総称「忍者学校」
忍者学校(にんじゃ がっこう)とは、忍者を養成する学校。忍者が登場する作品中に存在していることがあるほか、現実社会でもレクリエーションや武道の学校のような組織が運営されている。
名義上の基本バリエーションとして「忍者学校」「忍者学院」「忍者学園」が考えられるほか、『忍たま乱太郎』の「忍術学園」、『閃乱カグラ』の「国立半蔵学院」、カルチャースクール (cf.)「樵雲学園」傘下の「田中忍者学院」(※外国人にも人気)、ミズノが運営する「ミズノ流忍者学校」、京都四条烏丸にある「伊賀流忍術学園」(※2022年の忍者の日に開校)など、固有名称の例も数多く見られる。
しかし、これらは必ずしも現実社会の教育現場での「学校」「学院(私立学校等が用いる学校名)」「学園(下級から上級にわたる幾つかの学校を含む組織)」等の区別を反映して設定されているわけではなく、「学校」と言い換えても特に問題は生じない(※現実社会のほうでは法律によって明確に区別されている)。
さて、単に「忍者学校」と言った場合、上述した総称とは別に、固有名称としての「忍者学校」が『NARUTO』の作品中に存在する。
本項は後者の意味でもって立項されているが、そうすると前者の解説の置き場所が定まらないことになる。
ピク百では、総記的記事や漫画・アニメと無関係な記事でも総称「忍者学校」の説明を要する場面があるにもかかわらず、そこで「忍者学校」のリンクを使えず、「忍者学校」と分けてリンクせざるを得ない状況があった。
この問題を暫定的に解消する意図をもって本節を新設したが、記事「忍者学校(総称)」(よみ:にんじゃがっこう)などの立項は検討する価値があると考える。
『NARUTO』の忍者学校
NARUTO世界における「忍者学校」は、忍者を養成する学校であり、「アカデミー」と読ませている。
忍五大国をはじめ小さな忍び里を含め各里に存在するが、カリキュラムや卒業試験の内容は里ごとに異なる。
作中では主に、主人公うずまきナルトが在籍していた木ノ葉隠れの里の忍者学校(アカデミー)を指し示す。
木ノ葉隠れ
設立までの経緯
ただし、兄の初代火影、千手柱間の在任時に設立されており、「子供が訓練するための学校を作る」という構想は元々柱間のものであった。
千手兄弟が子供の頃は世界は戦乱に明け暮れ、二人の弟である瓦間や板間も無茶な戦闘に耐え切れず、幼くして少年兵として出征させられ、命を落としていた。
それを憂いた柱間はうちはマダラとの話し合いの中、「子供たちを養育、訓練するための教育機関を作る」、「身の丈に合った任務を受けられる審査機関を作る」アイデアを思いつく。
やがてそのシステムは忍者の階級制度及び任務のランク制度として確立され、そうした任務を遂行できる下忍を養成するための施設として弟の扉間が作ったのがこの忍者学校(アカデミー)である。
施設設備
もともとは独立した教育施設だったが、やがて周辺の軍事・内政施設を取り込むようになった。
里長の火影の執務室、上忍の会合が行われる上忍待機所、忍たちに任務を振り分ける任務受付も隣接されている。
木の葉の里を象徴する火影岩のすぐ下に建造されており、2度の増改築と九尾襲撃に伴うリフォームを経て大型施設となった。
授業料の有無は不明。
入学と卒業
入学条件
1. 里を愛し その平和と繁栄に尽力する者であること
2. 不撓不屈の精神を有し たゆまぬ努力と鍛錬を行う者であること
3. 心身ともに健全であること
(『NARUTO オフィシャルファンブック 兵の書』より抜粋)
入門に関しては里内で生まれ育った子供は誰でも出来るが、一応足切り試験はあり、幼い頃のマイト・ガイは1度入試に落ちている。
入学する歳は通常6歳だが、戦時下では人員投入のため引き下げられる傾向にある。
そのためかはたけカカシは5歳当時で既に忍者学校を卒業しているので幼児とも言える年齢で入学していることが窺える。
