「我は安寧秩序を成す者……名をハゴロモと云う」
「忍術では無く忍宗だ。儂の忍宗は希望を作り出す為のものだった。戦いを作り出す忍術と混同してはいかん」
「つーかそれは言い過ぎじゃね?宇宙人って何だよアハハ! つってあんま変わんねーか」
「あ マジ?ならこんな感じでいくんで夜露死苦!…つって!」
プロフィール
概要
忍の始祖で、生まれながらチャクラを持ち、チャクラの真理を解き明かした忍宗の開祖であり、嘗て荒廃した世界を泰平へと導いて救った救世主である伝説の僧侶『六道仙人』その人であり、「大筒木ハゴロモ」は出家する前の本名である。
頭部の角や灰色の肌等、人間離れした外見が目立つ。原作において、それまでは回想にシルエットのみ登場するものが殆どだったが、うちはマダラに尾獣九喇嘛を引き抜かれ、瀕死の状態だったナルトの精神世界にて初めて本格的に登場した。
忍の神として崇められた全ての始まりの人物とされており、乱れた世界に安寧と秩序を齎す創造神とも、世界を無に帰す破壊神とも伝えられ、実在した事さえ曖昧な神話の様な存在である。
三大瞳術の一つである血継限界・輪廻眼の最初の開眼者にして、体内に尾獣・十尾を宿した最初の人柱力。
人物
厳つい悪鬼の様な外見に似合わず、何よりも平和と協和を尊ぶ人格者。
自らが生み出した尾獣達の事も自分の子供の様に可愛がっていたらしく、彼の死の間際にはあの九喇嘛すら涙を流して悲しんだ程、彼等からは慕われていた。
息子のインドラとアシュラのどちらかを後継者に選ぶ際にも、個人の力のみを重視するインドラではなく仲間との絆を重視していたアシュラを後継ぎに指名する等、後述の「忍宗」の思想がそうである様に単純な力だけでなく他者との繋がりこそが重要だと考えていた事が窺える。
厳格且つ頑固そうに見えて相手に合わせて対応を変えられる柔軟さも持っており、ナルトと対面した当初は荘厳な雰囲気で、かなり古めかしい言葉使いと哲学的な言語を多用した喋りであった為、難しい表現が苦手なナルトを混乱させたが、そうだと気付くといきなり軽いフランクな喋り方に変えている(記事冒頭の3、4番目の台詞がその時のもの。ナルトは最初よりその方が話が分かった様だが、余りにも外見と合わないので、その後に微調整を促している)。
本人は既に故人であるが、亡くなった後も戦乱が続いてきた世の安定を願い、長い間チャクラのみで現世の行く末を見守り続けてきた。
忍宗
彼曰く、『忍宗』において、チャクラは“個々を繋げる力”であるとして、個一つだけの力を増幅するものであってはならないと説いており、自身はそう信じているという。また、自身が説いた忍宗は、世に希望を作り出す為に説いたとし、戦いを作り出す忍術と混同してはならないとしている。
本編の活躍
アニメオリジナルストーリーでは若い頃のハゴロモ、ハムラが登場している。
少年時代
チャクラを最初に手にした大筒木カグヤと皇子テンジの息子として生まれた。
そんなある日、田に引かれる水が減っていて困っていると村人からの依頼でハムラと共に川の上流を調査に向かう。
川を堰き止めていた大岩を壊すと言葉を話す若き頃の大蝦蟇仙人ことガマ丸と出会う。
彼から「この地を潤沢にさせていた神樹だが、実際には大地のエネルギーを吸い取っており、着実にこの地は衰退している」、「真実が知りたければ神樹がある峠の向こうを見に行く事だ」と聞かされる。
帰ってくると各地を回っており、カグヤに販売許可を求める薬売りと出会うが、ハムラの白眼で薬草は偽物と見破り手荒く追い払う。
しかし、ハゴロモは彼の事が気になり、1人で薬売りの後を追う。
