「国の力は里の力…里の力は忍の力… そして忍の本当の力とは 命懸けの戦いの中でしか生まれて来ぬ!!」
プロフィール
概要
木ノ葉隠れの里の三代目火影。通称「教授(プロフェッサー)」。
二代目火影・千手扉間の弟子で、伝説の三忍と呼ばれることとなった千手綱手・自来也・大蛇丸の師。
猿飛一族最強と謳われ、のちのうちは一族最後の末裔の名前の由来にもなった猿飛サスケの嫡子。
五大性質変化や木ノ葉に存在する全ての術を解き明かした。
波風ミナトが四代目火影に就任したことで一度その座を降りたが、本編開始の12年前の九尾の襲来事件においてミナトが殉職したことで、再び三代目として火影の任に就いていた。
人物
大らかで慈悲深い人物として里の住人から厚い信頼を寄せられている。うずまきナルトが四代目火影の息子である事を知る者の一人で、九尾の人柱力としての宿命を背負うナルトの未来を誰よりも案じていた人物でもある。
第1話でナルトが禁術の巻物を盗もうとした時にお色気の術で撃沈する、ハーレムの術を見て「ワシならひっかかるぞ」と独白する、若い頃は自来也のエロ忍術に興味を示すなど結構スキモノなじいさん。
指導者としても一流で、彼の発案したカリキュラムは今でも採用されている。
千手兄弟から信頼され「猿」とよばれていた。
暗部「根」のリーダーの志村ダンゾウや、ご意見番の水戸門ホムラ、うたたねコハルらは、二代目火影・千手扉間の率いる小隊の仲間だった。特にダンゾウとは、三代目火影の座を争ったライバル関係でもあった。
能力
血継限界こそ使えないものの、五大性質変化は基より、秘伝・幻術に至るまで、木ノ葉に存在する全忍術を解き明かし、「教授(プロフェッサー)」と謳われた天才忍者。
それでいて猿の愛称の通りかなり素早く、猿魔が変化した如意棒を用いた近接格闘を得意としている。九尾を里の外まで吹っ飛ばしたり、扉間、ミナトですら突破できない神樹を如意棒でへし折りながらナルトを救出するなど、遠近ともに隙が無い。
「彼の全てを受け継ぐ者はいなかった」と書かれていたとおり、弟子である三忍ですら、得意分野ではヒルゼンを凌ぐ部分があるものの、彼ほどの万能性はない。
歴代最強の火影と称される事すらあったが、これらは連載初期の設定であるため、後に初代火影・千手柱間の方が実力的には明確に上だと判明した。これについては薬師カブトの台詞から推測するに、柱間とその宿敵であるうちはマダラの地図を書き換えるレベルで周囲に被害を及ぼす強さゆえに、それらがおとぎ話として扱われた事が原因と思われる。
火遁と土遁を特に好んで使用し、アニメでは、火遁・火龍炎弾が焔が収束し白熱化するという描写が取られた。
なお、読み切り版から受け継いだ、水晶による千里眼?的な術は、どういう系統の術なのかは不明(自来也のエロ忍術「透遁」に近いのかもしれない)。
使用術
- 火遁
- 火龍彈
- 火龍炎彈
- 豪炎の術
- 受け継がれる火の意志
- 水遁
- 水陣壁
- 土遁
- 土流大河
- 土龍彈
- 土流壁
- 土分身の術
- 口寄せ動物
- 猿猴王 猿魔
- 金剛牢壁
- 変化 金剛如意
- 手裏劍の術
- 手裏劍影分身の術
- 影分爆風手裏劍
- 忍法手裏劍巨身の術
- 封印術
- 五行解印
- 屍鬼封盡
- 三方封印
- 結界忍術
- 忍法・四赤陽陣
- 体術
- 遊猿脚
- 旋猿脚
- 老猿撃
- 崩天撃
- 地平超越
- 冥府根絶
- 飛天撃
来歴
かつてはダンゾウらと共に扉間の護衛小隊に所属していた。雲隠れの里との協定で起きた金角・銀角のクーデターが発生した際には、自ら囮役を買って出るが、扉間は三代目火影にヒルゼンを指名し自ら囮となり彼らを逃がした。火影就任後は穏健な政策を進めるも、厳格な方針を主張するダンゾウとは幾度となく対立した。ダンゾウとは光と影として対比されている。
うちは一族のクーデター計画が発覚した際には、うちは殲滅に対して最後まで反対していた。そのためうちはイタチからも大きな信頼を得ており、残されたサスケを里の上層部から守るようにとも頼まれていた。また、九尾の人柱力としての宿命を背負ったナルトのことも誰よりも案じており、ナルトが他里の忍に狙われないために九尾の封印の事実やナルトがミナトの息子であることも秘匿し、天涯孤独で生きることになった彼を見守り続けていた。
『疾風伝』の「カカシ暗部篇」では、第三次忍界大戦の終結後に岩隠れの里との平和条約締結に関する責任をダンゾウから追及された事で一度火影を退位した事が判明している。しかし、ミナトが戦死したことで急遽自ら火影に復帰した。
第一部では中忍選抜試験に乗じて木ノ葉へ侵攻した大蛇丸と対峙。不完全な穢土転生体として蘇ったかつての師・柱間と扉間相手に苦戦するも、自身の命を犠牲にした禁術「屍鬼封尽」で2人の魂を死神の中に封印、続けて大蛇丸も道連れにしようとするが、草薙の剣で胸を貫かれたダメージと老いのせいで力が不足し、印を結ぶのに必要な腕の機能だけの封印に留まった。そして術の代償で死神に魂を喰われてゆく中、これからの世界を生きていく里の人々に「火の意志」が受け継がれてゆくことを感じつつ、息を引き取った。
