概要
写輪眼の上位種。
うちは一族の長い歴史の中でも開眼しえた者は僅か数名しか存在しない伝説の瞳術とされ、最初にうちはマダラが開眼した。
ただ下記の通りやたらめったら開眼している者が多い上、ナナシに数々の万華鏡瞳術を移植して兵器運用した実績や、イザナギイザナミ関連の逸話を考えるとこれはフガクの意図的な誇張の可能性が高い。
「写輪眼」が変異した形であり、発動の際は瞳の文様が変形する。
通常は「勾玉文様が浮かび、赤く光って見える」というのが全てのうちは一族に共通するのだが、万華鏡写輪眼(以下、万華鏡)は形状が個人によって異なる仕様。
- うちはイタチ:三枚刃の手裏剣
- うちはシスイ:四枚刃の手裏剣
- はたけカカシ、うちはオビト:二重の三枚刃の手裏剣
- うちはサスケ:六芒星
- うちはマダラ:車のギアのような形
- うちはイズナ:円形から三つの突起が伸びている
- うちはフガク:三枚刃の手裏剣に、その間に丸模様
- うちはナオリ:花弁のような形
- うちはシン:中央の大きな円から小さな三角が三つ飛び出ている。オリジナルとクローン共に同じ模様
- うちはサラダ:太陽のような形
- うちはナナシ(ゲームオリジナル):渦を巻くように配置された三つの鏃型
全ての面で写輪眼を凌駕する瞳力を誇り、この形でのみ使用が可能となる瞳術も存在する(天照、月読、神威、別天神、須佐能乎など)。
また、万華鏡は写輪眼とは違い目の文様も、もたらされる力『瞳術』も特別な要因が無ければ開眼した個々で異なる。
開眼する瞳術の場合は左右の眼で同じ場合や異なる場合もある(シスイの万華鏡は左右で同じ瞳術「別天神」が宿っている)。
ただし、強力な術の常として一回の発動に膨大なチャクラを必要とし、また術によっては肉体に直接強い負担が掛かる場合もある。
また、黒ゼツ曰く「万華鏡写輪眼なら時間差で発動するように瞳術を仕込むことができる」らしい(例:イタチがサスケの左眼に仕込んだ天照、マダラが己の右眼に仕掛けたイザナギ)。
開眼条件は「最も親しい友を殺すこと」であるとイタチの口から語られているが、マダラ曰く「最も親しい者の死を経験すること」と若干の差異があり詳細は不明。
ただ、カカシがリンを殺した時に開眼し、オビトがその光景を見て開眼しているのでその両方の可能性もある。
写輪眼の発動条件を考慮すると、万華鏡写輪眼の開眼条件は「親しい誰かと死に別れる程に強い精神的ストレスを受け、深い負の感情(所謂悲しみや怒り)を抱く」事だと思われる。
原作に置いてサスケはイタチへの復讐を果たした後で、トビから「親しい者の死」の条件を説明される。
この時点では単純にイタチの死=サスケの万華鏡開眼の条件ともとれるが、ようやく復讐相手を殺して喜んでいたためか(イタチが仕込んだ天照以外で万華鏡の術は発動していないことを除けば)彼自身の万華鏡は開眼している描写はない。
その後でイタチの一族抹殺と死を選んだ理由を聞かされた後でようやくサスケ自身の万華鏡が初登場した。
そのため、ただ単に親しいものを殺したり死んだことを認知すればよいというわけではなく、その事で心底絶望したり、人格が変わるほどのトラウマを抱えたりする必要があることが窺える。
逆に言えば「より強い力を得るため」などと言う理由で「平然と親しい友を殺せる外道」には決して開眼し得ない瞳術であるといえる。
なお開眼によるチャクラの噴出か、その原因となる大きな精神的負荷のどちらが原因かは不明だが、万華鏡写輪眼に開眼するとチャクラの質そのものが暗く冷たいモノに大きく変化する。
サスケと付き合いの長い春野サクラや香燐は開眼直後のサスケを見て「別人のように冷たい」チャクラに変わったと評し、またミナトもトビの正体に気付くことが出来なかった。
術者に大きな代償と変質を強いる開眼条件ゆえに、うちは一族の間でもその存在は秘匿事項とされ、木ノ葉隠れにも文献は殆ど残されていない。
フガクがサスケに「歴史上数人」などという盛りすぎなレベルの誇張をして話したのも、これを語っている場面が幼いサスケに尋ねられて仕方なくであることと、開眼条件を考えると「本来生涯開眼しない方が幸せな写輪眼(というか写輪眼自体、基本的に幸せでなかったものが発現してしまうモノでありその上位版など尚更)」であるため「伝説上のものだから目指すようなものではない」と思わせる必要があったと考えられる。
第一フガク自身開眼しているため、「歴史上数人」なんてレベルのレアスキルではない事は知っていたはずである
更に言うなら「万華鏡写輪眼を手に入れたぜ!!」などと嬉々として語る、語れてしまうメンタリティの者は上記の通りそもそも開眼することができないため、伝承そのものが少ない理由にもなっている
実際に第四次忍界大戦後に生まれたサラダが調べても要約して「凄い写輪眼、使い過ぎると失明する諸刃の剣」位にしか書かれておらず詳しい情報を知ることができなかった。
