概要
木ノ葉隠れの最強血族。
写輪眼という特殊な眼を持っていることが特徴。
一族は代々『火』のチャクラ性質を持っており、火遁系の術を得意としている。
木ノ葉隠れ創設時のメンバーで戦国時代において千手一族同様、非常に強い一族だったとされる。
本編開始前に一族はイタチによって滅ぼされ、現在はイタチとサスケだけが生存している状態である。
火遁系の術と相性が良い事から火を煽ってその勢いを強める「うちわ」を一族の名の由来とし、家紋もまたそのうちわを模したものになっている。
また、譬え写輪眼を発揮できていなかったとしても、火遁・豪火球の術が使えるのならば“うちはの忍としては一人前”であるとされる。
血継限界
相手の術をコピーしたり、チャクラを色で見抜いたりできる特殊な眼。
うちはの血を持つ者が大きな愛の喪失や自分自身の失意にもがき苦しむ時、脳内に特殊なチャクラが吹き出し視神経に反応して開眼する。術者が未熟だと巴の数が三つ未満で開眼してしまううえ、自力発動が難しくなる。その場合再開眼の条件が変化するらしく、うちはサスケはうちは一族族滅時に無自覚に開眼しており、その後、波の国の白戦で極限の集中状態に陥った結果二つ巴で開眼、里抜け後ナルトを「対等の敵として殺す」と決めた際三つの基本巴となり、真に開眼している。一方うちはサラダはサクラが母親ではないと勘違いした際のショックで一つ巴で開眼、その後割と自由に発動しており、成長に伴い巴が増えていくなど個人差がある模様。
写輪眼を持つ者が「最も大切な人間の死を経験する」(正確にはそれに匹敵するほどの精神的ショックでも可能(うちはサラダが該当)だが、基本的には縁者の喪失が多い)事で開眼する。
眼を見たものを幻術に陥れる事が出来る。術が強力であればある程発動が難しく、チャクラ消費量も増える。しかし、幻術を乱用しすぎると失明に陥るリスクを持つ。
他のうちはの眼を奪い移植する事で失明しない万華鏡写輪眼を持つ事が出来る。
条件があるらしく他人のものよりも血縁の物の方が成功率が高いが、それとて確実ではない
写輪眼による瞳術には、主に日本神話や神道に登場する神々や神器の名称が使われているのも特徴である。
特徴
外見は黒髪黒目(写輪眼は赤目)。また顔立ちが整った者が多い。
本来は家族や仲間への愛情が非常に強く深い心優しい一族であるが、それゆえに家族や仲間など愛するものを失ってしまうと、悲しみ憎しみや怒りを爆発させやすい傾向にある。
それ故に戦国の頃などは心を律し、必要以上に残酷に振る舞うものが多かった。
さらにうちは一族特有の血継限界である写輪眼が、強い悲しみや苦しみ、不幸、自身への失意によって強化されるという特徴から、一種の精神疾患を起こし闇堕ちする者も多い(誰が呼んだか「一族総精神病」)。
事実、本編でもサスケやオビトが身内や仲間への愛の深さが裏目に出て闇堕ちしている。過去にはマダラも、イズナを失った悲しみや柱間に対する執着、他のうちはから敬遠されてしまった事などにより、里を抜けている。
闇落ちしたうちは一族の者の力や意思の強さは尋常ではなく、過去に多くの敵キャラを時に体当たりで説得し、彼らの心を救い仲間にしてきたうずまきナルトですら、うちはサスケを救うのにはかなりの時間を要している。また、その目的が世界の平和や人々の幸せを願うものだったりと必ずしも邪悪と言い切れない側面も多く、ゆえにそれぞれが確固たる信念を持っているだけに非常に対応しづらいものがある。