彼の最期は作中で初めて描かれた主人公の味方側キャラクターの死の描写である。
第二部では大蛇丸によって屍鬼封尽から開放され、初、ニ、四代目と共に白ゼツを生贄に穢土転生され復活。サスケにイタチの真実について詰め寄られる中で、二代目の里づくりを上手く受け継げず、ダンゾウに里の闇を背負わせてしまったことから、自分は誰よりも甘い火影だったのかも知れないと悔やむ思いを吐露する。
その後、他の火影と共に戦場へ赴き、十尾及びうちはマダラ、うちはオビトに立ち向かう。
穢土転生体である為か無限月読による幻術を受けず、大筒木カグヤによってナルト達が異空間へ跳ばされた後、六道仙人と邂逅し、呼び寄せられた歴代五影の魂と共に大筒木カグヤを倒したナルト達を現実へと口寄せによって帰還させ、穢土転生を解除されて昇天した。
評価
伝説の三忍の担当だった事からもわかるように有能な人材を育て上げる才能があり、里民からも慕われた人物だが、10年近くナルトが里民から化け狐呼ばわりされ迫害を受けていた現状を上手くフォローしてやれなかったり、大蛇丸に十分な愛情を注いでやれずに後に彼が里を抜ける原因を作ってしまうなど、保護者として配慮する能力がいささか欠けている点が読者によく指摘されている。(確証はないものの)これは息子のアスマが、早い内から家系に反発し、里を出て大名直轄の忍組織に赴任した経験からもうかがえる。
勿論決して冷徹というわけではなく、ナルトの毎度のいたずらに頭を抱えていたうみのイルカに「親の愛情を受け入れた事がない人間なりの自分の存在を認めてもらいたいが故の行為だ」とフォローを入れたり、里を抜ける直前の大蛇丸を殺せず見逃してしまった事からも、後輩達への愛情は人一倍深かった。
しかし、家族のように接してくる後輩達の本心までは見抜けず、その愛情を伝えるのにどうすればいいのかも分からなかった模様。ナルトの事をイルカに委ねていたのもその自覚があったからこそだと推測される。
また、一部の読者からはダンゾウの暴走を止められなかったこと、結果的に忍世界に大きな禍根を残していることを(ダンゾウが悪いものの)批判されることがある。後に穢土転生によって甦り、サスケから自身が没したあとの里の現状を聞いたときは、「自分は甘すぎた」「火影として失敗ばかりしてしまった」「二代目の政策を上手く引き継げなかった」と相当に悔やんでいる様子だった。
系譜
ヒルゼンの出身の猿飛一族は木ノ葉創設期以前から知られた忍の一族であり、柱間が木ノ葉隠れの里を創設した後に里に加わった。猿飛一族と同時期にダンゾウの出身と思しき志村一族も木ノ葉隠れの里の仲間入りを果たしている。父親の猿飛サスケは名前の元ネタから推察されるように優秀な忍であり、うちはサスケはヒルゼンの父親の名に肖って名付けられた。
妻のビワコは優秀な医療忍者であり、ナルトの誕生に立ち会った人物。女性の人柱力は出産の際に尾獣の封印に綻びが生じてしまうことから九尾の人柱力であったナルトの母・うずまきクシナは病院ではなく里から離れた洞窟の中、結界を張った中でナルトを生むこととなり、ビワコもまた九尾の暴走の可能性を孕んだ危険な任務につくことになった。
初産に苦しむ妻に動揺する当時四代目火影であった波風ミナトに封印に集中しろと叱咤しつつも助手一人だけの中、赤ん坊を無事に取り上げた。しかしビワコや護衛の暗部たちはナルトの誕生直後、うちはマダラを名乗る謎の人物に惨殺されてしまう。
またビワコはアニメオリジナルで描かれた木ノ葉創設期の頃には少女の姿で登場しており、忍者学校から帰る途中転んだ所をマダラに助け起こされるも、マダラの顔を見て怖がり、柱間が花屋からもらった花を与えられ二人に礼をする様子が描かれた。
ヒルゼンには少なくとも二人、ビワコとの間に子供がいる。一人は孫の木ノ葉丸の親に当たる人物、もう一人はアスマである。
木ノ葉丸の両親、ヒルゼンにとって息子夫婦ないし娘夫婦は共に優秀な暗部の忍である。木ノ葉丸がアスマのことを「叔父ちゃん」と称していることから少なくともアスマには兄又は姉がいることとなるが、木ノ葉丸が猿飛一族の名前を名乗っていることから父親の可能性が高い。
しかし、母親がヒルゼンの子供で、父親が婿養子ないし分家の猿飛一族出身の可能性も捨てきれない。
アスマの恋人である夕日紅の間に生まれた娘猿飛ミライは、木ノ葉丸と同じく孫に当たるが、生きている間に出会うことは叶わなかった。
ナルトの息子世代が活躍する時代で生存が確認できるのは孫の木ノ葉丸とミライ、木ノ葉丸の両親(息子夫婦ないし娘夫婦)、猿飛紅(ミライの母)で、ヒルゼンの孫たちは祖父の火の意志を受け継ぎ、活躍している。
関連イラスト
- 青年期~中年期
- 老年期
関連タグ
千手扉間:先代の火影であり師匠。
波風ミナト:後任の火影で孫弟子。
猿飛アスマ:息子。