※主観・独自研究が多分に含まれる恐れがあるため、具体的な一覧は控えるようお願いします。
概要
公式に主人公という設定ながら、目立った活躍が見当たらない、脇役に人気が食われている等、悲惨な扱いを受けている主人公キャラに対する蔑称または愛称。
辛うじて踏みとどまると「一応主人公」と呼ばれる扱いですむ。
由来
元々はカプコンの対戦格闘ゲーム『ストリートファイターⅢ』の主人公・アレックスを指す言葉であった。
アレックスはカプコン側による世代交代及び格闘ゲームとしての意識変化を考慮した結果生み出されたキャラクターと思われ、『ストⅢ』の主人公という立ち位置を担うことになった。
……が、
- 「飛び道具を持っていない」
- 「筋骨隆々の体格で半裸、しかも『1st』では全キャラ中最大」
- 「コマンド投げを2つ持つ上に、どのスーパーアーツ(SA)も投げの要素を持つ」
- 「『1st』では真空波動コマンドではない(レバー1回転)唯一のSA持ち」
と、一見するとどう見ても投げキャラに見える(実際公式側でそう扱われている)という主人公らしからぬキャラ付けでありながら、性能はオールラウンダーであるため尖った部分がなく地味という如何ともしがたい性能であった。
さらに、
と、前作主人公にことごとく負けているという点などがあまりにも重なりに重なった結果、「こいつ、明らかに主人公じゃない」と思われてしまい「主人公(笑)」と呼称されるようになった。
これが転じて、「名目上主人公でありながら主人公たる特性が欠如しているキャラ」を指して、「主人公(笑)」と言う呼び方が生まれた。
ダブル主人公等もこの例で格差が出来てしまう事があり、コンセプト崩壊として作品の評価を下げてしまいがち。
主人公(笑)に陥りやすいパターン
「公式で主人公として設定されていること」が前提になる。
主人公っぽくても、公式に主人公として設定されていない場合は(笑)とはならない。その上でこれらの要素を一つないし複数合わせ持つ事により、主人公(笑)は誕生すると思われる。
- 【主人公なのに頼りにならない】
主人公なのに負けっぱなし・折れっぱなし・信用できない・物語に関わる理由が薄い、あるいは非道・外道、単純に出番が少ないなど主人公らしい活躍を見せないキャラ。
また、途中までは主人公に相応しい活躍や信念を見せていたが、作品の末期には見る影もなく劣化してしまったケースもある。しかし、非道振りに磨きがかかり畏怖の対象にまでなると主人公(ラスボス)に変化する事がある。
- 【前主人公の存在が大きすぎる】
長編シリーズ物にありがちな、主人公(笑)という言葉が生まれるきっかけともいえるパターン。
新章や続編などにおいて、キャラクターを一新し、新たな主人公の元で仕切りなおそうとするも、前作主人公に食われてしまうケース。
同じ主人公で長く続けている作品や、ましてやその前主人公がその作品どころかそのジャンルを代表するキャラだったりすればするほど、世代交代に失敗しやすい。
もっとも、シリーズを続けると言う事は関連作品の威光を借りる事になるので、歴代の主人公との比較は逃れられない運命とも言える。その逆境を跳ね返すほどの個性が新主人公には求められるのだ。
- 【濃すぎる脇役が居た】
主人公自身に問題は無いのだが、濃すぎる脇役に食われているケース。濃すぎる脇役でも「本来主人公が担うべき役割」が務まってしまう為、主人公の影が薄くなり「一応主人公」という形になってしまうのだ。
この場合本来の主人公は狂言回し的なポジションに収まることになるが、運が悪いと、主人公交代という仕打ちを受ける場合も…。続編やメディア展開した際に、濃すぎる脇役を主人公に据えたスピンオフが逆にシリーズの中心となっていってしまうこともある。
- 【主人公としては性能が微妙】
格闘ゲームではダイアグラム下位争いを演じたり、シミュレーションRPGではパラメーター成長率が悪かったり器用貧乏で主戦力どころかベンチウォーマーがお似合いだったり、弱いのにパーティから外せないせいで足手まとい扱いだったり……というパターン。プレイヤーの腕や育成次第でなんとかなるケースも多いが、そもそも「腕や育成でなんとかしなくてはならない」時点で主人公っぽくない。
- 【ラスボスを倒してもEDではあんまりな結末を迎える】
美味しいところを脇役に持っていかれる、旧主人公と戦ってボロ負けなどの醜態を晒してしまうというパターン。
選択の結果存在が消去される、勝ち目の見えない戦いに赴くなどの本当に悲惨な結末を迎える場合は悲劇の主人公という別ジャンルになる。
- 【主人公なのに続編やお祭り作品に出られない】
続編はいわずもがな、各作品の主人公が集結するお祭り作品で出られないのは、主人公であると認められていないようなもの。
