ペイン六道
ぺいんりくどう
暁のリーダー・ペインの総称。個人名ではなく、輪廻眼を持つ6人の忍全員を指している呼び名である。
メンバーはそれぞれ仏教における6つの世界である六道から、餓鬼道、地獄道、人間道、修羅道、畜生道、天道の名前が与えられている。
全員が共通の人格を持つが、このうち弥彦の死体を素体とする天道をメインとして行動する事が多く、メディア各種への露出も最も多い。
メンバー全員が輪廻眼を持ち、それぞれ視野を共有している。また、それぞれのペインには一人一系統の能力が与えられている。
故に、戦う際には1対1に持ち込むのが常套手段である。
その正体は本体である長門がチャクラによって操っている死体である。
自来也は6人全員の生前の姿に旅の中で出会ったことがあり、アニメ版ではその出会いについてそれぞれ描かれた。
長門は普段安全な場所に身を潜めながらペインを操作し、暁のメンバー達に様々な指示を下している(当初、暁のリーダーはペイン=長門とされていたが、後にトビが真のリーダーであることが明かされる)。
ペインの体には至る箇所に金属の棒(要はアンテナ)が埋め込まれており、これによって長門からのチャクラを受信し、活動している。
この金属の棒を武器にした接近戦も可能であり、相手に自身のチャクラを流し込む事で、相手の感覚を乱して術の命中精度を下げると言う使用法も可能。
また、長門が6体全てを操作しているのは上述したが、ペインにかけられた幻術は長門本人には影響を与えない。このため、それこそ6体全てが同時に引っかかりでもしない限り、幻術攻撃に対しても実質耐性があると言える。
ペインは全員(修羅道、畜生道を除く)が同じ色の頭髪と声を持っている。
また、個体が死亡しても、他の者から抜き取った魂を入れる事で、何度でも復活させる事が可能。また、各能力は元々長門が持っていた輪廻眼の基本能力「六道の術」を分割して与えられたものである。
その為、本体「外道」に当たる長門はペインの六系統の能力に加え、生体を必要とする外道の術を使用可能。さらに、天道にチャクラを集約することで術の規模を拡大できる。
輪廻眼同士の視界の共有により、お互いの視覚をカバー出来る為、完全な下位互換と言う訳ではない様子。
後に長門の輪廻眼の片目を移植したトビの手によって、薬師カブトによる穢土転生体の人柱力に写輪眼と輪廻眼を移植したペイン六道も登場したが、こちらは尾獣の技を使いながらも六道の能力は未使用。
これには『既に対策を立てられている能力を使う必要はない』と判断されたか、『尾獣を制御する為チャクラを割けなかった』からか、あるいは『本体が長門ではなかった』から等の理由が挙げられるが、詳細は不明である。
ただ、視覚の共有は出来ていた為、視覚の共有にはチャクラが不要、あるいは輪廻眼の固有能力とも考えられる。
後に発売された陣の書内で、この視界共有能力は畜生道の持つ「口寄せ輪廻眼」と呼ばれる術による効果だと判明した。
天道
ペイン六道の象徴的な個体。
暁のリーダーとして指令を出すときなど単独行動時は主にこの姿でおり、ペインと聞けばこの姿を思い浮かべる人がほとんどだろう。
その正体は暁の創設者である弥彦であり、生前は長門や小南達と行動を共にしていた。
天道に力を集中させる事で、術の精度を本体のそれに近い状態にする事も可能。
わざわざ弥彦の遺体を素体に使った理由は、「生きた屍同然であっても3人ともに在りたい」と言う長門の意志と、「暁のリーダーは永遠に弥彦である」と言う信念。
またその都合上、他の個体と違って替えが効かない為か、ペインの中ではもっとも頑丈に調整されている。
- 神羅天征
斥力を操り、相手を弾き飛ばす術。
全方位をカバーできる攻撃範囲の広さとナルトの螺旋手裏剣をも打ち消す威力を持つ。
らろ
ペインの力を集中して放ったその力は木ノ葉の里を一瞬で壊滅させる程の圧倒的なもの。
弱点は一度使用すると、再使用まで最低でも5秒のインターバルが発生すること。なお、天道に力を集中した際には里一つを更地にできるほどの威力を発揮するが、本体である長門自身への負荷が大きく、またインターバルも非常に長くなる。
- 万象天引
引力を操り、相手を引き寄せる術。
この術から体術へのコンビネーション攻撃に派生したり、武器を構えたところに相手を引き寄せて串刺しにするといった使用法が見られた。
- 地爆天星
引力球を作り、周りに周囲の物体や地面を引き寄せて相手を閉じ込める術で、引き寄せられた球体はまるで小さな星となる。おそらくはそのまま圧力で押し潰すことも可能。
