概要
CV:津田健次郎
『殻』のリーダー・ジゲンの正体であり、かつて『NARUTO』の時代においてうずまきナルトやうちはサスケたちによって封印された、大筒木カグヤと共に地上へ降り立った大筒木一族である。
現在はジゲンとして『殻』を率いて活動しており、カワキを次の自身の『器』にしようと目論んでいる。
大筒木一族は日本の説話の主人公をモチーフとしているが、イッシキの場合は小さくする能力などから一寸法師がモチーフと思われる。
経緯
モモシキ・キンシキと同様、元々イッシキはカグヤと二人一組で行動しており、共に地上へとやってきたが、彼女が反旗を翻し奇襲を受けたことで半身を失う瀕死の重傷を負ってしまう。
死に掛けていたところを偶然居合わせた修行僧・ジゲンの肉体に寄生し、身体を乗っ取ることで生き延びた。
その後に改めて「楔」を刻んだが、ジゲンの身体は「楔」に適合しておらず、イッシキが転生しても三日と持たず寿命を迎えてしまう。
そこでイッシキの転生に耐えうる『器』を探す為、「チャクラの実」を得るという共通の目的の元に「殻」を結成。
大金で子供達を買い取っては『器』を選定する為の「楔」の適合実験を行い、その人体実験の末に自身の正統な『器』として見出したのがカワキである。
大筒木一族が星を食らう時は必ず二人一組で現れるが、これは十尾が神樹になるための条件が「生きた大筒木を食らうこと」であるため。
イッシキは元々カグヤを生贄とし、自身はチャクラの実が実るまで監視する予定だったが、カグヤの反逆を受けて計画は頓挫。
単独で神樹の植樹を余儀なくされ、「新たな大筒木」を作り出す計画に変更した。
「殻」の計画ではジゲンを十尾の生贄とする予定だったが、偶然にもうずまきボルトがモモシキの『器』となり強大な大筒木となる事が見込めたため、ボルトを十尾の生贄として確保する方針に変更し、カワキと合わせて捕縛に乗り出す。
人物
ジゲンの時と同じく白・赤・黒を基調とした衣装を羽織っており、イッシキのものはカグヤの着物をアレンジしたようなデザインとなっている。
大筒木一族共通の角は左の額から後頭部を巻くようにして右巻きに備わっている。
左目は白眼、右目には固有の瞳術を宿しているオッドアイ。
眉毛は大筒木一族共通の殿上眉ではなく独特の形状をした右眉が、あごには菱形の顎髭が生えている。
性格に関しては、ジゲンの時と比較すると一人称が「私」から「俺」に変化し、口調も粗暴なものとなりボルトら地球人を下等種と蔑むなど、転生した事で大筒木一族の傲慢な本性が露わになっている。
作中での動向
ジゲンの姿で長らく暗躍していたが、「殻」を裏切ったアマドと果心居士の策略によって消耗していた所を追い詰められ、やむを得ずジゲンを「器」とした転生を決行。本来の姿に戻る事ができたものの、「器」として不適合なジゲンで転生したためにその寿命は2、3日しかもたず、更には同一人格の重複を防ぐためにカワキの「楔」が消失。結果、バックアップがない=殺されたら終わりの窮地に追いやられてしまう。
転生で取り戻した圧倒的な力で果心居士を撤退に追い込むと、再びカワキに「楔」を刻み転生を可能とするべく木ノ葉へ来襲する。忍への尋問と民間人及び里に対する攻撃でカワキの居場所を吐かせようとするが、覚悟を決めたボルトの不意打ちの時空間忍術によって何処かの異空間へと飛ばされてしまう。
このままでは里に戻っては異空間へ飛ばされるイタチごっこになると判断し、ボルトと共にやって来たナルトとサスケを殺そうと三人に襲い掛かる。
ジゲンとは比にならない力で圧倒するが、ナルトが命を捨てる覚悟で解放した新形態・重粒子モードの発動で戦況は一変。
人柱力と尾獣のチャクラを原料にして生まれる「命を削るエネルギー」の攻撃を受け続けたことで、寿命がわずか5分にまで削り取られてしまう。
しかし、その土壇場で義手に宿っていたナルトのチャクラを通してカワキを探知し、時空間忍術で戦場に引きずり出す事に成功。
即座に「楔」を刻み込もうとするが、サスケの「天手力」と白眼の透視を阻害する粉塵に妨害され、またも見失ってしまう。
