大蛇丸
おろちまる
「ありとあらゆる全ての術を… そして真理をこの手に入れる為には長い長い時間が必要でね…」
「木ノ葉は必ず 潰してあげるわ」
幼少より、忍の才は抜きんでており、数十年来の逸材として将来を嘱望されていた。その実力は忍の域を超えたところもあり、天才忍者はたけカカシですら、対峙した際はその殺気だけで自分の死をイメージさせられた。
目的の為にはどんな犠牲をも厭わない残忍な気性の持ち主だが、部下にはカリスマ的に支持されている。
本来の性別は男だが、オネエ言葉で話す(怒ると若干荒らげた口調になる事がある)。幼少時は普通の口調だったので何故女のような口調になったのかは不明。
三忍として忍の頂点の一人に君臨する彼であるが、うちはイタチの方が自分より強いことを認めている。しかし、自来也に対しては、相性の問題なのかイタチが「鬼鮫と2人がかりでも良くて相打ち」と言っている(単行本では「月読に続いて天照まで使わされては」と疲弊を理由とした撤退に置き換わった)ことから、実際この三者の中で誰が最も強いのかは不明である。暁は大蛇丸に手を焼いていて、両者の関係は険悪。
「忍者とは忍術を扱う者」という見解を持ち、術の開発や修得に余念がない。しかし全ての術を知るためには長い時間を必要とするという考えから、老いや寿命と言った限界を超越すべく「不老不死」の研究に没頭、そして木ノ葉を抜けた後、自分の精神を他者の肉体に入れ替える術【不屍転生】を開発(術の過程で他者の命を奪うため当然ながら禁術指定)し、事実上の不老不死を可能としている。
サスケを未来の自分の器として溺愛しており、事実上の弟子としている。ナルトとの激戦の直後もサスケとの約束を守って修行に付き合ってやるなど、意外に面倒見が良いところもある。
才能の点では自分が惨めに思えるほどとサスケを評価し、うちは一族の血を持つその肉体に焦がれていた。
度重なる実験の末に人というしがらみさえも捨てており、致命傷を受けたときなどに口から吐き出される形で現れる本体は無数の蛇が結合し構成された、髪の毛を生やし人間態同様の目つきを持つ白い大蛇となっている。このような姿になった理由として、幼い時に両親の墓で白蛇の脱皮した皮を見つけたこととの関連が示唆されている。疾風伝では、この姿になったのは、一生分の寿命では全ての術を極めきれないという動機のシーンが描かれていた。
悪ではあったが、プライドの高さから全編を通じて卑怯と言える手段はとらなかった。自来也の話によると、大蛇丸がおかしくなったのは、大蛇丸が小さい時に両親が何者かによって殺されてからであるらしい。
残酷で情け容赦のない悪辣な人間だが、その反面謙虚でストイックな所があり一口では語れない味のある悪党である。
利己主義者であり他人を弄ぶ外道だが、一方で君麻呂や重吾のように社会に居場所のない人間を仲間に入れて面倒を見るなど独特の情を持っていた。自分の目的のために利用するという側面があったのも事実だが。
そもそも彼は最初から悪党だったわけではなく、幼少の頃や伝説の三忍と呼ばれた時代はまだまともな人間であった。上記のように両親を殺害されたこと、そして戦場で多くの惨劇を見たことが彼の人格をゆがめてしまったと言える。
チャクラについて、「風遁・大突破」を使用していたことから少なくとも風の性質変化を所持していることが窺える。
第一部以前
大蛇丸が幼少の頃より、猿飛の指導のもと天才と呼ばれ、「伝説の三忍」の一人にも謳われたものの火影になることは叶わず、禁術の開発が発覚して里を追われることになった。
その後は「暁」の一員として活動していた。その間、後から入ってきたメンバーであるイタチの肉体を手中におさめようと試みるが失敗(その際、イタチに左腕を切断される)。そのまま組織を逃げるように離脱した。第一部開始の10年前とされるが、時系列が矛盾するため詳細は不明。『NARUTO』という作品にはよくあることだが……。
離脱後は複数のアジトを作り、勢力を拡大していたが、その規模は不明。テレビオリジナルストーリーでは彼が関与するエピソードもいくつか登場している。
幼少の頃より、天才と謳われながらも「うちは一族」の持つ力の前に手も足もでなかった経緯から屈折した感情を持ち、その力を渇望している。サスケとの戦闘シーンの中でもみられるように、イタチに屈服させられたことはプライドの高い彼にとって相当なトラウマになっている。
第一部