万華鏡を得ることの苦しみと意味を知るサスケとサクラは、いつか娘がそのような事態に陥るのではないかと不安視していたが、残念ながら現実となってしまった。
ただ、対象を永遠に喪失したわけではない事から、従来の開眼者のような暴走状態には陥っておらず、信じて待ち続けている。
永遠の万華鏡写輪眼
万華鏡写輪眼は一度開眼するとその能力を使えば使うほど失明へと向かっていくリスクを伴う。しかし万華鏡は一族の他者の万華鏡を自分の目に取り込むことで、視力が低下しない「永遠の万華鏡写輪眼」へと変化させることができる(文様にも変化が起こり両者の万華鏡が重なりあった形状となる)。
固有瞳術
- 月読
イタチの左目に宿る力。
通常の幻術は時間経過が現実に即するが、この術は幻術世界での時間すらも術者が自在に操ることができる。
つまり、普通の幻術ならばかかり切る前に仲間が対処できるが、この術ならば現実では一瞬、幻術世界では72時間攻撃されるという離れ業が可能。
サスケの左目、イタチの右目に宿る力。
「炎遁」という性質変化に属する。
対象を燃やし尽くすまで決して消えない黒い炎を発生させる。
術を宿す目の視界内に対象を捉えるだけで発動させることが可能で、その熱量は火遁などの一般的な炎さえ焼き尽くすほどに膨大。強力だが他の瞳術以上にチャクラを消費してしまい、発動する度に血涙が流れるほどの負荷が掛かってしまう。
ちなみにイタチはサスケと違って目を閉じるだけで鎮火することが可能。
本編終了後のサスケ真伝来光編と、BORUTOのアニメ版にて、サスケが右目で天照を発動しているように見える描写がある(後者の漫画版では左目で発動している)。
視点から発火するという性質上、神威によるすり抜けが不可能な数少ない術の1つ。
- 炎遁・加具土命
サスケの右目に宿る力。
天照の黒い炎を自在に操るもので瞳術の「視点にしか機能しない」という弱点をこの形で克服した。
作中で超スピードで移動する四代目雷影に対し「触れられない黒炎の盾」で対応した。
なお、この術だけでも黒い炎を発火させることは可能だが、射程距離が短い上に小さな炎しか出せないため、実質的には天照で発火・この術で形態変化、という使い分けの必要がある。
ナルトとの最終決戦では瞳力の酷使で左目が開けられなかったため、千鳥にこの術で炎遁を付与して強化を図った(建御雷神)。
オビトの両目に宿った瞳術。
専用の時空間に自他の対象を転送するが、左右で微妙に能力が異なる。
カカシに移植された左目は他者の転送に特化しており、「写輪眼の視界に捕らえた任意の位置の空間を引きちぎって別の場所に強制的に飛ばす」という術であり、攻撃は勿論防御にも優れた瞳術であり、序盤から最終決戦まで活躍した。
反面、自身の転送は右目ほど融通が利かない。
オビトの持つ右目は自身の転送に特化しており、自身の体の一部分を時空間に飛ばす。
時空間と体を直結させ、攻撃や他の物体が当たると同時にその部分だけ転送することで、それを「すり抜ける」絶対回避が可能だが、この状態は連続で5分しか維持できない。
また、空間をマーキングし自身を吸い込むことで、時空間を介した短縮移動が可能となる。
反面、他者の転送は左目ほど射程が長くない。
シスイの瞳術で最強の幻術。
幻術をかけた本人に錯覚させることなく操ることができ、これは穢土転生の強制力さえも上書きする。
しかし、柱間の細胞でもないと再使用できるまで十数年という途方もないインターバルがかかる。
イタチは予め口寄せ用のカラスの1匹に写輪眼を仕込んでおり、ナルトに対してイタチの写輪眼を向けた者に「木ノ葉を守れ」と言う命令の幻術をかけるように仕込んでいた。
本人はサスケが自分の眼を移植すると踏んでサスケに別天神を掛けるつもりでナルトに託していたが、第四次忍界大戦にてこの瞳術を自身に掛けて上書きし、穢土転生の制御を脱している。
- 八千矛(ゲームオリジナル)
ナナシの瞳術、「やちほこ」と読む。
対象者と自身のチャクラをリンクさせる。
リンク状態の対象者のチャクラは術者の制御下に置かれ、必要とあらば術者へと還元される形で吸収するか、逆に術者自身のチャクラを対象者に受け渡すことも可能。
ストーリーではこれを、無限月読を応用した大幻術「印刻月読」で世界全ての忍にマーキングする形で発動させ、起点としてナルトの記憶を消去・改竄する形で世界中に戦争を起こそうとした。
終盤では黒幕だったメルツが「瞳術を複写する義眼」の力でこの術をコピーしてチャクラ還元能力を使用、不完全ながら完成体須佐能乎をも発動して見せた。
かつてのうちは一族はこれに目をつけ、開眼者のナナシを兵器として扱っていたが、トネリの手引きを受けたボルトによる歴史介入でナナシの脱走を許したことで、兵器として運用された事実そのものがなくなり、歴史から忘れられている。