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解説

シドニアの騎士に登場する人型主力戦闘機の総称。


直線を多用したシャープなデザインと、一部例外を除けば固有名を持たず製造番号で呼称されるのが特徴である。実際の工業製品や兵器に近い扱いのロボットであり、様々な種類の機体が存在するがどれも外見に明確な違いがあまりなく、一世代前の旧式と最新鋭機ですら並ばれると区別し辛いほどである。アニメ版ではこの点を憂慮してか、主役機である継衛と他の機体とでカラーリングを分けている。

これは衛人という機体が数百年の歴史を持つがためであり、物語開始時点で既に兵器として洗練され尽くしていることが大きい。物語が進むにつれて性能がアップグレードされた新型機が新規開発されるも、やはり基本的な外見に大きな変化は無い。


作中では主にガウナを倒すために使用される他、資源回収といった船外作業にも運用される。

物語当初、これ単体ではガウナを倒すことが出来ず、完全破壊には通常武装で本体を覆う胞衣(エナ)を破壊して、ガウナ本体殻を貫通することのできる唯一の物質「カビ」で作られた「カビザシ」と呼称されるヤリ状の武器で本体を貫く必要があった。

カビザシは28本しか存在しないとても貴重なものであったが、後に量産可能な人工カビの登場によりカビを使い捨てることができるようになってからは、人工カビ弾を用いた遠距離戦でのガウナ撃破が可能となった。


一五式以降の機体はヘイグス粒子をエネルギー源としたヘイグス機関で稼動している。機体に貯蓄されたヘイグス粒子が無くなった場合、非常用の補助電力により生命維持等の各種機器を操作することが可能。ヘイグス粒子捕集膜をソーラーパネルのように展開して宇宙空間からの粒子収集もできるが、ヘイグス機関を始動させる量を集めるには時間を要する。

前腕部は接近格闘戦用のスパイクや高速速射砲誘導飛翔体など多数の武装を収めたウェポンプラットホームとなっており、機体全体をカバーできる大型シールド(対ヘイグスコーティング済み)や弾体加速装置、人工カビ製兵器や強制射出装置を装備するハードポイントともなっている。パイロットの操作で肘部分から脱着できるため、戦闘で前腕部を失った衛人へ提供することが可能。


操縦席殻(コクピット)内部は通常は非与圧だが、内部を与圧してスキンスーツを脱ぐことも可能。宇宙空間での運用を前提としているため居住性は高く、長期間の漂流に備えて2か月分の酸素や水、レーション、ろ過装置なども搭載されている。非常時にはコクピットを展開することで、スペースの拡張と光合成用の外光の取り入れも行える。


なお主人公・谷風長道の乗機は一般的な衛人ではなく「継衛」と呼称される前世代のフラッグシップ機である。


機種

五式衛人

数百年前に使われていた衛人で、回想シーンにのみ登場。まだ人型ロボットという形状にはなっていない。この時点で試作段階ではあるが、ヘイグス粒子砲が使用されている。


一五式衛人

ヒ山ララァが現役だった頃用いられていた衛人で、現在もわずかながら現存する。現在と違ってヘイグス機関を使用していない。


一七式衛人

かつて配備されていた衛人で、「白月」の名が与えられている。非常に高性能・多機能で熟練者が操れば一八式より高度な戦闘が可能だが、その分コストも高い。長道の乗る継衛は100年前に一七式に乗っていたエースパイロット用に特別に改造したもの。


一八式衛人

本編が始まった時点で主力となっている衛人。100年前の大戦で壊滅した東亜重工に取って代わった岐神開発製。一七式に比べてコストダウンが図られており、また操縦もある程度自動化さているため扱いやすい機体となっているが、その分性能や能力の限界は控えめ。原作では白のカラーリングだが、アニメ版では淡いブルーグレーとなっている。

新機種が続々開発される中でも、生産しやすいという当機の美点はやはり大きく、改修による強化を繰り返しながら最後まで衛人隊の主力機であり続けた。


一九式衛人

再建した東亜重工によって新しく開発され、生産が進んでいる衛人。装甲材や推進機関が刷新されたことで一八式より大きく性能が向上し、機体制御もより自動化している。エースパイロットを中心に配備が始まっている。


高コスト実験機

継衛の後継機として開発が進められている二零式のデータ収集用実験機。機体の装甲やフレームに超構造体を使用した最初の機体であり、精製純度30%という低水準でありながら驚異的な頑丈さを誇っている。実験機ということもあって様々な新技術が試験的に投入されており、全体的に痩身で推進機関に4枚羽根を使用している個性的な外見となっている。


二零式衛人

新しく東亜重工で開発中の衛人。継衛の設計思想を受け継いだ高性能機を目指している。機体のフレームや装甲に超構造体を用いた画期的な機体であり、研究用に開発された高コスト実験機でさえもかつての衛人と比べ物にならない圧倒的な性能と頑丈さを誇る。その分建造コストも莫大であり、一体作るのに一九式百機分の費用が必要となってしまう。機体に使われる超構造体が一八式や一九式の近代化改修に回されたこともあり、建造は遅れに遅れて最終決戦間際にまでもつれ込んだ。