もっとも、主人公キャラは性能やキャラクター性が被りやすく、キャラ被り防止のためハブられている場合やさらなる続編で登場するケースもあるので、お祭り作品に出てないだけで(笑)扱いは早計である。
- 【主人公をクビにされた】
ファンから主人公扱いされない、もしくは作り手が主人公として設定したが、思ったより魅力に乏しかったため、今まで一応主人公だったが、主人公の座を降ろしてしまったパターン。
作品ごとの設定が異なったため外した、作者が動かしづらかった、前述の濃過ぎる脇役の存在が災いした等、様々な憶測がささやかれ易い。
- 【狂言回し的立場としての「主人公」であるが、出番が少ない】
読者を物語世界に導く案内人的な役割を担う狂言回しとして設定された主人公は、しばしば「変な人の中に放り込まれた一般人」というキャラクター設定を与えられる。
それでも物語中で「物語の進行の理解を助ける」「視点を提供する」という役割を担っていれば主人公(笑)にはならないはずだが、一般人という設定が枷になり戦闘などの盛り上がる場面に参加出来なかったり、主人公が導入部のみに登場しいつの間にかフェードアウトしてしまった場合、主人公(笑)扱いされることがある。
- 【偽主人公】
物語の始めは主人公のような立ち位置と振る舞いを見せていたが、実際は序盤で退場するキャラだったというパターン。最初から主人公のポジションを奪われるのが内定していた、いわゆる叙述トリック。
展開としては斬新だが、該当作品は少なく、それまでのファンが一気に離れて即打ち切りになってしまう事も非常に多い。
- 【製作者の意図】
一癖も二癖もある複数の脇キャラクターが売りの日常系漫画などでは「主人公の影が薄いと人気が出る」という妙なジンクスがあり、編集者や漫画家自らがそれに乗っかってたり、またそれをネタにしている場合もある。バトル漫画ではイヤボーン、ギャップ萌えの法則というのがあり、普段の主人公が情けなく、頼りないほうが変身後や成長後が引き立つ。
この場合は「不遇な主人公」というキャラ設定としての主人公としての役割を担っていると言える為、厳密には(笑)には該当しない。どちらかというとツンデレ等の記号に近い。
ただし、影の薄さ、役立たずさが度を越していて、自分より容姿も性格も能力も信頼性も優れた脇役を差し置いて安全な位置にいる、すべてのステータスがモブ並なのに主人公の位置に定住している(後のほうで巻き返し、ギャップ萌え展開を見せる様子もない)、世界を映すカメラマン役を担っていて、「ルサンチマン的な視点を提供してしまう」「全く共感できない独白を始めたりする」などの特徴を持っていると、(笑)では済まされなくなり、読者は泣いたり怒ったりして帰ってしまう(酷い場合には、作品そのものが成り立たなくなる)。
・・・などなど。
主人公のタイプ・役割と主人公(笑)の関係。
- 【物語の主体となり物語を引っ張っていく】
スポーツ漫画やヒーローモノや恋愛漫画(非ハーレム)の主人公に多い、主人公自らが動いて物語を動かしていくタイプ。よっぽどの事がない限り(笑)扱いはされない。
- 【視点を提供する】
ラノベやノベルゲーの主人公に多い。読者(プレイヤー)の視点を肩代わりし、時として作品世界を解説する役割を担う「狂言回し」と言われるタイプのキャラクター。巻き込まれ型主人公もここに含まれる。物語に対して受動的で、物語を引っ張るのはヒロインや悪役といった別のキャラである場合が多い。視点を提供している時点で出番が多いため存在感が薄くなることはほぼ無いが、「居なくてもストーリー上問題ない、不要な存在」という見方をされることがある。
- 【群像劇の主人公】
複数の視点、複数の主人公が存在するケースにおいて、その中心となる人物、あるいは最も読者や視聴者が共感しやすい「普通」という視点を提供するタイプ。この場合、出番が他の主人公に喰われる事も多く「一応主人公」に降格していき、最後は(笑)扱いされやすい。
- 【物語を締める】
長期連載のバトル漫画に極めて多い、ラスボスを倒し物語を締めるタイプ。
序盤〜中盤は何かしらの理由で出番が少なく、その分サブキャラは活躍の機会を与えられつつも噛ませになることで敵の強さをアピールし、最後の最後に立ちはだかった大敵を打ち倒す事で、物語を締めつつ存分に存在感を発揮する主人公。ただしこちらも、序盤〜中盤の間は出番や活躍が少なく(笑)扱いされやすい。
- 【作品のテーマを体現する】
作品のテーマを視点において見た時、間違いなく主人公と言える役割を担っているタイプ。
作品のテーマを理解しているい人にはちゃんと主人公扱いされるのだが、作品テーマが難解・説明不足ゆえにユーザーに伝わっていないときは(笑)扱いされてしまうことがある。
関連タグ
いらない子 脇役 モブ 空気 背景 俺余ってるだろ! 映す価値なし
ヒーロー(笑) ライバル(笑) メインヒロイン(笑) ヒロイン(笑) ラスボス(笑)