CV:玄田哲章
概要
初代火影・千手柱間が手にして以来、木ノ葉隠れの里が保有してきた尾獣。
目つきが悪く(ナルトからもよく指摘される)、体毛はオレンジに近い赤色。狐ではあるのだが、骨格は獣というより人間や鬼に近い。尾獣玉が最も有名な技だが、アニメ版では火炎放射や旋風なども披露している。
人柱力は過去に柱間の妻・うずまきミト、四代目火影およびその妻・うずまきクシナ、物語開始時点で主人公・うずまきナルトの体内に封印されている。チャクラの一部分は金銀兄弟にも奪取されているが(アニメ版ではソラも)、彼らは純粋な意味での人柱力ではなく、能力などに制限が見られる。なお、金銀兄弟の発言から、木ノ葉隠れの手中に入る以前は雲隠れが所有していたと思われる節がある(言葉を巧みに操る彼らの発言なので信憑性の程は未知数だが)。
木ノ葉を襲撃した際、ミナトによる封印間際に封印を防ぐべくナルトを殺そうとしたが、彼を守ったミナトとクシナに阻まれ封印される。その後12年間ナルトの体内で大人しくしていたが、ナルトが下忍になりチャクラを大量消費するようになると同時に封印が緩み始め、ナルト自身の怒りなどの感情に呼応して自らのチャクラを与えながら封印を弱めていった。
ナルトの2年間の修行の後も、事あるごとにチャクラを分け与え、利便性を覚えさせて力の解放に対する警戒心を解いてきた。そして度々暴走させており、怒りや絶望に駆られたナルトに自ら封印術を解除させようと画策していた。
うちはマダラのことを快く思っておらず「アレ(マダラ)に操られるぐらいならお前(ナルト)の方がマシ」発言し、マダラを追い払わせる為に自ら大量のチャクラをナルトに与えるほど嫌っている。
ナルトを六道仙人と重ねて見ており「ナルトはじじぃの・・」と意味ありげな台詞がある。尾獣達も同調しており、ナルトが何者なのかの詳細は、後に明らかになる。→ネタバレ
九尾のチャクラをコントロールすると、六道仙人のような姿になり、そのチャクラは生命力に溢れ、ヤマトの木遁などに影響を及ぼすほどである。
また、他人の「悪意」を感知することができる。この感知能力のおかげで鬼鮫の潜入やゼツの成りすましなどの問題点も解決している。
アニメ版では穢土転生で復活した音の四人衆の策略も見事に破り、シカマル達を救出に成功し、音の四人衆がナルトに一撃で倒されるなど感知能力も攻撃の威力も通常のそれとはかなり桁違いである。
尾獣の名前の元ネタは基本的にアジア伝来の妖怪変化や神話や伝説上の存在であり、本名の由来は数字の「九」にチベット語で聖人を意味する「喇嘛(ラマ)」を合わせたものが有力。もしくは、天狗で有名な「鞍馬」の当て字かあの人が元ネタとも思われている。
性格
初めてナルトとの対話をした際には圧倒的で禍々しい存在感を放ち、封印術で手を出せないながらも主を見下した尊大な態度でナルトを嘲るなど、凶暴性を秘めた冷徹な性格であった。その後もナルトの感情が昂ぶったり窮地に立たされると「チャクラを分けてやる」といった文句で誘惑し、封印術を解除させ、ナルトの肉体を乗っ取ろうとしていた。
第二部の序盤で「もうお前の力は借りない」と完全に拒絶されるものの、中盤でナルトから「いつかお前の中の憎しみも何とかしてやりたい」と満面の笑顔で宣言されてからというもの、急速にツンデレ化が進行。実際は捻くれていて素直ではない性質であったらしく、他の尾獣達には幾分柔らかい態度を取ったり、特に八尾などには軽い口論でも狸寝入りを決め込むなど頭が上がらないのが見て取れる。上記のナルトに対する冷徹さは長年自分を「強大な力を持つ災厄」として扱い続けた人間への不信感が原因であり、「どんなに時代が変わろうと、人間どもの言うことは皆同じだ」という嘆きとも諦めともつかない考えを持っていた。
穢土転生で蘇生しペイン六道と化した6人の人柱力達との戦闘の際、「人柱力(尾獣と共存)でいることを不幸だと決めつけるな」と言い、「尾獣達と対等の関係になりたい」というナルトの本心を受け止め、四尾を救う為に尽力する姿を見て和解。和解した後は自ら「ダチ」と言い、厳しい戦いの中で良き相棒となってナルトを支える意志を見せ、彼の体内から戦況を把握しながら適切なアドバイスを送ったりチャクラ供給を行っていた。カカシは「まるで隊長の様」と評し、嬉しく思っていた。
なお、ナルトが仙術の修行をしていた時、最後の仕上げとして実戦の中で仙術チャクラを補給する方法としてフカサクと融合する術を使おうとしたが、フカサク曰く「ナルトの中の九尾に邪魔されて失敗した」。
しかし、尾獣全ての力を得た「六道」の力を「六道仙術」と呼ぶのに加え、九喇嘛モードの時は自然エネルギーの吸収速度が上昇する事から、本来は尾獣の力と仙術は相性が良いものである。
つまり、この時フカサクの融合を邪魔したのは自然な反発ではなく九喇嘛のただの嫉妬である。後に九喇嘛自身も「ワシがいるのに仙術に頼るのが気に入らん」と漏らしている。
NARUTO NEXT GENERATIONS
ナルトの相棒兼相談役として陰から支えていたが、大筒木イッシキ率いる「殻」の襲来でその日々は終わりを告げる。
桁外れの力を振るうイッシキを倒すため、人柱力が尾獣を犠牲にすることで常識を超えた力を得る重粒子モードを、リスクを隠したままナルトに持ち掛け、見事にイッシキ撃破に貢献した。
だが戦闘後にその反動で消滅してしまい、ここで物語から退場することになった。
しかし...
