この記事はネタバレを含みます
CV:田丸篤志
概要
現在ほぼ壊滅状態にある暗殺組織「庭園」を取りまとめているリーダー的存在。
白装束を身に纏い仮面のようなもので目元を隠しているため素顔や全体像は分からない。
尊大で自身に陶酔してるような言動を取るが実力は本物で連結して一本の大剣になる二振りの特殊な剣を武器にして戦う。
スウィンとナーディアが組織から脱走してから台頭した人物らしく二人は彼にあまり詳しくない。
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素顔
そもそも、庭園にはマスターなど存在せず四人の管理者がそれぞれの庭を運営しており、加えてメルキオルが謝肉祭で敗北した後に全ての庭の構成員達に殺し合いを命じて、双子の暗殺者以外はその大半が死んでいる。
にもかかわらず、あろうことかガーデンマスターは《剣の1(エース・オブ・ソーズ)》を名乗った。そのコードネームは《3と9》の登場人物で、スウィンが殺したはずのナーディアの実の兄。数年前に死んで、既にこの世にいないはずの彼であった。
が、二人をよく知る口ぶりを聞かされてもスウィンが殺したことを知っているナーディアは明確に否定するが、スウィンだけは混乱してしまった。スウィンにとってガーデンマスターの剣技は相棒だったエースのそれであったので、無理からぬ事だった。
そして、ネメス島で素顔を晒したその顔は紛れもなくエースであった。スウィンが殺した頃より数年分は成長しているが、間違いなくナーディアの兄であった。
正体の先にある真実
だが、スウィンとナーディアへの拘りを見せるエースにしてはあり得ない思想と言動………正しい歴史や真なる革命という現在の共和国を否定する態度が目立っていた。
決定的なのはナーディアに言わせると、口にする言葉全てが安っぽすぎるということ。それを言われたアークライド解決事務所のメンバーも、庭園の管理者達や結社ですら持っていた芯をガーデンマスターからは感じられず、何よりもスウィンがナーディアを傷つけるのを承知で寝返るほどの男とは思えないと同意した。更にナーディアから薄っぺらで幼稚で空っぽと追い打ちをかけられ、ガーデンマスターは激昂して本性を現した。
ゲネシスの侵蝕で取り込んだスウィンの手前殺さないでいたが、自分の思想を徹底的に否定されて遂にナーディアを殺そうとするが、ここでボロが出た。エースならば絶対にあり得ない………実の妹のナーディアを殺そうとする場面を見ていたスウィンは改めてガーデンマスターがエースではないと確信して黄金蝶の助力を得て奇襲、ナーディアとの連携でラピスを奪還した。実はグレンデル=ゾルガが密かにスウィンが受け入れた侵蝕が契約に近く、定めた条件と矛盾する一線を越えれば解けると助言していたのだ。ナーディアを殺そうとしたのがエースでないという何よりの証拠で、第八のゲネシスも奪われ、グレンデル=ゾルガも撤退。追い詰められたガーデンマスターはまだ主導権を持っていた《お伽の庭城》のリソースと七耀脈を取り込んでいく中、ヴァン達は改めてガーデンマスターの正体を問い詰める。
エースでないにもかかわらず、スウィンを騙せる記憶。加えて、これもまたエースでは知るはずもないD∴G教団のあるロッジを懐かしむような態度。度々口にしていた正しい歴史や真なる革命………それらの言動は、暗殺者というよりも思想家のそれに近かった。
本来ならば、あり得ないし飛躍しすぎている話。だが、ヴァン達はそのあり得ない飛躍した事態を何度も見て、経験した。だからこそ、考えられる。
革命で滅亡したカルバード王家がD∴G教団に匿われて生き延びていたのならば、同じように革命に関わった何者かが教団にいてもおかしくない。
革命や歴史に拘る人物を、彼らは一人だけ知っていた。共和国の市民であれば、誰もが知っている人物。アニエスがその名を問うた。
オーギュスト・アルダン――それが、貴方の本当の名前ですね……!?
