CV:松野太紀
概要
マルハーゲ(マルガリータ)帝国の四代目皇帝で、帝国の象徴として「毛狩り」を始めた人物(※ただし、ボーボボの故郷である「毛の王国」毛狩りを進言したのはビービビ)。
名状しがたい宇宙人か怪物の姿をした新妻・マコちゃんを娶っており、全キャラクターの中で唯一のリア充。
裏マルハーゲ帝国の皇帝であるハイドレートは自らの弟で、彼が新皇帝決定戦の途中に地上に現れた際には、その力を恐れて側近らと共に逃亡した。
戦闘能力
不明。
戦闘描写こそないが、サイバー都市の帝王ギガと同格らしい。
更に妻のマコちゃんから「宇宙エネルギー」を供給されているらしい。
作中では新皇帝決定戦の勝者を(勝てない戦いからは即座に逃げる性格であるにもかかわらず)まとめてねじ伏せる気満々であり、裏マルハーゲ帝国が出てこなければ本当に1人(あるいは妻のマコちゃんと2人)で返り討ちにするつもりだった模様。つまり最低でもOVERやハレクラニらを全部合わせたレベル、それこそ白狂レベルの強さはあると思われる。
性格
世界を支配するマルハーゲ帝国の皇帝だけあり、冷酷非情で敵対者には容赦がない。
その分人望については皆無であり、新皇帝決定戦では幹部がほぼ全員名乗りを上げたほど。
その反面、マルハーゲ四天王やサイバー都市などの勢力を束ね、複雑を極めるマルハーゲの統治体制を確立・維持しており、政治的な面では間違いなく有能。
その他、基本的に侮られる扱いの多いハジケリストを集めた専門の基地を設立し、当時最強のハジケリストだったライスを傭兵として雇用するなど、人を見る目は冴え渡っている。
幼少期には実弟のハイドレートを「格下」と見なし、奴隷も同然の扱いをしていた。この過去からお実弟に非常に怨まれている。
目立つのはプライドの欠如。
先代であるツルリーナ3世は皇帝としての自分に高いプライドを持っていたが、4世はその手の誇りなどは皆無。
相手が自分より強力であれば媚び諂ってでも利用し、隙あらばボーボボ一行との潰し合いを企む等々、皇帝にあるまじき小物である(ハンペン達隊長クラスが目覚めた際に戦場として「ネオ毛狩りランドMAX」を用意したが、内容は3世世代に特段有利なわけではなく、むしろボーボボ達に利用される場面も多かった)。
闇皇帝編では裏マルハーゲ帝国の乱入と共に、マルハーゲ帝国自体を見捨ててマコちゃん、側近のオクトパスカルと共に全力で逃げ出している。
最悪の「逃げボス」として
しかし、実は4世がもっとも厄介なのはこの小物っぷりにある。
時に威圧的にふるまい、時に媚び諂うその立ち回り方は、見方を変えれば自分の実力と器量を正確に把握・認識している本性の裏返しであり、ゆえに身の丈に合わない無茶や過信・慢心による自滅とは無縁。
とにかく保身に関してはズバ抜けており、「真説」では世界を支配した3世が4世世代の毛狩り隊にも攻撃の手を伸ばしていたが、マルハーゲ四天王やその関係者が次々と敗れる中、4世は影も形もなく物語の終了まで雲隠れを続けていた。
最終的に関東野菜連合の内通者だったピーマンと組み、宇宙ステーションを拠点に「大ピーマン帝国」を築き上げ勢力の拡大を続けていた事情が発覚している。
しかも、この事態を招いたのは闇皇帝編直後にボーボボが、破天荒の嘆願でビービビ討伐に向かったため=逃げ出した4世を完全野放しにしてしまったためであり、ここでビービビを倒したために 『彼の毛玉が3世に奪われネオマルハーゲが誕生→ネオマルハーゲと戦っている間に4世が勢力を再構築する』 最悪の選択ミスが発生してしまった。
放置するとどんどん勢力を大きくするが、倒そうにも対峙するまで持っていけない4世の立ち回り方は、基本的に正面対決しか選択肢のないボーボボ一行にとっては最悪の敵であり、スピンオフ(最終回で本編の後日談と判明)では毛狩り隊の勢力が盛り返して、どんどん拡大を続けている実態が語られている。
この結果、ボーボボはハジケの要である首領パッチを欠いた状態で、「真説」最終回で別れたビュティ・ヘッポコ丸との合流を余儀なくされ、またしてもレジスタンスとして戦う事態に陥っている。
ボーボボの場合、ギャグ要素も濃厚ながらも、バトルマンガの敵キャラである以上、主人公と対峙したが最後敗北は避けられない。
ならばどうするかの問いに対して「直接戦わずに勝ち逃げする」身も蓋もない答えを出して見せた、ある意味革命的なキャラとも評価(酷評)できる。
組織のトップとして
カリスマの類は皆無の4世だが、同じように小物っぷりを比較される後輩各と違い、4世は自分に人望がないのを前提に、徹底的にビジネスライクな関係を貫いてマルハーゲ帝国を動かしている。
4世世代の毛刈り隊は高い戦闘力を誇る3世世代と比較される他、実際に上位の隊長や四天王クラス以外はボーボボにあっさり蹴散らされている実状から、戦力そのものは十把一絡げの雑魚と扱われがちだが、4世世代の恐ろしさはそこではない。
下位のブロック基地や末端の構成員には、大多数のアルバイトを動員している構造から、
- 毛刈り隊の求人を出せばそれに応じる市民が大量におり、彼らを雇用するシステムがある
- そうして雇ったアルバイトだけで基地ブロックを運営し、毛刈りによる支配を続けられるほどの統制力がある
現状がうかがえる。
特に「アルバイトだけで部署一つを動かせる」構造が、どれほど異常な状況であるかは考えるまでもないが、他にも総合本部の最高司令官が世襲である(4世世代の最高司令官・テルは先代司令官の息子。「真説」で判明)など、その統治体制が少なくとも世代が一つ移り変わるほど続いている実状がわかる。
つまり4世の真の恐ろしさとは、一切不明な戦闘力ではなく、上述した「自身の人望のなさを弁えた戦略を立案できる、厄介極まる野心家」的性格と、人望のなさを逆手に取った組織の運営手腕、保身のためにそれらを躊躇なく切り捨てられる判断力にあると評価できる。
ピーマンと組んで新勢力を作り上げたのは前述したが、関東野菜連合の裏切り者であるピーマンはほぼ身一つであっただろう事情を考えると、大ピーマン帝国を立ち上げ毛刈り隊を再起させたのは、ほぼ4世の手腕であろうと思われる(ピーマン側から見ても「組めば得になる」と思わせるだけの材料が4世にあるのは確か)。
関連項目
鬼舞辻無惨:ジャンプ悪役の後輩。こちらも危機が迫ったらあっさり逃げ出す大ボス……だが、頭が致命的に悪いため不必要に敵を増やすの止まらず、不必要に部下を虐殺したりととにかく無能。