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国際単位系

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こくさいたんいけい

国際単位系とは、国際的に使用する事を意図して定められた共通の単位系の事。

国際単位系 (Système International d'unités) とは、国際的に定められた単位系である。略称はSI。なお、SIが既に国際単位系の略称である為、SI単位系と呼ぶのは誤用となる。SI単位と呼ぶ場合には、国際単位系で定義される単位を指す意味で使用すれば誤用とならない。

国際単位系

国際単位系は、7つの「SI基本単位」を基礎に、SI基本単位の累乗の乗除で表現される「SI組立単位」、十進法での大きさを表す「SI接頭辞」、SIではないが併用が認められている非SI単位の「SI併用単位」で構成される。国際単位系という名称から分かる通り、これは世界共通で同じ単位を使用する事を狙いとして策定されている。また、一貫性のある単位系である事も重要で、これは併用してよいと定められた一部の単位(後述)を除けば、原則1つの量には一種類の単位しか割り当てられない事を意味している。

国際単位系で併用を認められていない非SI単位は、原則として単位として使用してはならない事とされている。ただし、実態としては天文学分野の光年パーセク(1981年以前はSI併用単位)、物理学や工学などでの標準気圧(atm)、海事や航空分野での海里ノット航空機分野でのフィート、栄養学でのカロリーなど、用途や分野を限定した上で国際的に使用されている非SI単位も多くある。

SI基本単位

SI基本単位は、1954年に国際度量衡総会によって定められた、国際的に使用される事を意図して作られた基本単位である。当初は6つでスタートしたが、1971年にモルが加えられたことにより7つとなった。国際度量衡総会は、単位が世界的に維持される事を目的に行われる4年に1度の総会であり、メートル条約によって定められている。SI基本単位そのものも、メートル条約でよく使われたメートル、キログラム、秒を基礎に作られたものであり、名称及び略称もフランス語に由来する。

SI基本単位には時間長さ質量電流熱力学温度物質量光度の量に対応する単位が定められ、それぞれメートルキログラムアンペアケルビンモルカンデラが充てられている。最新の定義は2019年5月20日より適用される。

単位名記号定義 (概略)
s時間セシウム133原子の特定の放射周期が91億9263万1770回繰り返した時間
メートルm長さが1間に進む長さの2億9979万2458分の1
キログラムkg質量1.53639249×10^50Hzの光子1個のエネルギーと等価の質量
アンペアA電流1秒間に電子624京1509兆6291億5265万個分の電荷を運ぶ電流
ケルビンK熱力学温度1.380649×10^-23Jの平均運動エネルギーを持つ粒子系
モルmol物質量正確に6.022140857×10^23個の原子、分子、その他の粒子、又はその集合体
カンデラcd光度周波数540兆Hzの緑色の光が1m離れた距離で1m^2当たりに1W当たり683lmの明るさを与える光度

SI組立単位

SI組立単位は、SI基本単位の累乗の乗除で表現される単位である。より簡単に言えば、SI組立単位の掛け算と割り算だけで表現できる単位と言う事になる。例えば面積の平方メートル (m^2) はメートルを2回掛けた単位、速さの単位であるメートル毎秒 (m/s) はメートルを秒で割った単位となる。SI組立単位では、力の単位であるニュートン (N) 、周波数の単位であるヘルツ (Hz) 、仕事率の単位であるワット (W) など、日常的に使われる為に固有の記号を持つSI組立単位もまた定義している。

なお、ラジアンステラジアンは、かつては「SI補助単位」に区分されていた。SI基本単位でもSI組立単位でもないが、補助的に使われる単位として定義されていたもので、現在では無次元の組立単位として解釈する事としてSI組立単位に再分類され、同時に空席となったSI補助単位は区分自体が廃止された。

SI接頭辞

SI単位を十進法で大きさを示す際につける接頭辞をSI接頭辞と呼ぶ。10^24から10^-24まで、原則として10^3毎に接頭辞が割り当てられる。ただし10^3から10^-3迄は10^1毎に接頭辞が割り当てられている。原則としてラテン語アルファベット1文字であるが、デカのみdaの2文字であり、マイクロのみギリシャ文字のμである。μはそれが使えない環境を配慮してuを使用する事も認められている。

なお、接頭辞の国際的な定義を定めるのがSI接頭辞の狙いなので、非SI単位に対しての使用は禁止されていない。また、かつてはミリを2つ重ねてマイクロとするなど、接頭辞を二重につける事がよく行われていたが、SI単位導入時に二重接頭辞は禁止された。SI基本単位の中でキログラムは、最初から接頭辞がついている唯一の例である。これは歴史的な理由から、本来ならばグラムを基本単位とすべきところ、キログラムにせざるを得なかったという事情が絡んでいる。二重接頭辞は禁止されている為、キログラムの1000倍はkkgではなくMgと表記される。

接頭辞記号10^n十進法漢数字
ヨタY241000000000000000000000000一𥝱
ゼタZ211000000000000000000000十垓
エクサE181000000000000000000百京
ペタP151000000000000000千兆
テラT121000000000000一兆
ギガG91000000000十億
メガM61000000百万
キロk31000
ヘクトh2100
デカda110
01
デシd-10.1一分
センチc-20.01一厘
ミリm-30.001一毛
マイクロμ-60.000001一微
ナノn-90.000000001一塵
ピコp-120.000000000001一漠
フェムトf-150.000000000000001一須臾
アトa-180.000000000000000001一刹那
ゼプトz-210.000000000000000000001一清浄
ヨクトy-240.000000000000000000000001一涅槃寂静

SI併用単位

SIの2019年版には15個の併用単位がある。時間を表すをはじめ、長さを表す天文単位、重量を表すトン(メガグラムに等しい)、体積を表すリットル面積を表すヘクタール、比の対数を示すデシベル(音の大きさを示す単位としてよく使われる)などである。

光速度電子質量など、参考値が記されているが併用が認められていない単位もある。海里オングストロームなどは、使用する際に対応するSI単位を明示しなければならない。

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