本編において、うちは一族は非常に強力な力を秘めた一族とされるが、そのために妬みや嫉みを買ってしまう事や、過去の確執による木ノ葉上層部からの圧迫、うちはシスイの死などが原因で、里に対する不満は若人達(ヤシロ、イナビ、テッカ)などにより「木ノ葉上層部へのクーデター」という結論へ煽動されていった。しかし、この計画は二重スパイになっていたうちはイタチの存在と、その協力者の行動によって瓦解する事になる。
イタチは幼い頃から世界を隔たり無く見ることができ世界の平和を望んでいた、火影にふさわしい男だった。しかし、友との約束を守るためや、平和のため、サスケへの愛情深さ故に、一族抹殺の任務を受けるという手段を選んでしまう。だが、当時13歳とかなり幼い年齢であったことや、優しい彼が任務で肉親を手にかけることになってしまったことでかなり精神的に追い詰められていたと推測されるため、視野狭窄的な考えに陥ってしまうのも仕方ないとも言える。
まさに
を地で行ってしまっている一族である。愛なら仕方ない
扉間も「うちはほど愛情深い一族はいない」と評する一方で、「うちはには確かに繊細な者が多く強い情に目覚めた者はほぼ闇にとらわれ悪に落ちる」と評価をくだしている。
合理主義者である扉間が一族を注視したのも必然的だろう。愛情と憎しみは表裏一体であり様々な愛の関係を示してきた作中において、愛は深ければ深いほど無くした時に深い憎しみも生まれてしまう諸刃の剣である、という一種の「愛」に対するアンチテーゼだと言える。
そんな愛が深すぎる彼らだが、前述の通り本来は愛情深い一族であるがゆえに、時に扉間の部下であるうちはカガミや、イタチの親友であるうちはシスイのように、一族の枠を超えて国や里のために尽力する者も存在しており、うちはを警戒していた扉間でさえその部分は認めている。味方に付けてしまいさえすれば、大きな献身と戦力を得られるのは間違いない。
滅亡の経緯について
最終的に木ノ葉の里へのクーデターを目論み、反逆者として秘密裏に滅ぼされたうちは一族だが、そこまで至った経緯はいくつかの要因が絡んでいる。
- 1.扉間による消極的隔離政策
うちは一族は上述した通り、愛情深い性質が裏目に出て暴走しやすく、さらに頑固になりがちなため敵に回すと非常に面倒なことになる。
これを憂慮した二代目火影・扉間は、里の治安維持を一手に担う警務部隊を設立した上で、その部隊をうちは一族専用の業務とする形で信頼を示したが、これは同時に、
- 綺麗ごとの通らない政治的な部分から遠ざけ、万華鏡写輪眼の発現を防ぐ
- 精神的に不安定な状態で政治に関わることを防ぐ
- うちは一族=警務部隊という図式を作り上げ、監視監督を容易にする
という意図があった。
実際このやり方は図に当たり、うちは一族は里の人々にとってエリートの代名詞となり、尊敬を集めていた。
また扉間自身も、うちは一族は「血族のしがらみがなければ頼りになる」と評価し、志ある者は積極的に登用していた。
だがその一方、これは一国一里のシステムが成立する前の、一族単位でまとまっていた戦国時代(=一族のみでコミュニティを形成し、それ以外はみんな敵という構造)を部分的に再現するような形にもなっており、元々内輪でまとまり、闇落ちしやすいうちはの忍に対しては後々逆効果になった面もある。
- 2.事情を知る者の減少と後任の失策
扉間亡きあとはヒルゼンが火影の座を受け継いだが、時代が下るにつれて扉間の政策の意図や、うちは一族の性質を正確に知る者が減少したことで状況が変わる。(穢土転生された扉間自身が語るまでサスケや大蛇丸が知らなかった辺り、事情を知る者が誰もいなくなった可能性が高い)
扉間の政策は創設期のゴタゴタや、戦国期における千手一族とうちは一族の対立関係、マダラという特大の火種への警戒の意味が強く、当時はうちは一族もその辺りをちゃんと理解していたと思われる。