大シュガフ船との決戦に際し、『劫衛』の名を与えられた。


関連用語

  • スキンスーツ(操縦士服)

衛人操縦士たちが装着する専用のパイロットスーツ

身体に密着するタイプの宇宙服で、全裸で着なければならない。負傷時の鎮痛機能や蘇生機能等の生命維持装置の他、生体尿管カテーテルで採取した尿から飲料水を濾過する装置や、いざというときの自爆機能なども備えている。

スーツの内側は粘膜状の人工生体組織となっており、操縦士の代謝物の処理のためと思われる人工の常在菌が繁殖していて、くさい。特に脱ぎたては生温く、とてもくさい。脱いだ後のシャワーは必須であり、大規模な任務終了後ともなれば光合成室(更衣室)はエラいことになる。

過去には臭いの少ないスーツが研究され実際に開発されたこともあったが、何故か普及しなかったらしい。

貴重な素材を使っているために滅多なことでは新調せず、修繕を重ねて代々受け継がれているために外装には多数の傷が付いているが、生体尿管カテーテルなどの生体パーツは交換される。


  • 掌位

移動時に複数の衛人が腕を交差して手を握り合うことで、機体のエネルギーを連結し加速力を高めることができる。掌位する機数が増えるほど加速性能が高まり、256機掌位はシドニアの航行能力を超える。ちなみに融合個体である白羽衣つむぎも掌位で加速力を高めることが出来る。

パイロット同士が団結するための験担ぎとしても行われており、「生身の状態で手を繋いでいない人間同士が掌位をすると事故が起こる」というジンクスもある。衛人操縦士にとっては仲間との絆を確認する重要な儀式でもある。


  • ヘイグス粒子砲

衛人の頭部に装着された兵器。ヘイグス粒子をビーム状にして打ち出す武器であり、非常に高出力ではあるがガウナには通用しない。もっぱら牽制やガウナの胞衣(エナ)を引っぺがす際に使用されている。


  • カビザシ

対ガウナ戦における唯一の切り札であった兵器。兵器と言っても実際は只の槍である。この兵器のキモは槍の穂先に付着している物質『カビ』である。このカビにはガウナを胞状崩壊させる効果があり、如何なる兵器も通用しないガウナを唯一殺す事が出来る。ただしカビの総量に限りがあったことから量産は出来ず、物語開始時点では28本しかシドニアには現存していなかった。

対ガウナ戦においてはヘイグス粒子砲などによってガウナの外殻である胞衣(エナ)を引きはがし、本体が露出したところでカビザシを突き刺すことが基本戦術となっていた。

そのため、衛人操縦士は訓練の過程で槍術を習得する必要があり、衛人同士の模擬戦闘は槍を使った勝負となっている。後に人口カビが開発されたことで主武装の座からは降りた。


  • 人工カビ

融合個体の殻のない本体を利用して人工的に生産された赤い『カビ』。

落合のガウナ研究の成果の一つ。それまで非常に貴重だったカビを大量生産することを可能にし、対ガウナ戦を一変させた。とても脆く格闘武器に使いづらいという欠点を持っていたが、後に重量がかさむものの脆さを改善した黒色の新型人工カビが登場した。

この人工カビのおかげで、ガウナとの戦闘がカビザシによる白兵戦から人工カビ弾を用いた銃撃戦に移行し、それまで死屍累々であったガウナとの戦闘が一転して安全で有利な状況に傾くこととなった。ただし、自己進化を繰り返すガウナにはこれですら絶対勝利の条件にはならず、圧倒的に不利な状況が五分の勝負に持ち込めるようになった、というのが正直なところである。


  • 高速自律支援装甲『隼風』

一八式衛人のために開発された自律支援機。

細長い四角錐型をしており、4機の衛人をその装甲内で連結できる。中心となる芯の先端には人工カビを装備し、十分な速度が出ていればガウナの2、3体は貫通できる他、加速後に芯を分離してガウナにぶつけることも可能。4枚の装甲は分離後も各衛人に残り、大気圏突入用の筏となる。


  • 超構造体

融合個体二号の製造と同時期に、ガウナの本体殻を研究して開発された新素材。針の大きさほどのサンプルでも切断するのに一ヶ月以上かかるほどの丈夫さを持ちながら非常に軽量で、これで作られたパーツは2m四方ほどの大きさでも人間一人の力で持ち上げることができる。

陶器のような質感で、理論上は恒星の熱でも融けず、高純度のものは重力子放射線射出装置でなければ破壊できない。一方、生成と成型に時間とコストが非常にかかり、成形後は加工が容易に行えないという欠点がある。

後に長道の提案で一八式や一九式のコックピット核にも超構造体が用いられるようになり、パイロットの生存率が飛躍的に向上した。

作者の他の作品にも登場するスターシステム的ガジェット。


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