である。
過去
実はハイドレートは4世の実の弟である。帝王教育と帝王としての生活を与えられた兄と違い、ハイドレートは生まれたときから貧相な服装に缶詰缶での食事などという下僕同然の生活を強制的に区別され、この時から兄に対する兄弟としての愛情の欲求と劣等感が生まれていた。
7歳の頃、自分の兄を守るための真拳を身につけるよう命じられ、3歳の魚雷ガールとその父親の地雷ダンディに「4世と対等に戦える真拳」を望んだにもかかわらず、「どんな地雷にもびくともしない強い足の裏が欲しい」と勝手に解釈され、半ば無理やり「足の裏真拳」を8年後の15歳頃に会得された。
しかし20歳頃、兄である4世の命令で突然闇の世界へ追放されてしまう。本人に問い詰めたハイドレートだが、「俺は帝王 弟など存在しない… まして足の臭い弟などなおのこと」と残酷な返答をされたことで兄への想いは憎悪に変化し、闇の世界へ転送された後は帝国に逆らった連中(後の裏四天王や裏ブロック隊長)と共に裏マルハーゲ帝国を築き、兄への復讐と地上の支配のために力をため続けた。
(闇世界へ追放される途中彼は自身の兄を殺そうとしたが、唐突に出て来た地雷ダンディに一蹴されている)
ちなみに地雷ダンディはその後ハジケリスト墓場の獄門長として登場しており、ハジケリストの肩書も持っているため、ハイドレートの奇抜なボケっぷりは師匠からハジケリストの精神を受け継いでしまった故なのかもしれない。