概要
同じ種類の量(物理量)を表すのにも、地域や分野により、また歴史的にも異なる多数の単位がある。
例えばアメリカ合衆国(米国)におけるヤード・ポンド法では、同じ体積を表す単位(ガロンやパイントなど)でも液量(液体の体積を測る単位)と乾量(液体以外の穀物や粉などを測る単位)で別の値を用いる。また、イギリスでは液量と乾量で単位を統一しているので、英連邦だが米国との関係も深いカナダなどでは実にややこしいことになる。さらに、単位系の統一が図られた19世紀初期までは地域によりヤード・ポンド法の基準が異なっていたため、同じ液量パイントでも「どの地域のパイントで」測るかを確認しなければならなかった。
このように、単位が整理されていないと換算が面倒で具合が悪いので、フランスで作られたメートル法から発展した国際単位系(SI)という単位系が(未だにヤード・ポンド法に固執している米国を除く)世界的に受け入れられているが、1000kgを表すのにメガグラムではなくトン(メトリックトン)を使うなど、若干の非SI単位も「SI併用単位」として広く通用している。
個数や比については、数学や物理の上では本質的に無次元量という扱い。
主な単位
SI基本単位
秒 メートル キログラム ケルビン アンペア カンデラ モル
SI基本単位の分量単位
SI接頭辞
デカ ヘクト キロ メガ ギガ テラ ペタ エクサ ゼタ ヨタ
デシ センチ ミリ マイクロ ナノ ピコ フェムト アト ゼプト ヨクト
SI組立単位
ジュール ワット ニュートン パスカル(気象学ではミリバールと値が同じとなる「ヘクトパスカル」がもっぱら使われる)
ヘルツ ラジアン セルシウス度 ボルト オーム ジーメンス ファラド ヘンリー クーロン ウェーバ テスラ
SI併用単位
分 時 日 天文単位 リットル ヘクタール トン(メトリックトン) デシベル 度(角度の単位)
ヤード・ポンド法の単位
ヤード ポンド フィート インチ エーカー マイル ハロン ポイント ガロン パイント オンス トン(英トン・米トン。メートル法基準のメトリックトンとは異なる) 馬力(hp、英馬力)
暦年単位
尺貫法の単位
漢数字の単位
十 百 千 万 億 兆 京 垓 𥝱/秭 穣 溝 澗 正 載 極
その他は⇒漢数字へ
通貨単位
⇒通貨
その他
アール オングストローム ミクロン 光年 パーセク 馬力(仏馬力、PS) 海里 ノット 東京ドーム何個分
その他の用法
高校や大学において授業科目を学習時間で区分する際、一定の学習時間(目安として、高校なら30時間弱、大学なら講義と自習を併せて45時間)をもって「1単位」とし、その修得できた科目の単位数をもって進級や卒業の可否を判断するという、単位制という学習方式がある。この場合、(前項までで解説した意味での)単位の名称が「単位」であるという事になる。