第一部では中忍試験において第七班の前に出現。草隠れの里から来た受験者を殺して、消写顔の術にて顔を奪うことですり替わり、写輪眼を持つサスケの肉体をつけ狙う。第二の試験でナルト達に接触し交戦するが、ナルトとサスケからの返り討ちに遭い撤退。しかしサスケには重吾の仙術チャクラを操る仙人化の能力を他者にも与える「天の呪印」を、ナルトには九尾のチャクラコントロールを阻害する「五行封印」をそれぞれ仕掛けた。また中忍試験の最中、自らが暗殺した四代目風影に成りすまし砂隠れの里を欺いて木ノ葉を壊滅させるべく戦争を仕掛けたが、三代目火影に辛くも阻止され、“屍鬼封尽”で彼の命と引き換えに両腕を封印されてしまう。
両腕を封印され、印を結ぶことができず全ての術を封じられた大蛇丸は、同じ三忍のメンバーで医療スペシャリストである綱手に治療をさせようと彼女に交渉をもちかけるが決裂し、自来也を巻き込んだ壮絶な戦闘を繰り広げる。
その後、音の五人衆を犠牲にしながらもサスケを手中にする。しかし、サスケが到着する前に屍鬼封尽の後遺症で自らの肉体が限界を来たしてしまったため、やむを得ずストックしていた忍の一人・幻幽丸に転生し、次の転生までの間サスケを鍛えることにする。
第二部
第二部では天地橋に登場。カブトと二人でサソリを嵌めて始末する計画だった。しかし、僅か十日前に当人が倒されていたことまでは知らなかったらしく、サソリになりすましたヤマト率いる第七班と交戦。
ナルトが大蛇丸の挑発に耐え切れず、九尾の力を解放したため、暴走したナルトと対峙。当初は劣勢を強いられているように思われたが、自来也ですら重傷を負わされた「4本目」の力に対しても、その特異な術(もしくは体)により即死もしくは致命傷を負っても回復し、余裕を見せる戦いぶりであった。結局、戦いは中断されナルトにも傷を負わせることはできなかった。
アジトにおいては第七班にとどめの一撃を加えようとしたサスケを制止し、木ノ葉の忍が暁のメンバーを一人でも多く抹殺してくれることを願って姿を消した。
その後、拒絶反応に臥しているところを決別を迫るサスケに殺されかけ、口から大蛇と化した自らの本体を曝け出す。
死闘の末、サスケを異空間へ引きずり込み、彼の肉体に転生しようとするが失敗し、サスケに魂を制圧され肉体は死亡した。その亡骸の一部はカブトの身体に移植され、徐々にカブトの肉体を蝕んでいった。
前述した通り大蛇丸の魂はサスケの内に封印され、彼が大蛇丸の術を使用するための源泉となっており、サスケの肉体のダメージ回復にも貢献した。その後、サスケがイタチとの交戦のさなか、サスケのチャクラが弱まり封印が緩んだため復活。
サスケに宿した呪印の意識から「八岐の術(やまたのじゅつ)」を使用。出現させた8体の蛇のうち1体の口から上半身を出し、草薙の剣でイタチを襲おうとしたが、イタチの術である「須佐能乎」が持つ十拳剣(大蛇丸が渇望していた武器であった)により呆気無く異空間に封印された。術者のイタチが直後に死亡したため、もはや現実世界に還るのは困難で、このまま物語から退場…と見られていた。
しかしみたらしアンコの呪印に封じていた仙術チャクラと意識がバックアップの役割を果たしており、アンコの身柄を確保していたカブトをサスケと穢土転生されたイタチが無力化。
その後、サスケの手により「解邪法印」で抜け出し、復活。封印状態だったものの大まかな状況は把握していたらしく、当初は第四次忍界大戦も「他人の始めた戦争」と興味を示さなかった。
だが、木ノ葉の里やうちは一族の真実を知ろうとするサスケに何かを見出したのか、屍鬼封尽を解術して歴代の火影達4人を穢土転生で蘇らせ、サスケと問答させる。ちなみに屍鬼封尽を解術する際に自身が犠牲となるため、サスケから引きずり出し穢土転生の生贄とした白ゼツ達の余った個体を不屍転生で乗っ取っている。
歴代火影の話を聞き、「今のシステムを変えるために里を守る」という答えを出したサスケに大蛇丸は協力。
戦場へ向かう道中、鷹のメンバーと共にうちはマダラとの戦闘で重傷を負った綱手の回復をしたり、到着後は嘗て殺した師であるヒルゼンの穢土転生体と共に連携攻撃を繰り出すなどの様々な活躍を見せた。
過去の出来事から冷酷非道な面が目立った大蛇丸だが、チャクラ体となって自身の亡き後における世の状況を見ているうちに心情の変化があり、この頃になると毒が抜けたように性格が丸くなって、優しい目つきとなった。それは回復直後の綱手とのやりとりからもうかがえる。
「…昔は自らが風となり風車を回したいと思っていたわ でも今はいつ吹くか分からない他の風を待つ楽しさも知れた… その風を楽しむ前に密封されたくはないからね」
「自ら風となり風車を回す」という意味は過去に彼自身が起こした「音隠れの創設」や「木ノ葉崩し」を指しており、「いつ吹くか分からない他の風を待つ楽しさ」は大蛇丸自身を模倣せず、自分なりの答えで動いていった弟子の「サスケ」を見守るという意味がある。カブトの失敗をアンコのチャクラから通して見ていたのも彼の心境が変わった要因ともなった。
この様子からネットユーザーでは『保護者丸』と呼ばれているとか。
