概要
クロスベル自治州・クロスベル市にてグリムウッド法律事務所を営む弁護士。
初登場時56歳。
本編開始前
「零の軌跡」の15年前(七燿暦1189年)、飛行船墜落事故により妻と2人の子を亡くす(なお、この飛行船にはロイド・ガイ兄弟の両親も乗っていた。)。
その後、人権問題に詳しいことを買われて《D∴G教団》殲滅作戦(1198年)に民間アドバイザーとして協力し、各国の拉致被害者の情報収集に貢献するなどでも尽力した。
零の軌跡
ロイドたち特務支援課が旧市街の不良同士の対立を解決しようと訪れたことで初めてかかわりを持ち、ルバーチェ商会を取り巻く最新情報を語り、また、ツァオ・リー率いる《黒月》の進出について教える。その後もたびたびロイドらの相談に応じ、助言や情報交換をしている。
碧の軌跡
本編で行われた西ゼムリア通商会議にあたり、法律の専門家として本会議のオブザーバーを務め、同会議でクロスベルの独立を宣言したディーター・クロイスに協力し、会議後に憲法草案の作成を始める。本作でも特務支援課にたびたび協力し、ロイドらに助言していた。
終章にて、独立宣言以降独裁色を強めていくディーターを説得するとピーターに告げてオルキスタワーに向かうが、それきり彼は帰って来ず……。
以下『碧の軌跡』ネタバレ
ロイド達とディーターの戦いの最中、ディーターを見限ったマリアベルらとともに黒幕として現れる。
前述の通り妻子を亡くしたあと、妻子を奪った飛空船墜落事故がエレボニア帝国とカルバード共和国の暗闘の一環だったことで自治州の政治的立場から途方に暮れることになった。そのさなかにクロイス家…ディーター・マリアベル父娘が進める「零の至宝」を生み出す計画…『碧き零の計画』の内容を知って手を貸すことを決断。クロスベルを取り巻くあらゆる情報や要素を集約できる立場にいたことから、ディーターを誘導すると同時に、エレボニアとカルバードの謀略によって家族を失い、かつ警察官時代より相互協力していたアリオスのような潜在的な協力者に真相を告げることで計画に引き込んでいった。
そして何よりもロイドの兄・ガイの殺人犯でもある。「零」の3年前(1201年)、ガイが陰謀の真相に辿りつく予兆があったため、オルキスタワー工事現場にて彼とアリオスとの死闘の隙をついてガイを背後より拳銃で射殺。陰謀が露見する芽を潰すのみならずアリオスを後戻りできない立場に追い込んだが、死に際のガイに
「俺の後を継ぐ者は…必ず現れますよ…。」
と、イアンへの挑戦ともいう言葉を浴びることになる。
なお、ガイの遺品である警察徽章はルバーチェ商会が引き受け、得物のトンファーはアリオスが隠匿していた。
《D∴G教団》の扱い、西ゼムリア通商会議の段取り、クロスベル市襲撃から住民投票を経て独立国宣言に至るまでの流れといった、ディーターが主導してきた事柄で彼がそれらの考えを思いつくよう密かにアイデアの種を囁き誘導しており(ディーターは全て自分のアイデアだと思い込んでいた)、「碧き零の計画」を進めるにあたって「黒幕」の立場で裏から関わるつもりだったが、ディーターが自身の信じる正義にこだわって逸脱しつつあったため、ついに自分の立場を明らかにし、ディーターを切り捨てた。
「碧き零の計画」…その集大成たる《碧の大樹》となったキーアの力によって、望ましくない事態に対しては世界を書き換えることで平和な世界を実現しようとするという大願が今果たされるところに、ロイド達特務支援課が現れる。
アリオスとの戦いの末、イアンが兄・ガイを手にかけた真犯人であることを知ったロイドだが、イアンの大願を知ると
「人の死すらなかったことにするのはそれを乗り越えた人間から成長を奪い、尊厳を傷つける行為だ」
と断じた。本来ならロイド自身兄・ガイを殺めたイアンに対して憎悪・報復を行ってもおかしくはなかったが、このロイドの態度から自身も計画から手を引こうとしたところでマリアベルはイアンを「用済みの道具」として切り捨て、彼女の術によって串刺しにされて倒されてしまう。このため、イアン自身は戦闘には登場しなかった。
ただマリアベル自身、イアンの今後を考えていたのか致命傷までは与えていなかったため一命は取り留め、ロイドたちに救出された後、「碧の大樹事件」の主犯格のひとりとしてディーターとともに逮捕された(マリアベルは結社『身喰らう蛇』合流のため逃亡。)。なお、イアンにガイ・バニングス殺人罪も加えられたのかは不明。
閃の軌跡