だが背後事情を知る者は時代の変化につれていなくなり、結果として「色々な一族が混ざり合う里」と「なぜか一まとまりになっているうちは一族」という構図が現れ、それは徐々に「木ノ葉の里とうちは一族」という形へと変化していった。
扉間によるうちはへの警戒の意図を理解していたのはヒルゼンら「扉間班」の面々だと思われるが、後任のヒルゼンは扉間の政策をまんま引き継いで維持してしまい、ダンゾウは逆に師の姿勢から「うちは=危険因子」との認識を持ってしまい弾圧に踏み切っている。
この時点で千手兄弟の意志は途絶え、再び「千手とうちは」という対立構造が浮上し始めた。
- 3.オビトの暗躍とミナトの死
それでもそれだけならばまだ「里内のゴタゴタ」で済んでおり、ヒルゼンの姿勢や、後を引き継いだミナトの存在を考えれば、この対立構造を解消する希望はあった。
これを完全に潰したトドメの一手が、「月の眼計画」を実行すべく十尾復活を目指し、そのために必要な九喇嘛を狙ってクシナを襲撃したうちはオビトである。
オビトはクシナから九喇嘛を引き抜き、万華鏡写輪眼で操り里を攻撃したが、ミナトによる屍鬼封尽で阻まれ失敗している。
しかしこれにより、「写輪眼でなければ制御不能な九尾の暴走」「対立構造を収められるはずだった四代目火影の死亡」という、どちらにとっても最悪の結果が発生してしまい、ヒルゼンがつなぎとして火影に再任した(=タカ派筆頭のダンゾウが再び意見を言えるようになった)ことで里とうちはの溝は修復不能なほど深まってしまう。
おまけにこの時、ダンゾウの手回しで警務部隊は里の防衛に専念するよう命令が下っており、しかもそれが周知されていなかったために「里の危機にうちは一族が揃って不在」という怪し過ぎる状況が作られていた。
この結果、里の復興においてうちは一族の居住地は一か所にまとめられ、差別的隔離が始まったことでついに溝は亀裂となり、警務部隊の存在は「体のいい飼い殺し」でしかなくなった。
これに加えて、マダラに扮したオビトが潜り込み、創設期の話を伝えたことで傷つけられたプライドが暴発。
オビトを通じて齎された戦国時代の空気に飲み込まれ、「千手に主権を奪われた悲劇の一族」という自認を持ってしまった。
- 4.最悪のタイミングでのクーデター計画
こうなると、うちは一族から見れば彼らのおかれた現状は「千手の支配する敵陣の中で孤立した状態」であり、必然的にそこから抜け出そうとする考えが働く。
フガクを持ち上げ主権を取り戻そうとする(=敵陣を突破し安全を確保しようとする)一派の声が高まるにつれて、イタチやシスイ、当のフガク本人も含めた穏健派の意見は排斥されるようになっていく。
ことここに至って、ついに「里とうちは」という歪んだ構造は完全なる敵対という最悪の結実を迎えてしまう。
だが一族単位で動くうちはに対して里の動きは速く、先手を打ち続けて動向を監視。
ヒルゼンはどうにか事を収めようと手を尽くしたが、ご意見番二人とダンゾウの強硬意見は彼一人では抑えきれず、高まり続ける対立の機運はもはや止めることが出来ない。
だが、クーデターだけは何としても実行前に止めなければならなかった。
そんなことになれば、人的・物的ダメージのみならず、里の人々からの上層部への疑念を招く上、火の国からの里への信頼も大きく傷つき、防衛力である里が揺らげば当然他国の目に留まる。
加えてこの当時は第三次忍界大戦の終戦から時間があまり経っておらず、情勢不安の中でそんな愚行を犯せば他の里が攻め込んで来るのは自明の理。
そしてそうなれば結末は見えている。クーデターが失敗すれば無論根絶やし、成功しても揺らぎに揺らいだ里と共に他国に滅ぼされてしまう。身内を裏切る一族を他国が信用するはずがない。
