曖昧さ回避
- 『火の光、灯火』又は『灯火に照らされてできる影』の意味。
- 漫画『NARUTO』に登場する階級。もしくはその階級につく人物。本項で紹介。
- 漫画『NARUTO』の中国版タイトル「火影忍者」の略称。
- 漫画『烈火の炎』に登場する、主人公・花菱烈火の出身である忍者集団。もしくはそれにあやかり命名した主人公のチームの名前。
概要
火の国にある木ノ葉隠れの里の里長の称号。
歴代 | 名前 | 師弟系譜、血縁 | 備考、二つ名等 | 性質変化 | |
---|---|---|---|---|---|
初代 | 千手柱間 |
|
| 木・火・風・雷・土・水・陽・陰 | |
二代目 | 千手扉間 |
| 火・風・雷・土・水・陽・陰 | ||
三代目 | 猿飛ヒルゼン |
| 火・風・雷・土・水・陽・陰 | ||
四代目 | 波風ミナト |
| 風・火・雷・陽・陰 | ||
五代目 | 綱手 |
| 火・雷・土・水・陽・陰 (陰はアニメのみ) | ||
六代目 | はたけカカシ |
|
| 雷・土・水・火・風・陽・陰 (氷などは派生作品のみ) | |
七代目 | うずまきナルト |
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| 風・土・陽・陰・陰陽※、尾獣の力で使える他の性質変化 | |
八代目 | 奈良シカマル(漫画版) |
| |||
※陰陽遁と陽遁と陰遁は別物なので注意
系譜で言えば、千手一族の血脈とその弟子たちで構成されているとも云える。
また、他里の影たちとは異なり、「国名(火の国)」と「得意遁術(火遁)」の属性が合致する者が少数派という意味でも特徴的である。むしろ、うちは一族や猿飛一族などの方が火遁を使う印象が強い。
設定上、火遁を使用できるのは柱間、扉間、ヒルゼン、綱手、ミナト、カカシであり、ナルトも溶遁と沸遁は使っている他、アニメでは口寄せ蛙達とのコンボ技の蝦蟇油炎弾や九尾化状態で火炎放射を使っている。しかし、他里の影と比べると自里を象徴する属性の忍術を「得意」として「メイン」に使うことは少なく、せいぜいヒルゼンが多少使う程度である。
木ノ葉隠れということで、むしろ柱間の木遁の方が印象的である。
歴史
80年以上昔の戦国時代、千手一族とうちは一族は互いに戦闘一族として名を馳せていたが、長い争いの中で疲弊していく。
その最中、千手一族の長柱間は奇しくもかつて友となったうちは一族の長マダラと激闘後、幼き日にマダラと交わした『子供を激しい戦地へ送ったりしないで済む集落を作る』という夢を共に実現させようと訴えかけ、双方ともに休戦をする。
そして領土の平定を望んでいた火の国との協定を結び史上初の忍族連合体であり里が誕生し、マダラによって木ノ葉隠れの里と名付けられた。
また里の長、火影の名は火の国から里の代表を決めるよう要請があった際、『火の国を守る影』という意味から柱間が名付けた。
また戦乱の世に誕生したこの里システムは多くの者から高く評価され、模倣されていく。
「火の国の木ノ葉隠れと火影」というシステムは大国に飛び火し、所謂忍五大国の隠れ里と五影が誕生し、小国の中にも里システムは受け継がれた。
隠れ里 | 大国 | 里長の称号 | 尾獣 | 備考 |
---|---|---|---|---|
木ノ葉隠れ | 火の国 | 火影 | 九尾:九喇嘛 | 大陸のほぼ中央、森林が多い |
雲隠れ | 雷の国 | 雷影 | 二尾:又旅、八尾:牛鬼 | 高山などの山脈地帯が多い |
岩隠れ | 土の国 | 土影 | 四尾:孫悟空、五尾:穆王 | 岩山が多い |
霧隠れ | 水の国 | 水影 | 三尾:磯撫、六尾:犀犬 | 海などの特殊地形が多い |
砂隠れ | 風の国 | 風影 | 一尾:守鶴 | 砂漠の国で資源が少ない |
※七尾:重明は五影会談で五大国に属さない滝隠れの里に分配されている。
※一尾:守鶴は、もともと風の国が有していた尾獣。
また自身が火影になると考えていなかった柱間の発案により、里を守る象徴として木ノ葉隠れには歴代の火影の顔が刻まれた火影岩が存在し、顔岩は里を見守るような形となっている。
モデルはアメリカのラシュモア山の大統領の胸像であり、連載当初はモデル同様、火影岩の顔岩は四つであった。
在位期間
歴代火影の在位期間は明言されていないが、推測する根拠となる情報はある。
・木の葉創設は本編終盤の67年前(陣の書)
・初代火影は里の興りと時を同じくして命を落とした(臨の書)
・柱間は忍界大戦の度に尾獣を他里に配った(本編トビのセリフ)
・柱間が最初の五影会談で尾獣を他里に配った(本編柱間の回想)
・第二次忍界大戦は第一次忍界大戦の20年後
・柱間は孫の綱手(物語終盤で55歳)を甘やかした(本編柱間のセリフ)
・扉間がヒルゼンを三代目に指名したのは31年前(陣の書)
・三代目は歴代火影の中で在位期間が最も長い(臨の書)
・三代目は第三次忍界大戦の責任を取って火影の職を退いた(イタチ真伝)
・本編終盤の18年前は第三次忍界大戦の最中(オビトが本編終盤の時点で31歳だが、第三次忍界大戦中の神無毘橋の戦いの時点では13歳)
・本編終盤の17年前の九尾事件で四代目が死亡(本編)