逮捕後は弁護士の資格を失い、クロスベル郊外の拘置所に収監、服役することになる。事件の直後にクロスベルがエレボニアに併合された後はヘンリー・マクダエル議長やルーファス・アルバレア総督がイアンのコネクションと法律知識を有効に使いたい意向だったことから特例の許可を得、獄中の身ながら法律アドバイザーとして活動を行っていた。
グリムウッド法律事務所もイアンの逮捕とともに閉鎖された。『閃の軌跡Ⅳ』では大戦の臨戦態勢時に一時クロスベル通信社が法律事務所の建物を間借りしたが、これは通信社の自社ビルがエレボニア帝国軍徴兵事務所となり、立ち退きを命じられたためである。この間、イアンの助手・ピートも一時クロスベル通信社にて働いていた。
創の軌跡
世界大戦直後、機械知性《エリュシオン》からのコンタクトを受け、彼が対話を続ける事で《エリュシオン》は「限定式収束未来演算」機能を得たほか、イアンとの対話で人間を模した擬似人格を形成。彼は擬似人格に「ラピス」と名付けた。
その後、クロスベル再事変…かつて総督を務めていたルーファス・アルバレアが総統としてクロスベル統一国を立ち上げようとしたところで《エリュシオン》が関与している事を察知、さらにはルーファス総統の使いの者から独立国に協力する条件で保釈を赦すというオファーがあったため、同じく収監されていたディーターとガルシアとの3人と一連の真相を協議し、ディーターとガルシアのふたりをアンダーカバーとして統一国幹部に送り込み、潜入調査を行う一方で、自身は真相を求める者たち…ラピスら新生帝国ピクニック隊一同の来訪を拘置所で待ち続け、一行が訪れた際に真相を話した。
クロスベル市解放作戦では一時的に保釈され、旧法律事務所を拠点としてかつてのコネクションを総動員して調整・交渉を行い、助手のピートとともにクロスベル警備隊・クロスベル警察・そしてロイドたち特務支援課・リィンたち新旧Ⅶ組・本物のルーファスたち新生帝国ピクニック隊一同の反攻に後方より支援。
そして黒幕打倒後、改めて行われたクロスベル自治州再独立調印式には来賓のひとりとして出席している。
人物
気さくで人当たりが良く、恰幅のある体系と髭面から、熊ヒゲ先生の愛称で親しまれている。相談に来た人たちには分け隔てなくどんな問題にも親身に接しており、依頼人が生活に困窮していることを知ると勝手に減額してしまい、助手をつとめる少年・ピートに怒られることもある。
クロスベル警察とも懇意であり、生前のガイ、ダドリー、セルゲイとはD∴G教団壊滅作戦においてもたびたび情報交換を行ってきた間柄であり頼られている。特務支援課にも軽視されることの多かった発足間もない当初から好意的で、親切に相談に乗っていた。
助手の少年・ピートはかつて後見人として引き取り、後に助手として事務所で雇っている。彼のことを実子同然に思っており、家族を失ってからは嘆きと悲しみから前述のクロイス家との『計画』達成のために人生を捧げていたが、彼を引き取ってからの生活にはそれを癒すものがあったため計画を中止することも考えていたほど。しかし、前述の通り「碧」終盤で、やむなく黒幕としての立場でいられなくなりその正体を現すことになると察した際は、ピートに置手紙と彼の新たな後見人を手配するための書類を残して事務所を発ち、碧の大樹に向かったのだった。なお、一連の事件後、ピートは弁護士としてイアンの後を継ぐことを決意し、目下勉学中であることを語っている。
ロイド達との戦闘シーンが一切無くマリアベルにあっさり半殺しにされているので、戦闘力は一般人の域を出ないと思われるが、驚異的な話術と人心掌握術、それに加えて弁護士としての情報力を駆使することで、過去の黒幕のような異能の力を持ち合わせていないにもかかわらず、自分で考え行動したと思い込ませたうえでディーターを意のままに操ってみせた。ある意味上述の黒幕より厄介な能力の持ち主と言える。
余談
「弁護士と言う偉い敬称」、「人当たりの良い人」、「眼鏡」。と言うこのシリーズにおいては疑わしき要素を全て備えており零の軌跡で初登場した当初から『黒幕』候補として一部ファンから疑われていた。(同じくこの要素をすべて備えていた別キャラは実際黒幕であった)
碧の軌跡 発売前に投稿された動画では黒幕である事だけでなくガイ殺害の件までも的中させており一部ファンの界隈では語り草とされている。
関連タグ
表の顔としてイアンが助力した者たち
ガイ・バニングス セルゲイ・ロウ アレックス・ダドリー 特務支援課 ラピス・ローゼンベルク 新生帝国解放戦線 Ⅶ組 新Ⅶ組
碧き零の計画に共謀・協力した者
共謀者
協力者
アリオス・マクレイン ガルシア・ロッシ ヴァルド・ヴァレス シグムント・オルランド シャーリィ・オルランド 執行者No.0 博士 鋼の聖女 鉄機隊