概要
世界に九体存在した魔獣である尾獣を体内に封印された者たちのことである。この尾獣は圧倒的なチャクラ量を誇り、それを宿した者はその力を還元し、人知を超えた力を発揮することができる。しかしほとんどの場合不安定で暴走の危険性をも孕んでおり、その力を完全に制御下に置くことができた者は少ない。
尾獣のチャクラを借りることで強大な力を発揮できるが、人柱力へ暴走を仕向けてくる尾獣がほとんどであるため、尾獣からチャクラを得るには自身のチャクラとの綱引きで尾獣からチャクラを奪取する、尾獣との取引によってチャクラの取り分を決めるという方法が多く用いられる。尾獣と交友を結ぶことで協力を得るという方法も存在するが、長年人間の私利私欲に苦しめられてきた尾獣と心を通わせるのはかなり困難であり(人柱力や人間側にも問題があるため、人間側が多少なりとも敬意を示していればかなり改善できる)、この方法でチャクラを得ることができる人柱力はほとんど存在しない。
- ただし、死した後に直近の人柱力は全員親しくなれていたので、死の直前に距離が縮んだのか、実際は生前も外部に知られていないだけで案外上手く付き合いがあったのか、またはかつてのナルトの様に、軽々しく力を借りるのを善しとしない人柱力が多い or 外部(里)への抵抗や尾獣の思いを汲んで実状を報告しなかったのかもしれない。
- 生前に尾獣と上手く付き合いがあったのは、少なくとも分福、我愛羅、キラービー、ナルトであるが、他にもいた可能性はある。なお、やぐらに関しては、尾獣ごと瞳術の餌食にされていた可能性もある。
特殊な術でなければ尾獣を取り出すことは難しく、仮に成功しても人柱力は急激なチャクラ欠乏により激しく衰弱し死亡してしまう
また人柱力が若い女性の場合、妊娠すると封印が緩むことが知られており、出産の際には封印維持ができる術者の立会いが必要で、生まれたところで速やかに封印を組み直す必要がある。
第二部の大戦時には一尾から七尾まで暁に回収されていったため、それらの人柱力は死亡した(我愛羅だけはチヨバアの術で生き返った)。残る2人であるキラービーとナルトは大戦後も引き続き人柱力を務めていた。大戦から十数年後にナルトがある理由で人柱力ではなくなって以降はキラービーが唯一の人柱力になった(と思われる)。
なお、人柱力の尾獣側からのプライバシーがどのように保たれているのか(たとえば九尾はナルトとサスケのファーストコンタクトや交際経験の無さを知っていた)、はてまたそれに嫌でも付き合わさせられる尾獣側のストレスがどの程度なのかは不明である。
政治面
単に戦闘用だけでなく、忍五大国のパワーバランスを保つ役割があり、政治的な面も持ち合わせている。その半面、人知を超える力を持つ故に周りの人々から畏怖・奇異の目を向けられるといったことが原因で精神が不安定になったり人間不信に陥りやすく、過酷な環境に追いやられることが多い。ナルトや我愛羅のように己の努力次第で周囲の人間に認められた者もおり、雲隠れの二位ユギトやキラービーに至っては里の皆から慕われており、ビーにはカルイ、オモイと言う弟子までいる。ナルト、我愛羅、やぐらのように影を務める者もいる。尤もやぐらの場合、後の暁によって操られて恐怖政治を行ってしまったが。
人柱力となる人間は離反等をしないように里長の血縁者や配偶者、それに準ずる名族にある者が選ばれているケースが多い(例:九尾に関しては火影の配偶者や子息)。例外として、策略として別のケースもあるのだが。
- これらのことを考慮すると、一忍が五影に任命される一つの基準として「暴走した尾獣や人柱力を対処・処理できる」とする項目があっても不思議ではない。
能力
