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概要

シドニアの騎士・主人公谷風長道が搭乗する機体。正式名称は『一七式衛人白月改 継衛』。

本編より100年前に起きた『第四次奇居子防衛戦』にて撃墜王・斎藤ヒロキの搭乗機としてシドニアを救った衛人。現行の量産機である一八式よりもはるかに旧式ではあるものの、歴史的な名機であり、改修も行われているため性能的には同等以上。

作者の弐瓶勉先生は『シドニアの騎士』を描き始めるに当たって、多数のロボットもののプラモデルを切り刻んで、実際に継衛の模型を組み上げたとのこと。

機体解説

かつて東亜重工によって一部のエース向けに生産された名機一七式衛人『白月』を、さらに斎藤ヒロキ用に徹底的にチューンナップした特別改修機である。

部品は職人の手作業によって作られており、岐神開発製である一八式には搭載されなかった『対ヘイグス粒子ビームコーティング』なども備えている。また現在は使われていない旧型の武装や、奥の手として『左前腕強制射出装置』なども装備している。欠点は旧式のためスペアのパーツがほとんど残っていないこと。

一八式とシルエットはよく似ているが、カラーリングが白銀であることや頭部の形状などに違いがみられる。また操縦の一部自動化が行われている一八式及び一九式とは設計思想が大きく異なり、操縦士の感覚による操作が必要で、その分、熟練者が扱えば細かい作業や高度で機敏な挙動を取ることも可能となっている。

救出作戦用継衛

惑星セブンに移住した非武装主義者達の生き残りである市ヶ谷テルルを救出するための継衛。ガウナがヘイグス機関と人口カビに反応して襲ってくるため、頭部ヘイグス粒子砲を外し背部推進機関を一五式衛人の非ヘイグス機関に換装、人口カビによる武装を排除した機体である。非ヘイグス機関の換装に伴い出力は落ちている。

継衛改

一八式の後継である一九式に採用された新型の背部推進機関や胸部装甲材への換装、人工カビの追加など、武装や装備のアップグレードが施された近代化バージョン。外観上は大きな変化はないが、各種改造の結果一九式並の性能を持った事実上別機体になっている。原作では呼称の変化はないが、アニメ版の第二期ではこの名で呼ばれており、頭部形状も若干変化している。

後継機

長道の愛機として本編序盤から多くの活躍をするが、度重なる激戦により修復が困難なまでに破壊されてしまう。その後は継衛の真の後継機として『二零式衛人』の開発が始まり、長道はその実験機に搭乗する。また実験機が失われた後、二零式完成までの長道の搭乗機として『継衛改二』が登場する。

高コスト実験機

二零式衛人の開発に当たり、データ収集と新装備の実証試験のために先行して開発されたワンオフ実験機。「特殊新型実験機」とも呼ばれる。

フレーム部分にガウナ本体の装甲(殻)を研究して開発された『超構造体』と呼ばれる新素材を用いており、非常に軽量(パーツ単体は大人が一人で持ち上げられるほど)でありながら惑星地表に墜落しても壊れない頑丈さと恒星の熱にも耐える耐熱性を持つ。さらに新型ヘイグス機関と相俟って機動力においては従来機とは比較にならないほど高い。他にも放射線や太陽風などの電磁波を遮断するバンアレンシールドや、組み付かれた時に役立つ胸部滑腔砲、格闘戦用のための折りたたみ式人工カビ刀など様々な新装備が実験的に搭載されており、融合個体に匹敵する戦闘スペックを誇る。

反面、使用されている超構造体は純度30%程度ながら生成と成型に時間がかかり、いったん成型した後で加工するのは非常に困難なため、その名の通り製造コストは一九式の100倍に達する。さらに駆動装置や内装品の大部分は既存のものを使用しているため、実戦ではフレーム自体は耐えられるようなダメージでも内装パーツが先に破損してしまうといった事態も起きている。

惑星ナインでの偵察部隊救出任務にて初めて実戦投入されて以降、長らく長道専用機として活躍したが、恒星レムでの半自律式転換機構の設置作業での事故にて喪われる。

継衛改二

高コスト実験機を喪った長道の次の専用機。

駆動装置を始めとする内部機構の開発が遅れているのと、新素材による一九式と一八式の改修が優先されていることから二零式衛人の完成が遅れているため、それまでのつなぎも兼ねて継衛改と高コスト実験機で得られたデータを基に新たに製造された。

フレーム素材の純度は高コスト実験機と同等ながら、シドニア設備への対応やハードポイントの設置など急造品であった高コスト実験機の不備を改良している。新兵装として全身の各部に任意に射出可能な人工カビの刃が取り付けられている他、通常弾と人工カビ弾を交互に装填した二重弾薬式高速連射砲などが追加されている。

大シュガフ船総攻撃作戦中、シドニア防衛のために融合個体二号の暴走事故を経て正気を取り戻し改心した海苔夫に託される。

アニメ版では惑星ナイン偵察任務時に完成しており、実験機での活躍は継衛改ニに置き換えられている。

二零式衛人「劫衛」(ゆきもり)

継衛の真の後継機として開発された東亜重工の新型衛人。

継衛の正当な後継機を目指しているため、開発中は「継衛マークII」と呼ばれていたが、決戦に際して「劫衛」と名づけられた。

全身を純度99.999%の超構造体で構成されており、高コスト実験機や継衛改ニ以上の頑強さを誇る。

専用の新型駆動装置や内装品の開発に時間がかかり完成が遅れていたが、大シュガフ船及び落合(融合個体二号)との戦いに備えて東亜重工が総力を挙げて取り組み、100%ではないながらも大シュガフ船総攻撃作戦中にロールアウトされた。

高コスト実験機の面影を強く残した鋭角的な外観を持ち、新型ヘイグス機関は普段は二枚の翼状で、変形して合わせると四角錐型になる。

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