「器」を求めて絶叫するがカワキが出てくることはなく、もはや猶予のなくなったイッシキはナルトを人質にしてカワキをおびき寄せ、「楔」を刻印してしまう。
ここで寿命が尽き身体が崩壊し始めるが、「器」の存在する今ならばまた転生できる…はずであった。
だが、刻んだはずの「楔」が突如消え失せてしまった。
狼狽するイッシキの前に、岩陰から「本物の」カワキが現れる。
イッシキが捕まえ「楔」を刻んだのは、ナルトのもとで過ごす中で習得した忍術―――影分身。
「器」に拘り過ぎ、時間がないことへの焦りからあまりにも単純な囮に気づかず引っかかった、イッシキの完全なる敗北であった。
身体の崩壊でもはや喋る事も立ち上がる事もままならなくなったところを「器」でしかなかったはずのカワキに踏み砕かれ、ついに死亡した。
全ての「器」を失い魂もそのまま消えるはずであったが、部下の一人であるコードに刻んでいた白い楔は「器」として機能しなかったために消滅を免れており、最期に彼の元へ魂として行き着いた。
魂が消えるまでの間際に自身の死の経緯と今後の行動指針をコードに伝え、「大筒木の意志」を託すと今度こそ消滅した。
能力
戦闘能力は「器」であったジゲンの時とは桁違いであり、転生が完了し「楔」が消失したことで術の吸収はできなくなったが、後述の通り「少名毘古那」で術を含めた物質を瞬時に縮小出来るため問題にはなっていない。
加えて九喇嘛モードや完成体須佐能乎を圧倒していた体術が更に強化されている。
使用術
楔(カーマ)
大筒木一族の呪印。術者の存在を複製圧縮して「器」に刻み、時間をかけて楔を解凍することで、その「器」に転生することができる。
なお、一人の大筒木が複数の「楔」を刻むことは可能だが、転生に成功するとそれ以外の「器」の「楔」は消える。
封印術(名称不明)
転生前のジゲンの時に使用。
巨大なお椀型の棺を出現させ、封印対象のサイズに合わせて縮小させて閉じ込める。
この時の自身に残されたチャクラ量とナルトの九喇嘛由来の回復力との兼ね合いから妥協として使われた。
白眼
大筒木一族共通の瞳術。
イッシキの場合は左目のみに宿っている。
黒眼
右目に宿る瞳術。
白眼・写輪眼・輪廻眼のいずれにも該当しない第四の瞳力で、黄色い瞳に車輪のような模様が浮かんでおり、発動時は眼の中心に黄色い玉が光り浮かぶ。
長らく名称が不明だったため、ファンの間では「法輪に見える」とも言われていたことから「法輪眼」とも呼ばれてもいたが、公式サイトにて正式名称が判明する。
また、自身の寿命を可視化して視認する場合にも使用している。
- 秘術・少名毘古那(スクナヒコナ)
右目の黒眼に宿る固有能力。
視認した物質を瞬時に「縮小」「復元」できる。
サスケの動体視力でも見切れる否かという恐るべき速度とノーモーションで使用可能という奇襲性が強み。
自身を除く生物以外ならあらゆる物質を縮小できる。
ジゲンの時とは性能が桁違いに上昇しており、弱点であったチャクラ量が解消され、「チャクラ由来」「自然由来」「物質由来」関係なく攻撃を瞬時に縮小するほど。
瞳術である為に対象を視認する必要があり、視界を遮られるとその向こうの物体には使えなくなる。
- 秘術・大黒天
右目の黒眼に宿る固有能力。
「少名毘古那」にて収縮した物体を「時間の止まったどこかの異空間」から元のサイズで取り出す。「少名毘古那」同様に術の奇襲性に優れ、大質量の物体をノーモーションで降り注がせることが可能。
詳細不明だが巨大なキューブを所有しており、脅威的な強度と重量を誇る上に感知能力を阻害する性質まで備えている。これを「大黒天」で使用することで、武器として落とす以外に敵のチャクラ感知を乱すことも出来る。
このように戦闘時は少名毘古那と併用して使われている場面が多いが、大黒天単体での使用も可能で、鮮度を保ったままのディナーや飲み物も自由自在に取り出せるなど非常に汎用性に富んでいる。また対象が生物だった場合は実質的に封印状態となる。