・本編終盤の5年前に木の葉崩しでヒルゼン死亡(陣の書)
候補者
火影の引退や殉職、緊急時代に伴い前任の火影やご意見番たちなどの発言力のある上層部の上忍が次代の火影を推薦することがある。
その推挙の後、火の国の大名の承認を受け、上忍衆からの信任投票によって正式な火影となる。
ご意見番の水戸門ホムラ、うたたねコハルは三代目やダンゾウ同様二代目火影の弟子であり、火影選出に大きく関わっていた。
協議の際には火の国の大名と大名側の役人たち、木ノ葉隠れ側からは当代火影、ご意見番、正規部隊の上忍、暗部(恐らく部隊長クラス)が出席する。
三代目の引退に伴う四代目火影の誕生の折には、大蛇丸は志村ダンゾウに推薦され、うちは一族は一族の長であるうちはフガクを推していたことが描かれている。
三代目の殉職に伴う五代目火影の選出の際には、ご意見番の二人は自来也を五代目に推薦している。
自来也は上述の火影の師弟系譜から見ても、三代目火影の弟子にして四代目火影の師匠という非常に重要な立ち位置にあったが辞退し、同じ三代目火影の弟子であり初代火影の孫である綱手を推薦する。
また綱手が深手を負い意識不明の間、六代目火影の候補として志村ダンゾウ(自薦)とはたけカカシ(奈良シカク上忍の推薦)の名が上がる。
里の創設期において、千手柱間は初代火影にうちはマダラを推していた。
しかし、火影は火の国と里の民意を反映させるべきとする千手扉間は異を唱えており、結局創設の立役者である柱間が初代火影に就任する。
火影装束
火影は会談の時などでは【火】の文字が書かれた赤い笠を市女笠の虫の垂衣のような白い布と共にかぶり、白を基調とした装束を待とう。
三代目のヒルゼンや六代目のカカシのように全身白い衣装を纏う場合と、四代目のミナト、七代目のナルトのように通常の忍装束の上に白い羽織を纏う場合がある。
また綱手のように就任式の時のみ火影の笠を被るという者もいる。
白を基調とした羽織の後ろには「〇代目火影」と刺繍が施されており、この刺繍は初代から七代目までは刺繍屋の女将が務めてきた。
しかしこの女将は本編では既に高齢な上、歴代の羽織の刺繍を務めたという誇りから拘りが強く、刺繍に時間がかかり、カカシの就任式の際には間に合わず、カカシは継ぎ接ぎ状態で就任式を行うことになった。
波風ミナトの羽織は裾の部分が炎をかたどった模様となっているが、他の火影はデザインが異なるためデザインは個人の自由と思われる。
また忍里システムが他里に飛び火したようにこの装束スタイルも流用されており、木ノ葉隠れの里の火影が赤、雲隠れの里の雷影が黄色、岩隠れの里の土影が茶、霧隠れの里の水影が青、砂隠れの里の風影が緑(アニメでは五影会談編以前は青)を基調とした笠を被っており、文字はそれぞれの影の名、雷、土、水、風となっている。
五影会談の際はこの笠を五角形のテーブルの中央に置くのが一般化している。
火影という存在
火影を含む雷影、土影、水影、風影ら五影は全世界各国何万の忍者の頂点に君臨する忍者である。
すなわち影の名を継ぐということは所属する隠れ里で一番強い、里一番の忍者という解釈ができ、多くの忍や忍を志す少年少女の将来の夢として挙げられている。
作中では主人公であるうずまきナルトや三代目の孫・猿飛木ノ葉丸は火影になることを目標にしていた。
また過去には戦死した綱手の弟・縄樹と恋人・加藤ダン、かつてのカカシのチームメイト・うちはオビトらの夢であったが、この夢を実現できたのは連載当初は波風ミナトのみだった。
またナルトの母、うずまきクシナも転校初日の自己紹介の折に史上初の女性の火影になると啖呵をきっているが、これは他里出身の彼女が見くびられないために発言したものである。
また次世代の子供たちの中にも火影を目指す少女やそのサポート役を買って出る少年が存在するなど、大戦を終えてもなお多くの者たちの夢の象徴となっている。
歴代の火影たちは師弟関係を軸に就任しているが、うちはイタチはナルトに対し「“火影になった者”が皆から認められるんじゃない。“皆から認められた者”が火影になるんだ」と述べている。
事実、木ノ葉隠れの里の創設者である初代と二代目以降は木ノ葉隠れ創設に貢献した千手一族の血縁に関係の有無ではなく、純粋に忍びとして最たる実力があり、リーダーにふさわしい器量の持ち主が火影に選ばれている。
また火影という存在はその戦闘能力のみならず、木ノ葉の里の精神的支柱としての側面があり、里の民を『家族』と称する者が多い。
火影と家族
火影の威光はその家族にまで及ぶ場合が多い。
初代火影の孫である綱手は『姫』と称されており、三代目の孫である木ノ葉丸は『お孫様』、七代目の息子であるうずまきボルトは『若』と呼ばれていた。
また火影はその重責から多忙を極めており、家族をないがしろにしていると感じる子供もいる。
また尾獣を封印する人柱力となる人間は一部の例外を除き裏切りがないよう、五影の血縁者や配偶者、それに準ずる近い血縁関係にある人物が選ばれるのが常。
尾獣最強とされる九尾を擁する木ノ葉隠れでは初代火影の妻と四代目火影の妻子が九尾の人柱力であったことから、火影に任命される一つの基準として「暴走した九尾や人柱力を対処・処理できる」ことが必須となる。
また人柱力は里長である影を守る力、影の力を誇示する存在でもあるとされている。