第四次忍界大戦後
大戦以降も存命。性格もかなり丸くなっており、かつて敵対していたナルトとも和解している模様。
ただし前科の多さと厄介さ故に無罪放免という訳ではないらしく、ヤマトら木ノ葉の面々が目を光らせていることもあってか特に目立った活動はしていない。
犯した罪を考えれば処刑されてもおかしくはないが、彼の場合殺したら知らないところで転生され、しかもそれが今の穏便な人格を引き継ぐとは限らないという危険性がある。つまり殺した方が厄介。
監視付きである程度は自由にさせ、有事には技術や情報提供に協力させる…という関係に落ち着いている。ただし木ノ葉の目を盗み、今でも裏であれこれ暗躍はしている模様。
既に還暦を過ぎているはずだが、不老不死の研究の賜物か、大戦当時はこけていた頬に張りがあるなど以前よりも若々しい容姿になっており、ナルトを驚かせた。彼のアジトもより研究所っぽくなり彼自身も遺伝子の研究をしている等、忍者というよりは研究者か博士のような立場になっている。
『NARUTO-ナルト-外伝~七代目火影と緋色の花つ月~』サスケが発見した謎の写輪眼の少年(うちはシン)の報告を聞いたナルトやカカシから関与を疑われ、アジトにやってきたナルト・サスケ・サラダ・チョウチョウを出迎え、うちはシンの情報を話した。
映画『BORUTO -NARUTO THE MOVIE-』ラストでは他里からの転校生ミツキの親である事が判明。『NARUTO-ナルト-外伝~満ちた月が照らす道~』ではその点が掘り下げられている。
特殊な「胚」を用いて培養した人造生命の息子だが、彼なりに愛情をもって育てているらしくミツキからも親として尊敬されている。
なお大蛇丸を知るサラダからは「パパとママ、どっちなの?」と疑問に思われているが、どちらでもいいらしい。
ミツキの保護者として忍者学校の三者面談にも監視付ではあるが普通に参加しており、本人もそれに関して思う所があった模様。
アカデミーの授業などで彼の悪行はある程度公開されているようだが、一方でカードゲーム「激・忍絵巻(通称ゲマキ)」にもなっているなど良くも悪くも知名度はそれなりに高い模様。
TVアニメ『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』では、大蛇丸からサインを貰うために極秘資料を閲覧した第五班達からその前歴のエグさに本気でドン引きされている。結果的には脅かしながらもサインをしてあげ、ミツキの身を案じる息子の友人達の存在に気を良くするなど性格が軟化している事がうかがえる。
「殻」のヴィクタにより柱間細胞が流出した事件では、利害の一致により木ノ葉丸班一向と共闘。「伝説の三忍」の名に恥じない圧倒的な実力でヴィクタを始めとする敵を翻弄した。
原作と同様に悪役としてカブトと共に登場。しかし、本編とは大きく異なりカブト共々非常にギャグ色の強い小悪党となっている(リー曰く「ばいきんくん的ポジション」)。当初は再び木ノ葉の里に潜入するために検問で悪戦苦闘したり歴代火影の像に秘密基地を作り潜伏するなどしていたが、中盤からは割と普通に出入りしており、発見されても周囲もさほど驚かれない。
中の人がギャグ作品での場数を踏んでいることもあってかやけにテンションが高かったりなど、かなり強烈なギャグキャラになっている。たまにツッコミに回ることもある。
なお、アニメでの小説をモチーフとしたシリーズ「木ノ葉秘伝 祝言日和」でのキャラ崩壊はSD同様スタッフが同じ為なのか著しく
・木ノ葉の里遠景で「なんだバカヤロー」と叫ぶ
・木ノ葉丸の結婚祝いビデオレターにお祝いの言葉を収録するものの、ヤマトからNGサインが出て取り止め。
・焼肉屋の店員になってチョウジの注文に、普通に受け答え。ヤマトの監視付き。
・シノの忍蟲に怯えて逃げ回る
・木ノ葉の里のゆるキャラを追いかけ回す。ヤマトの監視付き。
・ラーメン屋「一楽」の前で指をくわえて立ち止まる
・結局「色々あったけど結婚おめでとう」とメッセージを贈る。背後でヤマトもサムズアップ。
…etc。すっかり悪役色が抜けて日の当たる場所での暮らしを謳歌しているようである。
次郎坊 鬼童丸(NARUTO) 右近(NARUTO)/左近(NARUTO) 多由也 君麻呂
ジェンダーレス 性別不明 人外 マッドサイエンティスト 研究者 変態 憎めない悪役 光堕ち…?
ヴォルデモート…ハリー・ポッターのラスボス。蛇を操る、青白い蛇のような顔、不死に執着する等やけに共通点が多い。(NARUTO自体奇妙なまでにハリー・ポッターと共通点が多い。)
各章のボス
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