尾獣由来の異能ばかりが目立つ人柱力であるが、少なくとも彼ら「自身」のチャクラレベルも常人(常忍)のそれらを軽く突き放している。これは、里影など非常に強力な忍の血族である事に起因するだけでなく、通例なら非常に幼い時節より尾獣を体内に宿し、互いのチャクラ同士が密接に絡み常に多大な影響を四六時中受け続ける強制ギプスのごとき状態に曝されているため、人柱力自身のチャクラの半自動的な引き上げと高圧のチャクラへの耐性を得る事にもある。親族が先代の人柱力やその血を引くケースもある人柱力が多いため、その事も関係しているのかもしれない。
尾獣変化の段階としてバージョン1&2の状態があり、バージョン1ではチャクラの衣の他に鋭く伸びた爪や犬歯(八尾など元々牙やかぎ爪がない尾獣も含むので、人間としての野生化かもしれない)、黒く変色した唇(アニメのみ)や変化した虹彩などの特徴が出る。
バージョン2では血のような(人柱力の血肉が実際に消費されている)黒々とした赤または漆黒の超高密度・高重量のチャクラが全身を覆い、ジャック・オ・ランタンの様な顔面になる他、人間のフォルムに尾獣を当て嵌めた形なので、本来の尾獣にないような身体の部分が現れることも。人柱力の運用における最大の利点の「尾獣玉」の使用が確認されているのはバージョン2からであり、作品の都合上なのか各尾獣の特有の能力に因んだ技を繰り出すのもバージョン1より2の方が多い。
また、骨格や外殻などを纏ったバージョン2の第2段階への移行が確認されているのも八尾と九尾のみである。
バージョン2の変身には人柱力の血肉と生命活動に必要なチャクラを急速に消費・強制回復するために使用者の寿命を縮めかねないとされるが、たとえばキラービーの場合はそんなリスクはなく、結局のところ、人柱力と尾獣の親密度や和解の程度、尾獣の方に人柱力を破滅させる意志があるか否かで差が生じる可能性がある。
(一尾だけバージョン形態を披露しておらずハブられがちなのだが、本来なら全員こうなったはずである・・・。)
更に上位の血肉を得て巨大化した形態や「尾獣チャクラモード」も存在する。尾獣チャクラモードには独自の利点が多数ある(実体と痛覚を持たないからこそ可能とする攻撃および防御や戦法)があるが、何だかんだ言っても最上位はやはり尾獣化である。人柱力と尾獣の両方に痛感が発生してしまうが、尾獣の血肉が持つ圧倒的な体積と質量=肉弾能力と物理的な影響度、発動時間、非発光など全てにおいて安定しており、大多数の一般人などを守ったり単体での大規模破壊や工作など様々な場面での有効性が光る。もっとも、全てのモードの利点を最大限に効果的に使い分けられるに越した事はないのだが。
- なお、尾獣チャクラモードの発生理論やうずまきナルトの「子狐モード」は意味不明である。作中では陽チャクラのみでの巨大実態化(八本目)を成功しており、八尾の蛸足の「小八尾化」や陰クラマの存在、影分身系統の忍術の体系化を考慮すると、尾獣本体の意志の介入に関係なく、分断されていてもナルトにぶん取られたチャクラはそれのみでの実態化が可能な筈であるため、(理論上ならば)小狐化などあり得る訳がないのだ。ただ、八尾やキラービーいわく「尾獣化の体現には尾獣の意志とくに協力意欲が関係している」らしいので、影分身同様にたとえ分断されていても同一存在から発生したチャクラはリンクし合っているのであろう(実際に忍界大戦にてこれを応用した作戦をレジスタンス=連合国側は展開していた)。
尾獣のチャクラは毒とされてきたが、それはあくまで尾獣に害意があったからであり、実際の尾獣チャクラとは、強力な生命力や自然エネルギーに近いとも考えられる。
人柱力一覧
尾獣 | 人柱力 |
---|---|
一尾(守鶴) | 分福→我愛羅 |
二尾(又旅) | 二位ユギト |
三尾(磯撫) | のはらリン→やぐら |
四尾(孫悟空) | 老紫 |
五尾(穆王) | ハン |
六尾(犀犬) | ウタカタ |
七尾(重明) | フウ |
八尾(牛鬼) | フカイ→キラービー |
九尾(九喇嘛) | うずまきミト→うずまきクシナ→うずまきナルト→??? |
十尾 | 六道仙人(大筒木ハゴロモ)→うちはオビト→うちはマダラ |
余談
どうしてこうならなかった・・・。