その名を聞いて、ガーデンマスターは哄笑した。
まさか――――この時代の人間にその名を呼ばれる日が来ようとはな。
そうだ―――私はオーギュスト・アルダン。
百年前、シーナ・ディルクらと共に理想を掲げて立ち上がった革命の徒だ。
その正体は百年前の民主化革命で王家を打倒したシーナ・ディルクの同志の一人、《思想家オーギュスト》本人であった。
百年前、悪逆を尽くす王家を打倒するべくシーナを筆頭にアトキンソン将軍や芸術家アラミスと共に彼は王家を打倒し、自由を勝ち取った。
が、そこから四人の結束に綻びが生じ始めた。目指した未来と思想のすれ違いが四人の間で生じ、共和国の未来を案じたオーギュストは三人の意志を無視して恐怖政治を敷いた。シーナらはオーギュストを捕らえ、反逆者として処刑………革命の同志でもあったオーギュストは革命の母を裏切った狂った思想家として歴史に名を刻み、その生涯を終えた。
が、オーギュストは意識だけの存在となり、生き長らえていた。D∴G教団が所持していた古代遺物に怨念を吸収されていたのだ。その寄生先こそ教団の最悪のロッジの一つ、《楽園》であった。
それから百年もの間、オーギュストは教団に寄生して共和国の趨勢を見届け、十一年前の教団壊滅後は庭園に寄生先を移していた。庭園が壊滅した後、棘の管理人が極秘に製造、保有していた模倣擬体を獲得した。
それこそが、もっとも優秀な構成員とされたエースが数年後に成長した肉体であった。更に、その管理人がアルマータの首領ジェラールから譲り受け、導力ネットに繋ぐ形で保管していた第八のゲネシスのコア部分を獲得し、大陸最高のAIを緋のアルテラに書き換え、グレンデル=ゾルガを生み出した。
一連の事件を引き起こした真の目的は自身の理想を現実とするため。百年前に仲間達とすれ違った末に断たれた真の革命を果たすべく、あの百年前に大陸の歴史を巻き戻すことであった。
すなわち、本作の黒幕はこのオーギュストだったのである。
事実、第3部Fルートの冒頭、大規模な侵食が起きヴァンたちが倒されていく時、オーギュストはこう叫び、自らの悪願が成就されるのを喜んだ。
これをもって全ての”実証”は済み、収束されし”因子”は我が元に集った・・・『今より』歴史が正される……!!
カルバードよ!ゼムリア大陸よ!真なる歴史を、新たな世界を照覧せよ!!
もし、オーギュストの野望が叶い、革命時代から歴史を修正した場合、ゼムリア大陸の歴史そのものが変わるのは間違いなく、イーディスやヴァン達を含む住民と空までもが“侵食”され、消滅していった(その直後にゲネシスによる巻き戻りが起こったため、他の死亡ルート同様『なかったこと』にされたが)。
最期
しかし、幾度の巻き戻りを経てゲネシスを奪還し、手の内を知り尽くしたアークライド解決事務所の反撃の末、真の姿であるオーギュスト=ドグマになるも、最期は敗れ去った。
……どうしてだ、アラミス……!
何故分かってくれない、アトキンソン……!
………シーナ、私は……!……ただ、君達と夜明けを――――
最期の彼は、すれ違った仲間達への想いを口にして霧散し、オーギュストの理想とする革命は今度こそ終焉を迎えた。
庭城のリソースが失われ、渦に吸い寄せられたラピスを追ったスウィンとナーディアは異空間に飛ばされてガーデンマスター……否、オーギュストが消滅したことで解放されたエースと再会した。ほんの短い再会でエースは二人の成長や、クロスベル・カルバードでの仲間との出会いを喜び、最後にラピスの改竄を元に戻し、この世を去って行った。
正体の関連タグ
黒幕 卑劣漢 まさに外道 狂人 D∴G教団 カルバード共和国 誰だお前
リィン・シュバルツァー――成長したエースの身体と同じく、こちらはエリュシオンが作った模倣擬体で、リィンの別の可能性。身体を乗っ取られたという意味では同じ。
軌跡シリーズの思想家的ボスキャラクターつながり
ゲオルグ・ワイスマン ディーター・クロイス イアン・グリムウッド ミヒャエル・ギデオン クロワール・ド・カイエン公爵 黒のアルベリヒ
太字は主人公側と戦闘になった人物。
軌跡シリーズでも思想家・知恵袋的な人物は敵ボスキャラになる傾向が強く、オーギュスト同様主人公側と直接対決することも多い。ただし、イアン・グリムウッド及びクロワール・ド・カイエンの二人は戦闘能力がなかったのか、最後まで主人公側とは戦闘しなかった。