引力球が破壊されると術も止まるという弱点がある。
チャクラの消費が非常に大きく、天道に力を集中させなければ発動できない。
- 真・地爆天星
アニオリで天道が使用した術。里全体を岩の結界で包み込み大きな球体にして宙に浮かした。更に結界が徐々に縮小していくと、最終的には大爆発を起こして里の者を全て殺してしまうという恐ろしい術となっている。
但し、これは綱手の夢の中で自来也が書いた小説内の術なので、本物の長門が使えるかは不明。
餓鬼道
大柄な体格の個体。
相手の術のチャクラを吸収し、無効化する能力を持っている。当然、体術に対しては無効。
長門が使用した際にはキラービーの雷利熱刀を吸収し、白髪だった髪に色が戻った。
生前は草隠れの忍であり、アニメ版では賭場で揉めていた所に自来也が割り込み、酒場で酔い潰れていた事が描かれた。
- 封術吸引
体内のチャクラ循環を逆転させ、敵の忍術を吸い込んで体内で霧散させる術。
これにより、チャクラを用いた術は全て吸収されてしまい通じない。また、霧散させずに自身のチャクラとして取り込むことも可能。
ただし、柱間の木遁や我愛羅の砂のように実体のある術は吸い取れない。
加えて、仙人モードの仙術チャクラは吸収自体は可能だが大量に取り込むと石化してしまう天敵。
人間道
細身で長髪な個体。
相手の記憶を汲み取り、読む事が出来る。記憶の解読後にはそのまま相手を即死させる。戦闘では凶悪すぎて真っ先にやられる不遇なペイン。(塩試合製造機になっちゃうし…)
後に、人柱力が尾獣と行うチャクラの綱引きと似た原理であると、キラービーが推測している。
生前は滝隠れの忍であり、アニメ版では子供達に生き残る方法を教えていた。
- 吸魂の術
手で相手の頭を掴むことで記憶を読み取る。頭を掴まれている相手は全く動けなくなり、そのまま魂を引きずり出して殺害することも可能で、諜報と口封じにはもっとも向いている。ただし頭以外の場所を掴んだ場合は普通に抵抗が可能。
抜き取った魂は地獄道の能力で管理される。
畜生道
長い髪を後ろに束ねた個体。
雨隠れの里にて自来也と戦った際に結界に引きずりこまれ、そのまま螺旋丸をもろに受けて活動停止した。口寄せの術を得意とし、動物を呼び寄せる事はもちろん、遠くにいる他のペイン達を召喚も出来る。
木ノ葉襲撃時には女性の個体に変わっている(能力は全く一緒)。
生前、自来也と戦った風魔一族の男であり、村を焼き討ちしていた際に交戦、額に傷を負った。
再登場時は雨隠れの下忍の忍、アニメ版での生前は「アジサイ」と言う名のくの一で、ナルトが戻ってくる前に行われた合同中忍試験に参加していた。その後S級任務を与えられその任務にて殉職し死体は回収された。
- 口寄せ輪廻眼
口寄せした対象に輪廻眼をコピーし、視界を共有する。長門はこれと外道の術の併用でペイン六道を構成した。付与するチャクラを増やすことで六道の力の一つを使わせることも可能。
地獄道
いかつい顔の個体。
つかんだ人間に尋問を行い、背後に出現する閻魔のような顔(幻術の一種)に魂をつかませ、抜き取ってしまう。
この際、嘘を吐かなければ魂は無事。抜き取った魂を死んだ他のペインに移して蘇生させる事も可能。
アニメ版での生前は廃村で村人を集めて演説を行い、戦乱を生き抜くにはただ祈るしかないと訴えていた。
- 口寄せ・獄閻王
地獄を支配する閻魔大王を口寄せし、魂を管理する。
敵に対して使えば尋問に使え、嘘をつけば魂を抜き取ってしまう。ただし「情報を知っている嘘つき」も問答無用で殺してしまうため、質問する内容もよく考える必要がある。
修羅道
ロボットのような個体。
体が傀儡化しており、体の至る箇所に武器が仕込まれている。
長門が使用した際にはカラクリの鎧を召喚する術となった(性能は同じ)。
アニメ版での生前は傀儡師であることが窺え、カラクリの技をどこかへ売り込もうとしており、自来也曰く『破滅の時代の波に乗ることを選択した』とのこと。
- 修羅の攻
体の内外に兵器を口寄せして使用する。「NARUTO」の世界観に存在しない、要は異世界の兵器も対象であり、ミサイルやレーザー砲と言った近代兵器も使用できる。
ペイン修羅道はこの能力を付与されたことで全身がサイボーグと化しているが、本来は長門が行ったようにカラクリの鎧を口寄せする術。
- 弾頭の火矢
ペイン修羅道の右腕に仕込まれたミサイル。手首をつかんで引き抜くことでセットされたミサイルが露出・発射される。
- 怪腕の火矢
同じく左腕に仕込まれたロケットパンチ。切り口はチャクラで防護されており、すぐにくっつく。