チャクラによる治癒能力で薬売りの持病であった腰痛を治し、見返りに彼から各地での母の評判を聞いたところ「カグヤが行っている神樹に民を生贄にする行い(しきたり)に反対する民が反乱を起こしている」、「反乱を沈める中、カの国の者を皆殺しており暴君と恐れられている」と聞かされた。
暫く経ち、しきたりとして向かっていく民衆の中に仲の良かった少女…ハオリが居た事、カグヤにしきたりを止めるように懇願するが拒否された事で、ガマ丸の言葉に従いハムラと共に峠に向かう。
峠を越えてついた神樹が眠る地で、ハムラの白眼は見たのは神樹の根に縛られた無数の人々の繭。
根の隙間から地下へと進み、大量にあった繭の1つを切り開いた所、中から出たのはハオリの遺体であった。ハゴロモは慟哭し、その悲しみから写輪眼を開眼。
その後、2人はガマ丸に導かれて妙木山にやって来た。
彼が所持する水晶玉からカグヤの過去、無限月読、神樹による周辺土地の衰退を聞かされる。
ガマ丸が2人に接近した理由は、夢で2人がカグヤと戦う予言を見たからであり、カグヤの力に対抗する為にガマ丸は仙術を披露し、ハゴロモは仙術を会得しようとこの地で修行をする。
カグヤとの戦い
修行に励むハゴロモは、母譲りの六道の力もあってか、凄まじい早さで仙術を会得。
連絡蝦蟇からハムラとの連絡が取れなくなったと言われ、里に戻り、里の人々を戦いに巻き込まぬ為に外へと避難させ、カグヤがいる屋敷に向かう。
それに先立ってガマ丸から回復用の仙術の札を貰い、カグヤと対峙。
カグヤは自身の過去、そして彼女の迎えとして来る者達と対抗する為に、神樹を使って兵士を生産していた事を明かす。
ハゴロモは当然の様に反対するが、息子達に裏切られた彼女には届かず、操られたハムラと対決される。
操られたハムラに防戦一方だったが、覚悟を決め、「仙雷の穿手」でハムラを貫き彼を正気に戻す。
正気に戻ったハムラを仙術の札で回復させ、彼もその札の効果で仙術を獲得。
ハゴロモもこの戦いで写輪眼が輪廻眼に変化、額にも万華鏡写輪眼に近い性質を持つ模様を開眼させた。
業を煮やしたカグヤは神樹を操り、十尾として息子達と対決。数ヶ月に及ぶ死闘の末にカグヤを六道・地爆天星で月という封印石に封じた。
戦いを終え、神樹に縛られた民衆を解放させ、十尾を9体の尾獣に分け、己の内へと封印し史上最初の人柱力となった。
ハムラは月から母の様子を見ると告げ、月へと旅立った。
カグヤとの戦いの後
カグヤとの死闘で滅茶苦茶になった地上の修復と尾獣の安住する地を探しに旅を出る。
極力チャクラを使わず地上の修復をしている内に、その姿に協力する者、ハゴロモを師と崇めて弟子入りを懇願する者、彼を慕う者が集まっていく。
弟子となった者には自身が持っていたチャクラを分け与え、忍宗を広めながら各地を渡り歩いた。
忍宗は弟子達に任せ、尾獣達の居住地を決めた後は自分の村に帰郷。
妻を娶り、2人の息子インドラ、アシュラを授かる(妻は産後に急激に体調を悪化して死んでしまう)。
モデル
名前の由来は、日本の有名な古典である『竹取物語』からであり、主なキャラ造形のモチーフは恐らく仏教の開祖である釈迦(ゴータマ・シッダールタ)、もしくは修験道の開祖である役小角と思われる。
血縁関係
母・大筒木カグヤ
弟・大筒木ハムラ
息子(長男)・大筒木インドラ
息子(次男)・大筒木アシュラ
子孫
・うちは一族(うちはマダラ/うちはオビト/うちはイタチ/うちはサスケなど)
・うずまき一族(うずまきミト/うずまきクシナ/長門/香燐/うずまきナルトなど)/
羽衣一族(ハゴロモの名を冠しており、家紋が千手と同じ意匠を持っている為千手の血縁と考えられる。)
中でもマダラとサスケはインドラの、柱間とナルトはアシュラの転生者である。
・金銀兄弟(金角/銀角)
傀儡の術の初代操演者・モンザエモン(大筒木一族は傀儡の始祖である為、彼も含まれている可能性があるが不明