強さに関して
九尾は尾の数で尾獣の強さを決める傾向があった事から、八尾からも「一尾の狸から特に嫌われていた」と評されている。
しかし、それだけの口を叩くだけの力があり、二・三・五・六・七尾の穢土転生人柱力と戦った際、バラバラに撃たれたそれぞれの尾獣玉は尾の一振りで全てはじき返し、5体の力を結集した合体尾獣玉は九尾単体の尾獣玉で相殺して上空に弾き上げる強さを見せた。これには八尾も衝撃の余波から必死に身を守りながら「やっぱ九尾、強えー!」と呟いている。
- ただし、この時二尾~七尾は白ゼツ軍団の生成にほとんどのチャクラを浪費されて、穢土転生体にチャクラを強引に縛り付けただけであり、完全体とは程遠い状態だった。九尾の方も陰と陽の半分に分けられた状態だったが、半分残ってる分有利だったのかもしれない。
その他
六道仙人の事は、ジジイと呼びながらも父親の様に慕っていたらしく、幼い頃に年老いた彼が尾獣達に別れを告げた際には、涙を浮かべ哀しんでいた。
最終話では、ナルトの中で昼寝をする様子が描かれている。
上の画像はペイン戦で見せた力を暴走させたナルトが8本の尾まで顕現させた際の姿で、毛のない巨大な九尾である。
陰クラマの方が穏やかな性質をしている様子が見られ、共に死神の腹の中に収まっていた波風ミナトに九喇嘛モードを提供するレベルにまでなっていた。
アニメ版での陰陽の九喇嘛同士の掛け合いは微笑ましいので一見をオススメする。
性格が穏やかになったので、チャクラの質が変化した可能性がある。
ちなみに、初期と比べ、毛並みと人間的なガタイが良くなり、頭蓋も猛獣や怪獣らしさが強くなった。隈取りも大きくなり延長した。
タグの表記揺れ
九尾の狐をモチーフとしたキャラクターは多数存在するので、NARUTOの「九尾」に関してはこちらの「九喇嘛」タグをつけることを推奨する。
関連イラスト
チ尾獣時代
それ以降
九喇嘛モード
関連タグ
関連・類似項目
- うずまきミト、うずまきクシナ(波風ミナト)、うずまきナルト:歴代人柱力。
- 大筒木アシュラ:最初の人柱力と思しき人物。ハゴロモの回想でナルトの尾獣モードに似た術を使っており、この時点で関連性が疑われていたが、原作者監修のゲーム版で「九喇嘛リンクモード」という名称が明かされたことで、何らかの形で九喇嘛の力を使えていたことはほぼはっきりしている。
- うちは一族:操られたり、狙われたり、閉じ込められたりするなど相性が悪い。
- ネタバレ:ある出来事が原因でトラウマの対象になっている、九喇嘛の。
- 宿儺(呪術廻戦):ジャンプ作品における主人公に宿る人外の後輩。こちらは出会いそのものは偶然で、両者の関係はかなり険悪(実際に主人公を一度殺害している)と九喇嘛とは真逆とも呼べる存在。
ネタバレ注意
TWO BLUE VORTEX
重粒子モードの反動で消滅した九喇嘛であったが、進化して自我を持った神樹の分裂体たちのリーダーである十羅が里に襲来したシーンにおいて、ヒマワリを人柱力として彼女の中で復活していたことが判明。
再生して間がないためか、ハゴロモによって創造された当時のような子狐の姿になっている。
尾獣の死は存在の消滅とイコールではなく、時を超えて発生する「因子」を核として再生復活を遂げる(実は「NARUTO」の時点で「尾獣は死んでもいずれ復活する」ことは何度も言及されている)。
ただし今回の九喇嘛の場合、消滅後わずか数年(デイモンの反応を考えると「全能」発動前のタイミングか?)というスパンの短さ、外界ではなく人柱力に封印された状態での復活、さらにその人柱力が前任者であるナルトの娘という不可解なケースであり、当人は「生まれつき九尾チャクラの一部を受け継いでいたのか、うずまきと日向の血が引き寄せた運命のようなものかもしれない」と推定している。
現時点では、ナルト同様怒りや悲しみを引き金に力を発揮する(その際、髪が尾のように逆立つ)。