卒業試験
単位を満たせば卒業要件は満たすらしく、中忍・上忍の教師たちの前で卒業試験を合格すれば卒業できる様になっており、このあたりは自動車学校に近いかもしれない。
卒業試験に関しては、イルカ先生がナルトに向け「お前はこの前もそのまた前も卒業試験に落ちてるだろうが!!」と言っていることから、かなり頻繁に行われているようである。
またナルトの同期たちは過去の試験にクリアしている様子にもかかわらず卒業できていなかったのは、下忍になるとスリーマンセルの班を作る都合上から一定人数以上の合格者が揃うまで試験が続けられる可能性がある。
ただし、卒業した後、班の担当上忍による下忍選抜試験(合格率33%)を突破しなければまた忍者学校に戻されてしまう。
サスケは6歳の時に入学し12歳の時に卒業しており、これがだいたい普通の年齢らしい。
ただし戦時下では才能のある者は早くに卒業し、忍者として前線に送られるため四代目火影・波風ミナトは10歳で(第二次忍界大戦下)、うちはイタチは7歳で(九尾事件による人材不足のため)、カカシに至っては5歳で(第三次忍界大戦下)卒業している。
授業
忍者学校では忍者を目指す子供たちを集め、座学である学問、そして実技である体術、幻術、忍術を教育し忍者を養成する。
ナルトたちの時代のカリキュラムを作ったのは三代目火影にして伝説の三忍を育成した猿飛ヒルゼン。
学問は通常の学校における読み書き計算に加え科学、地理などの他に百以上もある忍の掟、心得について学ぶ。
男女共学だが女子(くノ一クラス)は家庭科や華道などの諜報活動に役立つ教養科目が多い。
因みに忍者学校習得レベルの術はランクEとされており、忍の最低ランクであるDよりは下ということを意味している。
因みに、サバイバル演習でナルトがカカシから食らった虎の印を結んだ体術はEランク扱いである。
しかし、忍一族出身の子供たちは学校教育と並行して家庭で一族秘伝の忍術などを習得するため、どうしても実力に差が生じてしまう。
事実、ナルトの世代で下忍となった者たちは孤児のナルト、親が一般家庭で一般人の春野サクラ以外は木ノ葉隠れの忍一族の令息令嬢が多かった。
体術
体術はいわゆる体育に相当し、生徒たちの運動能力、身体、スタミナの向上を図る。
手裏剣、クナイなどの武器術や、組手などがメイン。
主に習得する術は、隠れ蓑の術、変わり身の術、縄抜けの術など。
忍組み手
伝統的な訓練方式で、形式的な作法も多いが忍者学校では基礎から教える。
組手前に行う対立の印は両手印で術を発動させる所作の半分を意味する、片手印を相手に向けることでこれから戦う意志を示す。
組手が終わり、決着後は両者ともに対立の印を前に出し、重ね合せて結ぶ和解の印で仲間であることの意志を示す。
忍術
忍者学校での教育で忍者としての根幹に関わるといえる授業。
生徒たちは術を発動させるために必要なチャクラとそのコントロール、印の結び方について学び、そして最終的に後述の忍者学校レベルの術を実際に使うことを目指す。
主に習得する術は、変化の術、分身の術でこれらは卒業試験のお題となることが多い。
幻術
幻術の作り方と、その効果について学ぶ。
生徒たちは主に、幻術に囚われた時の対処法を身に付ける。
主に習得する術は幻術返しで、文字通り幻術を解き、上手くいけば術者に跳ね返す。
教員
アカデミー生を教育する教員は中忍以上、上述の座学と実技を兼任するが、くノ一の教養に関しては女性教師が行う。
アニメでは教員採用試験が存在しており、うみのイルカとミズキが試験を受けた描写がなされている。
座学と実技の試験に加え、そして過去の任務と人柄などを鑑みられるが、ミズキは仲間を救出せずに殺害した疑惑があったため一時採用を見送られた過去がある。
主な教員
氏名 | 階級(年齢※初登場時) | 備考 |
---|---|---|