つまるところ、クーデター計画が進み始めた時点で、うちは一族の滅亡は不可避となったのである。
里と共に滅ぶか、うちは一族だけが滅ぶか、その違いだけだった。
そしてクーデター実行前に止めなければならない都合上、里の人々にはうちは一族が叛意を持っていたこと自体知られてはならない。
その結果が、その認識を同じくするイタチに全責任を背負わせた上で、サスケだけは見逃すという条件での一族抹殺だったのである。
そして、第四次忍界大戦を以てうちは一族はサスケ一人を残して途絶え、対立関係の片方が消滅するという形で「里とうちは」の関係性は解消されることになった。
余談
その闇落ちしやすい性質故か一族そろって顔芸率が非常に高く、ナルトスではコラ素材の犠牲にもなりやすい。…というか完全にナルトスの主役なのだ…
また、妙に韻を踏んだ台詞が多いため「うちはラップ」の存在もあり「ラップに憑かれた一族」という呼称も。
一族一覧
主要な人物
うずまきナルトのライバル。物語の最重要人物で、本編のもう一人の主人公と言える。
サスケの兄。うちは一族を皆殺しにした大罪人。
うちは一族最強の男。
千手柱間とともに里を興したが、のちに里を滅ぼそうとしたため
「終末の谷」で柱間に粛清された。
カカシに左目(写輪眼)を託し、任務中に死亡したと思われてたが…。
イタチの親友。別天神(ことあまつかみ)と呼ばれる写輪眼を持つ。
うちは一族が滅ぼされる事件の少し前に死亡した。
イタチが殺したのではないかと疑いがかけられるが…。
マダラの弟。
戦乱の中で扉間に殺害された。
千手扉間の弟子。シスイの祖父。
本来存在しないはずのうちは一族。イタチに心酔しサスケの命を狙う。
その正体は免疫疾患により拒絶反応を起こさない特異体質の無関係の他人
それ故に大量の写輪眼を培養して埋め込んでいる。
その他人物
サスケ、イタチの父。
兇眼フガクと呼ばれるほどのやり手でマダラの再来と言われるほどの凄腕だったらしい。
我が子と戦う事を拒否し、イタチの選択を尊重、無抵抗で殺害される。
サスケ、イタチの母。
フガクとともに無抵抗でイタチに殺害される。
イタチの幼馴染。
結末がアニメ版と小説版で異なり、アニメ版においてはイタチに協力していたマダラにより殺害。小説版においては族滅実行直前に月読に掛けられ「イタチと結婚し幸せな人生の果てに老衰で死ぬ」という幻を一瞬で体感、精神ダメージによる衰弱で死去する。
マダラ、イズナの父。
良くも悪くも戦国の男
など。
血筋としては、忍の始祖である六道仙人の息子、大筒木インドラの子孫にあたる。
祖先
うちは一族の始祖。
人々を力で束ねようとした。
インドラの父。別名、六道仙人。
彼がインドラに与えた瞳力と精神エネルギーが、うちは一族の力の根幹となった。
ハゴロモの母。全ての忍とチャクラの始祖。
BORUTO
サスケの妻。旧姓での春野サクラ。
そのため血縁上はうちは一族ではない
最終話に登場したサスケとサクラの娘。うちはの写輪眼と母譲りの怪力を併せ持つ。
関連人物
関連施設
- うちは警務部
二代目によって組織された部隊。牢獄も併設されておりうちは一族が中心となって活動していた。
- 南賀ノ神社
うちは一族の氏神を祀る神社で名の由来は近くを流れる川から。一族存命時から無人なのかうちは一族から神職を招いていたのかは不明。
うちは警備部同様神羅天征後も再建はされていない。
写輪眼を用いて開けることができる地下空間にはうちはの石碑がありマダラの時代以前から存在する(1部の描写では畳の下に木製の蓋で隠されていたが、そのさらに下に封印石があるのかは定かではない)。