日本の伝承に登場する怨霊の中でも特に非業の死を遂げられたお三方。
概要
『菅原道真』
平安時代の政治家・学者。醍醐天皇の御代に右大臣となったが、藤原時平の讒言によって大宰府に左遷された。現在では「天神様」として知られ、江戸時代より学問の神様(合格祈願の神様)として信仰されている。
『平将門』
平安時代に坂東(関東地方)で反乱を起こし敗れた武将。生首伝説で有名。
『崇徳院』
平安時代の第75代天皇。譲位してからは上皇。保元の乱で後白河天皇に敗れ讃岐国に流罪。
江戸時代において読本や歌舞伎など、後世に物語化され親しまれた上記お三方が一般的には三大怨霊とされる。
別格の大怨霊
他にも、日本の史料上で初めて「怨霊」という言葉が用いられた早良親王を三大怨霊として挙げる人もいる。
『早良親王』
奈良時代末期の皇族。追称は崇道天皇。御霊信仰で祀られる御霊の筆頭として崇敬され、一方では日本三大怨霊をも上回る別格の大怨霊ともされる。天神信仰の説話では、天満大自在天神(菅原道真)に随行し、日本鎮国の神々を糾断する筆頭となっている。
なお、それぞれ怨霊として畏怖されていると同時に、その霊を鎮めて平穏をもたらす神として祀る御霊としても信仰をされている鎮護の神でもある。御霊信仰の観点からみれば、日本三大怨霊は日本を守護する日本三大御霊とも言えるだろう。