うみのイルカ | 中忍(23歳) | 7班、8班、10班の担任教師だった |
ミズキ | 中忍(28歳) | 卒業試験の試験管として登場 |
スズメ | 中忍(35歳) | 春野サクラ、山中いのの教養の教師 |
ふねのダイコク | 中忍(35歳) | イルカ入学時を知るベテラン教員 |
サドル | 不明 | 第四次忍界大戦後に教師となった新米 |
講師
忍者学校では時折、外部からの講師を招き授業をすることもある。
アニメのオマケコーナーにおいては「アカデミー特別授業」と銘打て、主要登場人物たちが子供たち及び視聴者に向けて様々なことを講義する。
第四次忍界大戦集結から二年後を描いた映画『THE LAST』ではナルトが特別講師を務めているシーンもあったが、彼は様々なごたごたに巻き込まれて中忍試験を受けそびれていたため、下忍のままであった。
他里における忍者学校
忍者学校についての描写があるのは下記の通り。
砂隠れ
第一部のアニメオリジナルストーリーより、木ノ葉崩し後の人手不足の際に我愛羅、テマリ、カンクロウら砂の三姉弟が木ノ葉隠れの忍者学校で講師をしていた経験があり、木ノ葉隠れの演習カリキュラムを真似たカリキュラムが採用されている。
また、三姉弟は教官を務めていた。
第二部の時点では木ノ葉のカリキュラム採用後は忍のレベルが上がるなど成果も出始めている事が由良から語られている。
四代目風影・羅砂の時代には戦力化を最優先したのか「忍術・幻術のスキルのないものは入学拒否」という決まりがあったが、我愛羅が五代目になった後に廃止されている。
霧隠れ
本編開始の10年前までは四代目水影・やぐらによる恐怖政治の影響で卒業試験は生徒同士が殺し合いを行うという過酷な内容だったが、桃地再不斬が同期生を皆殺しにした事件を契機に大規模な改革が行われた。
関連項目
忍術学園(落第忍者乱太郎及びアニメ忍たま乱太郎)他作品における忍者養成機関
これ以降はネタバレ注意。 |
---|
最終話及び後日談である『NARUTO外伝 七代目火影と緋色の花つ月』では油女シノが忍者学校の教師(主人公たちの子女の担任)に赴任している。
またナルトの恩師うみのイルカは校長となり、特別上忍のみたらしアンコも教師となっている。
その続編『BORUTO』では第四次忍界大戦後、社会の安定と近代化に伴い、忍者学校の様変わりしている様子が描写される。
忍者学校には忍術科とは別に普通科も併設され、新時代の人材育成のため様々な教養を学ぶ場所となっている。
他里から友好のために生徒が転校して来たり、修学旅行で他里(ボルトの時は霧隠れの里)へ出掛けるなど、平和になったために他里との交流が深まり、行動範囲は大幅に広がっている。
また授業の一環で里内での職業体験も実施され、下記の進路を決める一環となっている。
ナルトたちの時代では下忍となった後、所謂下積み時代に習得した足の裏にチャクラを溜めて行う木登り、水面歩行の習得や上忍を招いて口寄せの術などを学習する機会にも恵まれている。
このことから六代目火影、七代目火影治世の時代で指導要領が大幅にテコ入れされたことが窺える。
また忍術科を卒業する者が必ずしも忍になる訳でない。
流れとしては【卒業試験(筆記試験)】での合格を持って忍術科を卒業したこととなる。
筆記試験が不合格の場合、留年してアカデミーに残留し、翌年再度試験を受けることが可能。
筆記試験に合格後は一般の職業への【就職】、普通科の中等部への【進学】、新米の忍である【下忍】の何れかの道に進む。
しかし、平和な時代故に忍者の需要そのものが低くなっており、忍術科を卒業した者は優秀と見なされ就職の際に有利になり、習得した忍術や技術を使い危険度の低い安定した一般の職業に就く場合が多い。
また下忍になるためには【下忍試験(実技試験)】を受けなければならず、監督役の忍に認められた者が下忍となり、上忍の師の元で任務を熟すこととなる。