CV.小山力也
解説
主人公・谷風長道が共に暮らしていた男で、祖父を自称し、彼を育て上げた人物。第一話の時点で既に故人であり、長道によれば第一話の3年前に死亡したとのこと。シドニアの行政上は17年前に死亡扱いとなっていた。
その正体は7世紀前、シドニアのエースチームであった斎藤班の班長(斎藤班は通常の4機一組ではなく24機からなる中隊となっている)であり、シドニア史上最強の実力を誇ったエースパイロット。あまりの優秀さにより人格・知識のコピーも検討された唯一の人物である。
ガウナの本体部分を貫通する「カビ」の無い時代に通常の実体弾だけでガウナを撃退するほどの衛人操縦技術を持っていただけでなく、剣術といった生身での戦闘力でも優秀な技量を有していた。
6世紀前、小林・落合・ヒ山と共に謎の構造物を探索中に「カビ」を発見、これによって人類初のガウナ討伐に成功し、不死の船員会の一員となる。一七式衛人『継衛』は彼のためにチューンされた専用機であった。
100年前の「第四次奇居子防衛戦」でも多大な戦果を上げ、シドニア内部に侵入したガウナを継衛で撃破した「撃墜王」の正体でもある。
小林らと同じく不死の船員会のメンバーであり、述べ700年以上にわたってシドニアを守護し続けた英雄である。しかし、戦いに身を置く中で考え方や心境が変化し、結局小林ら船員会メンバーと袂を分かつことになった。
防衛戦終結時に自身の延命用クローンも失うが、新たなクローンを作ることを拒んで失踪。第一話より14年前に小林達が発見した時には、肉体維持のための投薬もしてこなかったせいでかなり老化が進行していたため、小林の独断で脳移植のために、不死をはじめとした禁断の遺伝子改造を多数施された特別製の換装用クローンが作られた。その事を知ったヒロキは、赤子の段階まで成長したクローンを奪って居住区外に逃亡した。
その後は逃亡先でクローンに谷風長道と名づけて自身の操縦技術を伝授しながら成長を見守り、最後は自らを超えた長道の成長を喜び、自分を戦いの道具として生かし続けてきた小林やシドニアのあり方に恨み言を言うこともなく、穏やかに息を引き取った。
不死の船員会の一員であることに加え逃亡事件を起こしたためか、シドニアを救った英雄でありながら公開されているプロフィールは偽造されており、一般には操縦士の一人としてしか認知されていない。